ヤヤ・トゥレ残留でほっと一息マンチェスター・シティ。来季の希望はポグバか、それとも…!
「ヤヤは残る。シェイク・マンスールに懇願された。君はとても重要な選手であり、クラブ買収以来初めての大物選手で、クラブはどこにも売るつもりはないといわれれば、残らないわけにはいかない。 これはいい話だった。ヤヤはお金を求めているといわれがちだが、われわれが求めてきたのはリスペクトだ。お金だけを要求したことはない」
セルクさんという人は、どうも食えない人ですね。今回のインテル移籍騒動について、アフリカ史上ナンバーワンMFがお金のために移籍を考えたとは誰も思わないでしょう。わざわざ余計なことをいうので、却って「お金の話が多いですね」といわれてしまいそうです。ともあれ、代理人発言を受けて、31日にはヤヤ・トゥレ本人が地元紙「マンチェスター・イブニング・ニュース」にクラブに残るとコメントしました。
「私は確実にここに残る。ファンは何も心配しなくていい。私がめざすのは、チームをよくするためにベストを尽くすこと。特にチャンピオンズリーグは、自分にとって最も大きな目標のひとつ。このステージでは、(マンチェスター・)シティは長い間(マンチェスター・)ユナイテッドの陰に隠れていた。彼らはすでに優勝経験があるから、サポーターは『俺たちのほうが上だ』といってくる。私は自分たちを応援してくれるファンのために、チャンピオンズリーグのタイトルを獲りたい」
「ここまで長い時間、僕の名前を叫んでくれるクラブは初めてだ。僕らには大切な友人であるファンがいて、彼らはいつも歌ってくれる。こういったものはお金では買えないね」
これにて、恒例行事となりつつあった「ヤヤ・トゥレ出る出る祭り」は終わったようです。マンチェスター・シティにとっては大きいですね。ランパードがアメリカに去り、ミルナーの移籍は決定的。チャンピオンズリーグの登録メンバーから外れたヨヴェティッチは、プレミアリーグに何かを残すことなくイタリアにUターンする見通し。今季プレミアリーグで4ゴールと不振だったジェコも、クラブを離れる可能性大でしょう。来季は30代の選手ばかりになるマン・シティは段階的に世代交代を進めなければなりませんが、この夏一気に主力を5人も失うとなれば、運よくお目当てのポグバが獲れたとしてもチーム力維持は難しくなっていたでしょう。ヤヤが残ってくれて、補強がmustのポジションがストライカーとサイドアタッカー、攻撃的MFに絞られれば、まずは万力込めてポグバとスターリング獲得にアクセルを踏めそうです。
マンチェスター・シティにとって最大の懸念は、ここ3シーズンの新戦力獲得に空振りが多く、ダヴィド・シルヴァ、アグエロ、ヤヤ・トゥレ、ナスリ、クリシーなど2010年~2011年に獲得した選手がずっと主力を張っていること。言い方を変えれば、ここ数年、チームの成長が鈍化しているともいえるわけで、明確なプラスはフェルナンジーニョとヘスス・ナバスぐらい。デミチェリスはまずまずですが、おそらく完全移籍となるであろうネグレドをはじめ、ロドウェル、シンクレア、ナスタシッチは既にクラブを離れ、昨夏加入のマンガラとフェルナンドも未だプレミアリーグにフィットしているとはいえません。
2015年、外せない夏。アーセナルやレアル・マドリードがビダル獲得を決めればポグバは絶望的。デブライネはあまりにも高額。スターリングが獲れたとしても、ミルナーとジェコの穴を両方埋めろというのは酷でしょう。聞こえてくる話からは希望が感じられないマンチェスター・シティですが、彼らの希望は、外ではなく内にあるのかもしれません。ウィルフリード・ボニー2年めの覚醒と、ナイジェリアの宝石・イヘアナチョの大抜擢。18歳のFWが2015-16シーズンのハリー・ケインになれるかどうかは、来季の指揮官にトッテナムのポチェッティーノ監督のような胆力があるかにかかっているように思います。
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