ブンデスリーガの下位クラブに集中力と連携を欠いた4失点…どうした、マンチェスター・シティ!
テストマッチということで強くタックルに行かず、1~2本ミドルを決められて負けたのなら、「練習ですしね」で済ませていたでしょう。アグエロやヤヤ・トゥレ、フェルナンジーニョなど中盤から前のキーマンを欠いた状態で、ボニー・ウィルフリードやヘスス・ナバスは仕上がり途上。そのままプレミアリーグ本番に突入できそうなのがスターリングとダヴィド・シルヴァ、後半から登場したイヘアナチョぐらいでは、なかなかゴールが奪えないこともあるでしょう。マンチェスター・シティの開幕日は、ライバルの隣町のクラブやチェルシーより2日遅い8月10日です。コンディションのみの問題なら、WBA戦までの9日間で上げていければOK。テストマッチとは別なチームのような運動量とスピードで、初戦をあっさり勝ってしまうかもしれません。
ところが、4失点です。GKジョー・ハート、最終ラインにサニャ、コンパニ、マンガラ、コラロフは、いずれも開幕戦のスタメン候補でしょう。コパアメリカに出場したサバレタとデミチェリスを欠くものの、この顔ぶれならレギュラーメンバー同然。アルゼンチン勢の不在は気になりません。試合開始から間もなく、緩いバックパスを拾われそうになっていたところから既に怪しかったのですが、15分からの23分間で立て続けに奪われた4点の内容が悪すぎました。
シュツットガルトの先制ゴールのアシストはGKのティトンでした。ゴールキックを誰も触れず、コンパニとサニャがコスティッチにかわされてハートと1対1、チップキック。31分の2点めは、ワンツー1発でコラロフが完全に置いていかれ、コンパニのカバーも間に合わずフリーのディダヴィの左足です。36分、3点めもディダヴィが仕掛けたシンプルなワンツーから、自陣左サイドでコンパニら3人が抜かれ、やむなくボールに寄ったマンガラは中央のギンチェクをどフリーにするしかありませんでした。その2分後、中央でディダヴィのパスを受け、トラップでコンパニを抜き去ったギンチェクがゴール。コラロフのように、いかにもコンディションが悪そうで走れていなかった選手も散見されましたが、コンパニとマンガラの問題はポジショニングと連携で、公式戦を控えたゲームとしては大きく不安が残る出来でした。
このゲームに収穫があったとすれば、後半から出場した若手DFデナイエルががんばっていたことと、期待のイヘアナチョがゴールという結果を出したこと。そして、試合を重ねるごとにダヴィド・シルヴァとのコンビネーションがよくなっているスターリングが、イヘアナチョとジェコのゴールのお膳立てをきっちり決めたことでしょう。優勝をめざしながら若手を育てるのはなかなか大変ですが、昨季のプレミアリーグでハリー・ケイン、ライアン・メイソン、ジョーダン・アイブ、ベジェリン、コクランが急激に成長したように、ペジェグリーニ監督もイヘアナチョやマルコス・ロペス、デナイエルらを抜擢して、チームに刺激をもたらすのも手かもしれません。
先日、イギリス紙「サン」が、マン・シティは来季のグアルディオラ監督招聘に1億ポンドを用意していると報じていました。開幕前に、現在指揮を執っている監督が今季限りであると匂わせるような記事が出るのは、チームの士気にとっていいことではないでしょう。もうひとりの「今季限りで去りそうな監督」バイエルン・ミュンヘンのグアルディオラさんは、ドイツ・スーパーカップでヴォルフスブルクに負けてしまいました。外野からの雑音、コパアメリカを戦った南米勢の出遅れ対応、ジェコの移籍問題、ミルナーやランパード、ヨヴェティッチがいなくなった攻撃陣の再構築、最終ラインの整備と、ペジェグリーニ監督はさまざまな問題に囲まれています。マンチェスター・シティは、早期に中盤と最終ラインの落ち着きを取り戻すことができるでしょうか。ここ2年は、一度スランプに陥ると立ち直るのに時間がかかるチームだっただけに、ピューリス監督のWBA、チェルシー、エヴァートンと難敵が続くスタートでつまずくのではないかと心配です。
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グアルディオラだけはやめていただきたい