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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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チキ・ベギリスタインFDが今季限りで退任。盟友を失うペップ・グアルディオラは…?

マンチェスター・ユナイテッドのデヴィッド・ギルCEOが退任を発表したのは2013年2月。そのシーズンの終わりに、サー・アレックス・ファーガソンが勇退しました。「妻を孤独にさせていたことに気づいた」「勝者として去りたかった」。自らの幕引きについて、そう説明した名将にとって、長年ともに働いた盟友の離脱も大きな理由だったのではないでしょうか。

今、マンチェスターでは、同じようなことが起ころうとしているのかもしれません。マンチェスター・シティのチキ・ベギリスタインFDが、今季限りでクラブを離れるとアナウンスしました。ADUGのオファーを受けたのは2010年。ジョアン・ラポルタ会長とともに、バルセロナのディレクターという役割を終えた直後でした。

「チキがすべてのキーだった。誰もリスクを取ろうとせず、バルサの関係者の3パーセントぐらいしか私を信頼しようとしなかったとき、フアーストチームの監督に任命するべきと主張した唯一の人物だった。彼なしでは、何も実現しなかった」(ペップ・グアルディオラ)

彼の熱意によって、2008年にバルサの指揮を執ることになったペップは、14のトロフィーを獲得する黄金時代を築きました。バイエルンで過ごした3年を経て、再びチキに声をかけられたのは2016年。イングランドにポゼッションフットボールを持ち込んだ戦術家は、2022-23シーズンにクラブの悲願だったビッグイヤーを獲得し、プレミアリーグ4連覇という偉業を達成しています。

世界一の監督を見出した慧眼のディレクターの退任は、いわば定年です。55歳になったら現場から退くと決めていたチキは、バルサでタッグを組んでいたペップが来たため、ピリオドを打つタイミングを5年延長していたとのこと。今回の決断は、「8月に60歳のバースデーを迎えた」というシンプルな理由によるものです。

「今まで出会ったなかで、最も謙虚な人。決してメディアに登場しない。裏方に徹し、成功は常に他人のものとする。この世界にそんな人物はいない。強いエゴを持つ者ばかりで、私などは最たる例だろう。彼は常に選手、監督、CEOを称賛する。一緒に働くのは楽しいね。すべてを受け入れて分かち合える。悪い時はそれまで以上に親密になり、いい時はワインで祝杯を挙げる」(ペップ・グアルディオラ)

事あるごとにFDの存在が重要と語ってきたペップは、マン・シティを選んだ理由についても、「チキがチェルシーで働いていたら、おそらくチェルシーに電話していただろう」といっています。2022年に契約を延長したときも、彼の名前を挙げていた指揮官は、いよいよマンチェスターで戦う理由を見失ってしまうかもしれません。

ブックメーカーの「Bet365」は、リヴァプールとアーセナルを降格とするオッズを2000/1とする一方で、マン・シティにはハマーズやフラムより高確率の12/1を付けています。プレミアリーグの財務規則違反を問われる場で相当数が認定されれば、トップレベルのステージに残れなくなる可能性もあります。さまざまな出来事が、彼を出口に誘っているように思えてなりません。


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