2025.02.19 マンチェスター・シティの話題
いよいよ決戦間近!レアル・マドリードとリヴァプールに必勝のペップの戦い方に注目!
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シティ・オブ・マンチェスターで開催されたCLプレーオフのファーストレグは、「10分以内に2失点を喫した試合が9つ」というパニック症候群の絶好の研究事例でした。アカンジ、ルベン・ディアス、ナタン・アケ、グヴァルディオル、ジョン・ストーンズとCB5枚を同時起用したペップの狙いは、ビルドアップでのパスコースを確保することだったはずです。
レアル・マドリードの守備時の4-4-2は、ヴィニシウス・ジュニオールとムバッペのプレスが緩く、パスコースを切る動きもアバウトです。ルベン・ディアスとナタン・アケがボールをキープしたとき、左右から絞ってくるアカンジとグヴァルディオル、アンカーのジョン・ストーンズと3つの選択肢があればボールを通しやすくなり、前を向いて次の展開に移行できます。
19分の先制ゴールは、グリーリッシュ起用の狙いが結実した1発でした。サイドに張らず、インから上がったグヴァルディオルに10番からの絶妙な浮き球が通り、SBが胸で落としたボールをハーランドが左足でズドン。前半のシュート数は6対9と劣勢で、グリーリッシュの負傷リタイアというアクシデントはあったものの、1-0のハーフタイムは順調といえるでしょう。
60分にムバッペのミスタッチが右隅に収まるという不運な失点はありながらも、80分にハーランドがPKを決めて勝ち越し。残り10分をうまくコントロールできれば、アドバンテージをもってマドリードに向かえたのですが、エデルソンのミスキックとコヴァチッチのバックパスミスからショートカウンターを2発喰らって逆転されてしまいました。
アンフィールドのリヴァプール戦も、2-0完敗。当時のマン・シティは、6試合連続勝利なしという最悪の状態でした。カラバオカップ、プレミアリーグ、チャンピオンズリーグで5連敗を喫した後、フェイエノールトとのホームゲームで3-0から追いつかれるというひどい試合をしてしまった直後の一戦で、6試合で17ゴールを許した守備陣は自信を失っていたようです。
12分という早い時間にガクポに先制され、前半のシュート数は10対1。後半は持ち直したものの、最終ラインはボールロスト15回を重ね、フォーデンとマテウス・ヌネスはデュエル2勝14敗という冴えない数字を残しています。右サイドをロバートソンに蹂躙され、精度の低いパスワークを狙われた一戦は、5-0となっても不思議ではありませんでした。
10月末のカラバオカップでトッテナムに2‐1で敗れてから、公式戦25試合で9勝4分12敗。この間、ペップはさまざまな工夫を行っています。5戦連続勝利なしで迎えた年末のレスター戦は、「昇格クラブにポゼッション46%」というペップのワーストレコード。失点を回避すべく、守備時のラインを下げて陣形をコンパクトにしたことが、彼ららしくない数字につながっています。
グリーリッシュのインサイド、グヴァルディオルの偽SB。左サイドを中心に変化を促しつつ、サイドアタッカーの得点力向上と中盤の安定化にもトライしてきました。サヴィーニョの左右を変えたり、冬に獲得したマルムシュをトップ下と左サイドで試したりしながら、リコ・ルイスとベルナルド・シウヴァをさまざまなポジションに配したのですが…。
今のマンチェスター・シティは、強さと脆さが同居しています。イプスウィッチに0-6、チェルシーに3‐1、ニューカッスルに4-0で圧勝する一方で、ポゼッション37%(ペップの純正ワースト)とローテンションだったパリ戦を4‐2で落とし、アーセナル戦は5-1という散々な結果でした。厳しいプレスとショートカウンターへの最適解は、未だ見出せていません。
マドリードで敗れれば、戦いの場はプレミアリーグとFAカップのみとなり、リヴァプールにダブルを許せばギャップは19ポイントに広がります。残り12試合の相手との前半戦の戦績は5勝2分5敗。TOP4フィニッシュは、簡単なミッションではなさそうです。2つの決戦の最注目ポイントは、中盤の人選でしょう。攻撃重視か、安定志向か…?
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