2025.03.20 マンチェスター・シティの話題
冬の即戦力補強は勝利につながらず…ペップが着手すべき改善ポイントと強化の方向性とは?

ペップ・グアルディオラのチームの不振は、2ヵ月で1勝3分9敗という信じられない戦績を残した秋より深刻なのかもしれません。1月のトランスファーマーケットにおける1億4000万ポンドの投資が、全体の改善につながっていないからです。2月の4勝のうち2つは、FAカップのレイトン・オリエントとプリマス・アーガイル。完勝といえるのは、4-0のニューカッスル戦だけです。
冬の補強は失敗だったのか?いや、3人の即戦力はそれなりに期待に応えています。フリアン・アルバレスの穴を埋めるマルムシュは、ニューカッスル戦でハットトリックを決めるなど、まずまずのスタート。ロドリの代役を託されたニコ・ゴンザレスも、徐々にフィット感を高めています。フサノフのハードマークとカバーリングは、脆くなった最終ラインに必要な要素でしょう。
現在のマン・シティは、いくつかの大きな穴を埋めてもなお、課題を残しているようです。最も気になるのは、中盤のベテランのパフォーマンスが落ちていること。33歳になったケヴィン・デブライネは、前線を動かすパスが激減しており、7アシストのうち6つはボトム10のチームです。ベルナルド・シウヴァのロングフィードとクロスは、昨季の半分になっています。
34歳のギュンドアンは好不調の波が激しく、中盤をコントロールできない原因となる試合が増えています。今季プレミアリーグでノーゴール1アシストのグリーリッシュも含め、峠を越えた感があるベテランたちに復活を求めるのは難しそうです。最終ラインを見ても、30歳になったジョン・ストーンズとナタン・アケは負傷続きで、さらなる強化が必要でしょう。
「14人が長い時間プレイするチームでなければ、監督はやりたくない。20人の選手がいて、6人が負傷すると、もっと選手層を厚くすべきだといわれる。しかし、負傷者がいなかったらどうなるのか? どうやってマネジメントすればいいのか?戦力を 有効に機能させるためには、レギュラーとしてプレーさせなければならない」(ペップ・グアルディオラ)
以前から少数精鋭を志向していた指揮官は、これまでのキャリアで経験したことがないスランプに陥ってからは、「今後は、より長大なスカッドが必要だ。少数の選手でまわしていくのが正しい方法だと常に信じていたけど、それでは生き残れない」と方向転換を示唆しています。世代交代が遅れたのは、ベテランと若手が重なってダブつく状態を避けたかったからでしょう。
中盤の刷新とともに、右のサイドバックの強化とウインガーの得点力UPも喫緊の課題です。現在のプレミアリーグは、カットインから決められる左右のアタッカーが欠かせない存在となっています。サラー、ルイス・ディアス、ガクポ、サカ、エンベウモ、ボーウェン、ソン・フンミン、ブレナン・ジョンソン、三笘薫、ノニ・マドゥエケは、全員リーグ戦で7ゴール以上です。
これに対してジェレミー・ドクとサヴィーニョは、2人合わせてたったの4ゴール。今のペップには、スターリングとレロイ・サネにゴールに向かうタイミングとボールのもらい方を教え込んだミケル・アルテタのような相棒も必要なのかもしれません。課題山積のクラブは、ベテランの放出と大型補強を両輪でまわせるのか。とてつもない大仕事に見えるのですが…。
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