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主力の移籍報道、CL出場権剥奪の可能性…不穏な話題が多いマン・シティ、補強は慎重モード?

就任初年度をプレミアリーグ3位で終えたペップ・グアルディオラが、圧倒的な最強チームを創り上げるべく2回めの夏に手掛けた改革は、最終ラインの入れ替えでした。2017年の夏に放出した12人のうち、後方のベテランは5人。カバジェロ、クリシー、サニャ、サバレタ、コラロフに加えて、SBとしても使われていたヘスス・ナバスや中盤の底を締めていたフェルナンドもチームを去ることになりました。彼らに取って代わったのは、エデルソン、カイル・ウォーカー、ダニーロ、バンジャマン・メンディ、ラポルテ。フィールドプレーヤーのようにプレイできるGKと、中盤に関与するセンスがあるDFを揃え、ペップはプレミアリーグ連覇につながる基盤を築き上げたのでした。

あれから2年を経て、ペップ4度めの夏。極上のマジシャンと見紛うような稀代の名将は、新たなリスクを抱えています。インサイドでは、長年クラブを支えてきたキーマンの高齢化。外圧は、FFP違反によるペナルティです。フェルナンジーニョ34歳、ダヴィド・シルヴァ33歳、セルヒオ・アグエロ31歳。プレミアリーグ21ゴールのストライカーは、もうしばらくトップレベルをキープしてくれそうですが、中盤の2人はフルシーズン活躍するのが難しくなるかもしれません。昨季終盤のダヴィド・シルヴァは、明らかに運動量が落ちていました。

フェルナンジーニョの不在は、中盤ならどこでもこなせるギュンドアンがフォローしてくれれば話が早いのですが、契約が残り1年となったドイツ代表MFは、出場機会を増やすべく移籍を検討していると伝えられています。8番以外では、バイエルンが狙っているといわれているレロイ・サネ、2020年の夏に契約満了となるダヴィド・シルヴァ&ファビアン・デルフ、売却が噂されるダニーロが契約を延長するのかが気になります。積極的に補強すると伝えられていたマン・シティですが、所属する選手を売るか残すかで優先順位が変わるため、慎重モードになっているようにも見えます。

コンパニの後釜と目されるデ・リフトやマグワイヤを本気で獲りにいっているようには感じられず、ヨヴィッチはあっさりレアル・マドリードに決まってしまいました。ブスケツを彷彿とさせるアトレティコ・マドリードのロドリと、CLで苦しめられたリヨンのフセム・アワールが中盤におけるペップのお気に入りと伝えられていますが、未だオファーには至らず。「獲れたらダニーロを売る」と報じられたユーヴェの右SBジョアン・カンセロは、最低でも4500万ポンドが必要といわれており、数回にわたる交渉で具体的な話は交わされていないようです。

補強同様に気になるFFP違反疑惑のほうは、UEFAのクラブ財務管理機関(CFCB)がチャンピオンズリーグ出場権剥奪を勧告すると見られており、「ガーディアン」によると、マン・シティは6月6日にスポーツ仲裁裁判所(CAS)に対して調査に妥当性がないとする申し立てを行ったとのこと。記事によると、裁定が下っていない現段階では控訴は認められていないため、昨夏のACミランが成功した上訴は処分確定後のプロセスになる見通しだそうです。CL出場権剥奪は、マーケットにおける投資規模の縮小や獲得候補のモチベーション低下につながる怖れがあり、様子見を決め込む理由のひとつとなっている可能性があります。

ペップ就任初年度は、保有戦力と弱点を把握しながら補強を進める「手探りの夏」。プレミアリーグ制覇を遂げた2年めは、最終ラインを刷新しつつ前線も強化する「大胆な夏」。連覇をめざす3年めは、マフレズのみの獲得でシャッターを降ろした「熟成の夏」…。国内3冠を達成して本丸のCLを勝ちにいく2019-20シーズンは、ベテランの見立て、主力の契約延長交渉の成否、UEFAの動向などをにらみながら補強総額と優先順位を固めていく「ナーバスな夏」になりそうです。ライバルクラブは、マン・シティが静かなうちに意中のタレントを獲得したほうがいいのかもしれません。王者はどのタイミングで牙を剥くのでしょうか…⁉

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“主力の移籍報道、CL出場権剥奪の可能性…不穏な話題が多いマン・シティ、補強は慎重モード?” への4件のフィードバック

  1. ペップの街 より:

    確かに動きが鈍いのが気になります。
    ペップにしてみればやりたい補強案が実現せずイライラしてるのではないでしょうか。
    ペップと彼の選んだプレーヤーたちはCL不出場という屈辱に耐えて士気を維持して国内に専念できるでしょうか。
    処分が確定したら、いっそのことペップは1〜2年休むか、他のクラブを指揮した方が気分転換になりませんかね。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    狙ってるとの噂はカストロではなくカンセロでは

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    来年からビッグ6で唯一のCL決勝未経験クラブですからね。脂が乗り切ってるこの時期にCLにチャレンジ出来ないとなると激痛ですね。
    1番の目標に挑戦出来ない虚無のシーズンで、ただでさえ高齢化が進んでいるチームの年齢が+1されるのは、選手にとっても焦りやモチベーション低下に繋がるでしょう。

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    他のチームもまだ獲得した選手がほとんどいないのでこれからでしょう

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