「今こそ団結の時」…現地メディアが報じたペップの残留宣言に触れて思うこと。
プレミアリーグでは、16勝3分6敗という彼ららしくないスタッツで2位。チャンピオンズリーグのラウンド16の相手は、早いタイミングで当たりたくなかったレアル・マドリードです。スペインの名門に敗れれば、今季のモチベーションは2つの国内カップのみとなります。UEFAに2年のCL出場禁止処分を喰らったクラブが、CAS(スポーツ仲裁裁判所)にすべてをチャラにしてもらえる可能性はゼロに近いでしょう。来季のミッションは、プレミアリーグ制覇か、リーグ2のチャンピオンか。国内トレブルを達成した監督が、次のステップを求めてイングランドに別れを告げる理由は出揃っています。
処分の確定を前に、ペップが選手たちに自らの残留を伝えたとすれば、考えられる理由は3つです。ひとつめは、クラブに対する信頼。経営陣から事情を聞いている指揮官は、リーグ2降格という最悪の事態は起こらないと見切っており、悪いことをしていないクラブを離れるという選択は自らのポリシーに反すると考えているのかもしれません。2つめも彼の哲学に関するものですが、あらゆる契約を全うしてきた指揮官は、自ら辞任を申し出るのはフェアではないと腹をくくっている可能性もあります。これには、「船底に穴が開いた巨大なタンカーから、船長が最初に救命ボートに飛び乗るなどということはありえない」といった気分も乗っかっているかもしれません。
3つめの可能性は、「マンチェスター・シティでチャンピオンズリーグを獲りたい」「マンチェスター・シティこそが、次のCL獲得への最短ルートである」という思いと確信です。「ありたい」「あるべき」なのか、「あるはず」なのかはともかく、「2年の雌伏の時を過ごしたとしても、スペイン以外のクラブでビッグイヤーを制するならここだ」と思い定めているなら、バッドニュースの直後の熱いメッセージも納得です。マン・シティが処分を喰らうレベルの黒あるいはグレーな経営を成していたのは事実ですが、素晴らしい経営手腕によってCL出場権を常時キープするレベルに達した稀有なクラブであるのも事実です。残留宣言をしたのだとすれば、それがどんな理由だったとしても、ペップが経営ボードをリスペクトしているのは間違いないでしょう。
野次馬の帽子を深々とかぶれば、ペップがリーグ2から4シーズンで欧州の頂点に立つというドラマを見てみたい気分にかられます。そこにはどんな選手がいるのか。サポーターはついてくるのか。それらの問いは、マンチェスター・ユナイテッドを応援する自分にも同時に突き付けられます。クラブが4部に落ちても、声を振り絞って応援できるのだろうか。…きっと、できちゃうんでしょうね。われながら立派なプレミアリーグジャンキーだと思います。そしておそらく、息を詰めてペップの動向を見守るあなたも、クロップがもたらす結果に歓喜するあなたも、TVの画面に向かってアルテタを鼓舞するあなたも…。
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最後の文は胸に来るものがあります。
ペップの漢気に誰が付いてくきて誰が離れて行くのか。離れても不義理ではないとは思います。選手達は何も悪くないので。
僕はアーセナルファンですが。。。
ペップやクロップは本当に憎たらしいですねえ。。
監督として有能なだけでなく、人間としても魅力的なんですから。
文句の一つも言えないじゃないですか。
ほんと憎たらしいです。
この早いタイミングで、リーダーがこのメッセージを発信するのは、とてつもなく大きいですね。
グアルディオラ監督、やはり立派です。
ファンの方が、どれくらい救われた気持ちになったことかと想像すると、胸が熱くなりますね。
かといって、シティに在籍するような選手達が、4部リーグにいるのもサッカー界の損失な気もするし、出ていくのも不義理ではないし。
とにかく上訴の結果を待つしかないですね。
アマゾンプライムのシティのドキュメンタリーを見ましたが、物凄く熱い言葉をロッカールームでかけてくれる監督なんですよね。
彼ならこの状況をプラスに変えてくれそうです。
監督としてだけでなく、人間としても素晴らしいとは、何ともシティが羨ましいです。
とりあえず今季はプレミアリーグの代表としてレアルを倒してくれ!
素晴らしい記事をありがとうございます。僕はグーナーですが、4部に落ちても応援すると思います。
ペップもこのタイミングでポジティブな発信出来るのは素晴らしいですね。
クロップしかり、強い集団には必ず素晴らしいリーダーがいることを感じます。。
泣けてきます!
彼の能力には何の疑問もありませんが、ルールに抵触する資金の補強で得た成果でもあるわけで、事実上の共犯と謗られても仕方ないのではないでしょうか? 自分だけ聖人ぶるわけにもいかないでしょう。