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モイーズ監督への高い期待!? マンチェスター・ユナイテッドの昨季収入は、クラブ史上最高の720億円!

まさに、サー・アレックス・ファーガソンの最後の置き土産。 マンチェスター・ユナイテッドが年次の業績報告書を発表し、2013-14シーズンの収入が4億2000万ポンド(約720億円)と過去最高額を更新したとのこと。以前に何度か、コメント欄で「マンチェスター・ユナイテッドはどのくらい売り上げや利益があるんでしょうね」というご質問をいただいており、毎年の決算書や証券取引所に出す目論見書などの英字資料を分析するほどの根気と能力と時間のない私は、少し古い数字をお伝えするしかなかったのですが、今回はやっと最新情報をお伝えできます。現物をみて詳細分析をしたわけではないので、ツッコミが浅いということをお断りしたうえで、報道で伝えられている数字と概要を紹介させていただこうと思います。

マンチェスター・ユナイテッドの利益は、約720億円の売上に対して2500万ポンド(約43億円)。これらの数字を牽引したのは、全世界で500万点をさばいたライセンス商品、なかでも200万枚売れたといわれるユニフォームだそうです。これには少し、びっくりしました。夏の移籍市場ではフェライニのみ、冬にやっとマタを獲得と、新しい選手の話題性には乏しかったのに、グッズは売れていたわけですね。前年、プレミアリーグで優勝を果たし、27年にわたって君臨した名将が引退して若き指導者に代わるという話題性もあり、クラブに対する注目度とサポーターの期待は相当、高まっていたのでしょう。

これに加えて、日本企業などスポンサーも積極的に取り込んでおり、企業からの宣伝効果も上がっていたはず。マーケティングの観点では、プレミアリーグのディフェンディングチャンピオンは順調に成長を遂げていたようです。8月に発行された、ニューヨーク証券取引所における株式追加公開に向けた目論見書の予測数字では、収入は4億2900万ポンド(約735億円)から4億3400万ポンド(744億円)で2012-13シーズン比で18~19%増というお話だったので、成長力も抜群でした。

ちなみに、世界一のクラブ、レアル・マドリードは、こちらもクラブ史上最高となる6億390万ユーロ(約827億円)という数字を発表しております。チャンピオンズリーグで優勝したにも関わらず、売り上げは対前年11%増とマンチェスター・ユナイテッドよりも伸びが少なく、利益は52億円と微増。チャンピオンズリーグに関しては、モウリーニョ時代もベスト4まではいっていたので、売り上げに与えるインパクトはさほどでもなかったようですね。負債額は100億弱まで減らしており、売り上げの規模を考えれば、健全な経営で推移しているといっていいでしょう。

明らかに羽振りがいいレアル・マドリードに100億円という差まで迫った、過去の栄華となりかけている数字を見せられると、やはり昨季プレミアリーグでの不振が残念です。ライバルクラブの関係者やサポーターのみなさんには、今季終わりに「チャンピオンズリーグ出場権を逃した影響は、金額でいうと…」といった、貴重な数字を提供できる機会に恵まれてしまったというわけですね。7月末に既に発表していた、スポンサー獲得が好調なバルセロナは、収入が過去最高の5億3000万ユーロ(約726億円)、利益は4100万ユーロ(約56億円)で、規模的には彼らと同等。昨季、あんなことにならなければ、スペイン2強と足並みを揃えて100億円の選手を獲得しても「世界のトップ3は金に余裕があるね。むやみに移籍金を吊り上げる金満クラブは嫌だけど、強いのは認めざるをえないな」ぐらいの風当たりで済んでいたかもしれません。今は、「ユニフォーム製作でファルカオのスペルを間違えた(Flacao…フラカオ!?)」なんていう話までネタにされているような、涼しい涼しい秋のとば口。このうえは、今年の冬と今季の決算が、耐えられないほどの寒さでないことを祈るばかりです。

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“モイーズ監督への高い期待!? マンチェスター・ユナイテッドの昨季収入は、クラブ史上最高の720億円!” への2件のフィードバック

  1. パックン より:

    収益は80%以上ダウンとの事ですがそれでも£25mの黒字だったんですか。
    そう考えると今夏の派手な補強も予算の範囲内なのでしょうね。
    とはいえCL出場権を再び逃すようだと状況が大きく変わってきます。
    失敗の許されない非常に重要なシーズンとなりますね。

  2. makoto より:

    パックンさん>
    昨季の利益は、税金がらみで上ブレしたテクニカルなものという報道があり、正確なところまではつかめなかったので、記事では触れませんでした。レアル・マドリードやバルセロナなどの数字を見ると、ビッグクラブは売り上げに対して8%~15%の利益で、大型補強をすると10%を切り、補強に大きなお金をかけなければ利益率が10%を超える、という水準のようですね。

    3位に入るための補強だとファン・ハールとウッドゲイトCEOはいってましたが…。今季の彼らを見ていると、昨季はチームづくりにも問題があったのは確かですが、それ以上にモイーズさんが、立ち回りや打ち出しが上手じゃなかったんだな、と思います。まっすぐキャラでしたからね。

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