ケガ人だらけのマンチェスター・ユナイテッド、さらなる補強はサウサンプトンの理学療法士!?
フラットに見れば、チャンピオンズリーグ7回優勝、世界一4回と実績でわれわれを上回るACミランの凋落のほうがよりセンセーショナルだと思うのですが、あちらはわりと静かですよね。お金がなく未来もみえないACミランより、言動がツッコミどころ満載のオランダ人監督が派手に補強をしたマンチェスター・ユナイテッドのほうが、ネタにしやすいのはわかりますが、それにしても…。ここはやはり、勝利を重ねてプレミアリーグ4位がみえるポジションにつけるほかに、消火の手段はなさそうです。
さて、そんなマンチェスター・ユナイテッドにまつわるニュースのなかで、最近いちばん気になった話はこれです。イギリス紙「デイリーメール」が報じていた「サウサンプトンの理学療法士引き抜き」。マンチェスター・ユナイテッドは、9月末に、フィットネスコーチを務めていたトニー・ストラドウィック氏をユース担当に配置換えし、ファン・ハールのパートナーだったフィジオセラピストのヨス・ファン・ダイクさんを連れてきたと報道されたばかり。2007年から7年にわたって務めてきたフィットネスコーチが、今季突然悪くなってケガ人を続出させたとは考えづらく、もっと根本的な問題がありそうですが、少なくともファン・ハール監督は信頼できる人間をそばに置きたかったようです。
今回のセインツの話は、さらなるスタッフ強化という話なのでしょうか。サウサンプトンの理学療法士であるマット・ラドクリフ氏は、イングランドでトップクラスの評価を得ている理学療法士なのだそうです。マンチェスター・ユナイテッドには、フィル・ジョーンズ、スモ―リング、ジョニー・エヴァンス、キャリック、アシュリー・ヤング、エレーラ、フェライニ、リンガード、ジェームズ・ウィルソンと9人の負傷者がおり、プレミアリーグ開幕からの7試合とキャピタルワンカップでリザーブの選手を7人も起用。どうみても、安定した成績を残せる状態ではないことは間違いありませんが、7節のトッテナム戦を最後にサウサンプトンを去るといわれているスペシャリストの「補強」で、この状況が変わればと願うばかりです。
ちなみに、「ESPN」によると、マンチェスター・ユナイテッドに対抗するかのように、今季も8人のケガ人を出しているアーセナルは、2002年からの12年間で、のべ889回の負傷者を出しているそうです。同じ期間で比較すると、マンチェスター・ユナイテッドは792回、チェルシーは620回、リヴァプールは551回。リヴァプールには欧州の大会を戦わないシーズンがあったことを考慮すると、やはりチェルシーは優秀ですね。
それぞれのクラブが、選手のフィットネスについてどんな打ち手を講じているのかまでは、情報も専門知識もないので評価しかねるのですが、「美人すぎる」と見た目のほうが話題になりやすいチェルシーの女性トレーナー、エヴァ・カルネイロさんは、相当優秀なプロフェッショナルなのでしょう。2009年からチェルシーに携わっているカルネイロさんは、ロンドンオリンピックのイギリス代表チームのメディカルスタッフにも選ばれており、他国のサッカー協会からも講演の依頼があったりするそうです。アーセナルとチェルシーで、年間平均で23回もケガの回数が違うという数字を見せられると、チームを支える裏方のスタッフの重要さを感じます。
話がそれましたが、サウサンプトンにしてみれば、あれだけ選手を抜かれて、ここにきてさらにスタッフを引き抜かれるとは思っていなかったでしょう。マンチェスター・ユナイテッドは、理学療法士だけでなく、いっそセインツの監督も…いや、すみません。冗談です。プレミアリーグの順位表の2位に堂々と座っているセインツが、あまりにも眩しかったので、つい。
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すわ、またオランダ人か !? と思ったのですが、さすがに今回は違いそうですね(笑)
しかし、選手のフィットネスは自分も不思議で、ケアは大前提としても、怪我の予防はどの程度できるものなんだろうと常々思っていました。
また、チームに寄って施設に違いはある(これが大きい?)にせよ、ジャンル専門的な医学知識はすぐ知れ渡ってしまって、チーム間に差がでないのではないだろうか、という思いもあります(とはいえ、これだけクラブ間に差があること思うと、何か秘訣があることは間違いなさそうです)。
怪我ネタで悪目立ちするArsenalの場合、Giroudの骨折のようにいかんともしがたいケースがある一方、Debuchyのようなケースは、場合によっては避けうる、ということなのでしょうか。
蛇足ですが、シーズン前、「今シーズン、Arsenal最初の契約は、ドイツ代表……フィジカルコーチ!」ってのがありましたね(笑) 元ドイツ代表のフィジカルコーチでも癒せぬ、Arsenal伝統のスペランカー体質(笑)。
とにもかくにも、アスリートは無事是名馬の思いを強くしました。
ASAPさん>
やはり、いい医者と今イチな医者がいて、体の状態に対する判断、小さなケアの有無などで差がつくんでしょうね。さすがにファンが、日常的な情報でそこまで理解するのは難しいと思うので、スポーツ医学に一定の知見があるジャーナリストが突っ込んで取材してくれたりすれば絶対読むのですが。
そうでした。高校の同級生があるJリーグクラブのチームドクターをやっているのを思い出しました。そこらへんを聞いてみようかと思います。
オンシーズンのレジスタンストレーニングの1番の目的は筋力upよりも怪我の予防ですからね。戦術的な理由もありますが、プレミアは冬が過密日程なので、スタッフの差でこのくらいの数字が出ても不思議ではないです。アーセナルの場合は怪我明けにまた怪我というのが多いですね。
接触以外での怪我は、トレーナーや無理に起用し続けた監督の責任が大きいと思います。また、このレベルのスタッフは自分達の手の内を明かさないですから、この数字以上に他のポイントでも、差があると思います。あまり知られてませんが、過去にJリーグでは、あるトレーナーの移動によって、コロコロとタイトルが動くなんて事ありましたよ。
ちなみに理学療法士はマイナスの状態を0に持っていくのが役割なので、怪我の予防には大きく繋がらないと思います。NSCAとかの専門誌には、たまにそのような情報ありますよ。ただ、専門用語ばかりであまりお勧めはできませんが。