グレイザーさん、「マンチェスター・ユナイテッド売却のためにC.ロナウド獲得」はやめてください!
突如、話題の中心に据えられたクリスティアーノ・ロナウドは、ファーガソン政権後期の黄金時代にチームをけん引してくれた大恩人。2007-08シーズンのチャンピオンズリーグ制覇は彼のおかげだと思っているので、クラブがどんな状況であっても戻ってくるのは大歓迎なのですが、そんな功労者をクラブ売却の道具として使うなどという話は、報道が出ただけでも失礼だと強く思います。
実質的には権限移譲はなされていたものの、5月にマルコム・グレイザー氏が死去したことが、ジョエル・グレイザー、アヴラム・グレイザー両氏が売却を具体的に考え始めるトリガーとなったのかもしれません。モイーズ監督がクラブをプレミアリーグ7位に低迷させ、大暴落した株価が14.5ドルの底値を記録したのは、2014年の3月。その後は、モイーズ監督解任&ギグス監督就任でひと上がり、ファン・ハール監督就任でもう一丁、夏の大型補強でさらに上昇と、ニューヨーク市場に上場されている株価は過去最高水準の19ドルまで上がっています。そろそろクラブを手離そうと考えたオーナーが、「目玉を作れば価格は上がる」と安易に考えるには、十分な材料が揃ってしまったわけですね。しかし、当然ながら、これを理由になされる選手補強は、クラブの強化と幸せな未来を実現するものではありません。
いちサポーターとしては、「早く出てってください」と感情的にいいたくなる状況ではありますが、いつ売られるのかよりも、誰に売られるのかのほうが重要ですね。チェルシーのアブラモヴィッチ氏のようにクラブを愛し、強くするために学習するオーナーや、ADUG(アブダビ・ユナイテッド・グループ)とシェイク・マンスール氏のように、ただ大物選手を買うだけでなく、育成施設の整備やマーケティング強化を図って長期的にクラブを強くしようとするようなオーナーがいてくれればと思います。おふたりとも、サッカーを愛しているというのは共通であり、これはクラブオーナーになるために最初に求められる資格でしょう。チーム名変更が認められなかったことを理由に、投資を凍結すると子供じみた騒ぎ方をしたハル・シティのアッセム・アラム氏や、ゴールを決めていないとGKをクビにしようとしたカーディフのヴィンセント・タン氏のような人々に、クラブが支配されないことを祈るばかりです。
上位とは未対決ながらもプレミアリーグ4位まで順位が上がり、ケガによる長期離脱さえなければディ・マリア獲得は結果的に安い投資になりそうで、ファルカオもプレミアリーグ初ゴールをゲット。パーツごとに見れば、マンチェスター・ユナイテッドにはいい話もたくさんあります。ファン・ハール監督には、文句はいわせていただきながらも、中堅クラブがやるようなクラシックなチーム作りで未来が見えなかった昨季のモイーズサッカーよりは断然いいと思います。売るなら売る、売らないならクラブを強くしていただくと、いずれにせよ売却話に早く決着がついて、シーズン終わりにはチャンピオンズリーグ出場権を獲得していただければ、ネガティブな話が多くて気疲ればかりの今季を、穏やかな気持ちで振り返ることができそうです。
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
ガナーズのクロエンケのような、年に数回しか試合を観ず、サポーターに配当金は受けないと宣言しておきながら、ちゃっかりチケット代の値上げ分の収益に相当する300万£の配当金を受け取っていたオ-ナーもいます。
オーナーが末長くクラブを愛していく。これはどのスポーツでもそうですが重要なことですよね。
Mackiさん>
そう思います。金満と揶揄されることが多いですが、有名選手漁りをやめてからのアブラモヴィッチさんと、マンスールさんにはクラブ愛とサッカー愛を感じます。
そうですよね>_<アブラモビッチさんには愛がありますよね…暴走する時はありますが…アブラモビッチさんが勝って大喜びする姿を観るといいなぁって、素直に思います。
スタッド・レンヌのフランソワ・ピノーは郷土愛のためにクラブのオーナーになったそうです。ピノー・プランタン・ルドゥーの会長で、アブラモビッチなんか問題にならないほどの大金持ちなのに、クラブへは適切な投資しかしないそう。