2021.11.06 マンチェスター・ユナイテッドの話題
いよいよマンチェスターダービー!「スカイスポーツ」の凄すぎるデータ分析をチェック!
土曜日のプレミアリーグの最注目カードは、ランチタイムキックオフのマンチェスターダービー。リヴァプールに0-5で敗れ、指揮官の解任問題が取り沙汰されたばかりのマンチェスター・ユナイテッドですが、ライバルも前節のクリスタル・パレス戦をホームで落としており、両者の差は3ポイントしかありません。
マンチェスター・ユナイテッドサポーターとしては、「われわれが有利。楽しみだ」というべきなのでしょう。直近2年のプレミアリーグにおけるダービーは3勝1分。オーレ・グンナー・スールシャールの対マン・シティは4勝1分3敗で、ペップに勝ち越している唯一の監督です。しかし、今回の予想を過去の履歴ベースで考えるのは危険でしょう。ヴァランとリンデロフを欠いたチームが、猛攻をゼロで封じると信じるのはあまりにも楽観的です。
そうはいっても楽しみなダービー。「スカイスポーツ」のTOPページには、この試合に関連する記事が3つも載っています。本日は、そのなかで最もやばいレポートを紹介しましょう。「Ole Gunnar Solskjaer’s side host reigning champions at Old Trafford(スールシャールが率いるチームが、オールド・トラフォードで王者を迎え撃つ)」という平凡なタイトルの記事は、12000字を超える壮大なアナライズです。
読んだ感想は、「よくぞここまでスタッツを揃えましたね」。これを読めば、両チームの強みと弱点がはっきりわかります。すべて紹介するとなると、インターナショナルブレイクが明けてしまいそうなので、土曜日のプレミアリーグの戦い方に関連するクダリだけピックアップさせていただきます。
「スカイスポーツ」のデータ分析のエキスパートであるアダム・スミス記者は、マンチェスター・ユナイテッドの特徴について、「基本は4-2-3-1、スパーズ戦とアタランタ戦は3-5-2」「サイドアタッカーが頻繁に中央に入ってくる」「前線のクリエイティビティが高く、ゴール期待値(xG)を上回る決定力を誇っている」と指摘しています。
対するペップのチームについては、「10試合すべてで4-3-3を採用」「ロドリがほぼひとりでCBの前ををカバー」「マン・ユナイテッドと同じく、グリーリッシュとジョアン・カンセロがいる左サイドのほうが高いポジションを取っている」。興味深いデータとして、「チャンスメイクの数は、スールシャールが上回っている」「シュートの精度もマン・ユナイテッドのほうが高く、マン・シティはボックス内からのシュートを外す率が高い」といったあたりを挙げています。
確かに、スミス記者のいうとおりなのですが、これはですね…。マン・ユナイテッドの決定力が全体として高いわけではなく、2人のポルトガル人が傑出しているというお話なのです。ブルーノ・フェルナンデスのチャンスクリエイト37回は、グリーリッシュの26回を大きく上回り、両チームの57人のなかではぶっちぎりのNo.1。クリスティアーノ・ロナウドのゴール期待値(xG)4.3は、ブルーノ、ジェズス、ギュンドアンの2.3がかすんでしまうとてつもない高率です。
両者のアシストMAPを見ると、攻撃のスタイルの違いが明確になります。ペップのチームは、ジェズスやフォーデンが右から入れる長いボールと、グリーリッシュ、ベルナルド・シウヴァ、ジョアン・カンセロの左からのショートパスが大半です。横からのボールが多いプレミアリーグ王者に対して、スールシャールの横は3本しかなく、「ポグバやブルーノが縦に蹴ったボールを、CR7とグリーンウッドが決めるチーム」です。
ペップがスールシャールに対して相性が悪いのは、速攻主体というこちらの長所とあちらの弱点がかみ合ってしまっているからでしょうね。ボールを持ってから1秒間にどれだけ前進するかを測る「ダイレクトスピード」を見ると、マン・ユナイテッドは1.73でヴィラに次ぐプレミアリーグ2位。マン・シティは1.28で17位です。走行距離はペップが8位でスールシャールは15位ですが、スプリントの回数はスールシャールが6位でペップは12位となっています。
両者のなかで走行距離1位は、ずっとピッチにいるブルーノですが、90分あたりに直すと11.1kmのベルナルド・シウヴァ。スプリント回数1位は175回のワン=ビサカで、90分あたりでは21.1回のジェイドン・サンチョです。
攻撃に関するおもしろい数字を、もうひとつ紹介しましょう。ボックス内に通したパス本数は、ブルーノ・フェルナンデスが90本で、ルーク・ショーとジョアン・カンセロの61本を押さえてダントツです。プレス397回も1位のプレーメイカーがいなければ、スールシャールは早々にクビをはねられてしまうのではないでしょうか。
守備のデータは、常に攻めているマンチェスター・シティの数字が乏しく参考にならないので、明るくスルーさせていただきます。まとめると、こんな感じでしょうか。速攻主体で縦の力学が強いマン・ユナイテッドと、主導権を握って遅攻で崩す横志向のマン・シティ。飛車角をブンブン振り回すスールシャールと、巧みな捨て駒を駆使して詰将棋を解くペップ。さあ、今回の勝負は、どちらが制するのでしょうか。最後にひとつだけ、愚痴をこぼさせてください。
マンチェスターダービーって、勝ってもやられた感が残るんですよね…。
マンチェスター・ユナイテッドサポーターとしては、「われわれが有利。楽しみだ」というべきなのでしょう。直近2年のプレミアリーグにおけるダービーは3勝1分。オーレ・グンナー・スールシャールの対マン・シティは4勝1分3敗で、ペップに勝ち越している唯一の監督です。しかし、今回の予想を過去の履歴ベースで考えるのは危険でしょう。ヴァランとリンデロフを欠いたチームが、猛攻をゼロで封じると信じるのはあまりにも楽観的です。
そうはいっても楽しみなダービー。「スカイスポーツ」のTOPページには、この試合に関連する記事が3つも載っています。本日は、そのなかで最もやばいレポートを紹介しましょう。「Ole Gunnar Solskjaer’s side host reigning champions at Old Trafford(スールシャールが率いるチームが、オールド・トラフォードで王者を迎え撃つ)」という平凡なタイトルの記事は、12000字を超える壮大なアナライズです。
読んだ感想は、「よくぞここまでスタッツを揃えましたね」。これを読めば、両チームの強みと弱点がはっきりわかります。すべて紹介するとなると、インターナショナルブレイクが明けてしまいそうなので、土曜日のプレミアリーグの戦い方に関連するクダリだけピックアップさせていただきます。
「スカイスポーツ」のデータ分析のエキスパートであるアダム・スミス記者は、マンチェスター・ユナイテッドの特徴について、「基本は4-2-3-1、スパーズ戦とアタランタ戦は3-5-2」「サイドアタッカーが頻繁に中央に入ってくる」「前線のクリエイティビティが高く、ゴール期待値(xG)を上回る決定力を誇っている」と指摘しています。
対するペップのチームについては、「10試合すべてで4-3-3を採用」「ロドリがほぼひとりでCBの前ををカバー」「マン・ユナイテッドと同じく、グリーリッシュとジョアン・カンセロがいる左サイドのほうが高いポジションを取っている」。興味深いデータとして、「チャンスメイクの数は、スールシャールが上回っている」「シュートの精度もマン・ユナイテッドのほうが高く、マン・シティはボックス内からのシュートを外す率が高い」といったあたりを挙げています。
確かに、スミス記者のいうとおりなのですが、これはですね…。マン・ユナイテッドの決定力が全体として高いわけではなく、2人のポルトガル人が傑出しているというお話なのです。ブルーノ・フェルナンデスのチャンスクリエイト37回は、グリーリッシュの26回を大きく上回り、両チームの57人のなかではぶっちぎりのNo.1。クリスティアーノ・ロナウドのゴール期待値(xG)4.3は、ブルーノ、ジェズス、ギュンドアンの2.3がかすんでしまうとてつもない高率です。
両者のアシストMAPを見ると、攻撃のスタイルの違いが明確になります。ペップのチームは、ジェズスやフォーデンが右から入れる長いボールと、グリーリッシュ、ベルナルド・シウヴァ、ジョアン・カンセロの左からのショートパスが大半です。横からのボールが多いプレミアリーグ王者に対して、スールシャールの横は3本しかなく、「ポグバやブルーノが縦に蹴ったボールを、CR7とグリーンウッドが決めるチーム」です。
ペップがスールシャールに対して相性が悪いのは、速攻主体というこちらの長所とあちらの弱点がかみ合ってしまっているからでしょうね。ボールを持ってから1秒間にどれだけ前進するかを測る「ダイレクトスピード」を見ると、マン・ユナイテッドは1.73でヴィラに次ぐプレミアリーグ2位。マン・シティは1.28で17位です。走行距離はペップが8位でスールシャールは15位ですが、スプリントの回数はスールシャールが6位でペップは12位となっています。
両者のなかで走行距離1位は、ずっとピッチにいるブルーノですが、90分あたりに直すと11.1kmのベルナルド・シウヴァ。スプリント回数1位は175回のワン=ビサカで、90分あたりでは21.1回のジェイドン・サンチョです。
攻撃に関するおもしろい数字を、もうひとつ紹介しましょう。ボックス内に通したパス本数は、ブルーノ・フェルナンデスが90本で、ルーク・ショーとジョアン・カンセロの61本を押さえてダントツです。プレス397回も1位のプレーメイカーがいなければ、スールシャールは早々にクビをはねられてしまうのではないでしょうか。
守備のデータは、常に攻めているマンチェスター・シティの数字が乏しく参考にならないので、明るくスルーさせていただきます。まとめると、こんな感じでしょうか。速攻主体で縦の力学が強いマン・ユナイテッドと、主導権を握って遅攻で崩す横志向のマン・シティ。飛車角をブンブン振り回すスールシャールと、巧みな捨て駒を駆使して詰将棋を解くペップ。さあ、今回の勝負は、どちらが制するのでしょうか。最後にひとつだけ、愚痴をこぼさせてください。
マンチェスターダービーって、勝ってもやられた感が残るんですよね…。
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