2022.11.23 マンチェスター・ユナイテッドの話題
双方合意の即時退団発表。現地記者が指摘する「クリスティアーノ・ロナウドができなかったこと」
「クリスティアーノ・ロナウドは、双方合意のもと、マンチェスター・ユナイテッドを退団することが決定した。オールド・トラフォードでの2度の在籍期間中に、346試合145ゴールを挙げた多大な貢献に感謝するとともに、彼と家族の今後の幸運を願っている」
「マンチェスター・ユナイテッドに関わる全員が、エリック・テン・ハフ監督のもとでチームの成長を継続させ、ピッチ上で成功を収めることに引き続き注力していく」
昨日の夜、マンチェスター・ユナイテッドが新たなステートメントを配信。クリスティアーノ・ロナウドの退団を発表しました。スポルティングCPから移籍した最初の6シーズンは、公式戦292試合118ゴール、プレミアリーグ192試合84ゴール。36歳になってからの復帰後は、トータルで54試合27ゴールでした。
クラブと選手がそれぞれ、「双方合意のもと」という言葉を強調した退団発表を受けて、「スカイスポーツ」のアダム・ベイト記者が決裂のプロセスを総括しています。曰く、「暴発的で耐え難いインタビュー」において暴露された中身は重要ではなく、「彼自身が適応に失敗したことが露呈したにすぎない」。ピアース・モーガンによるインタビューのなかから、退団に至るキーとなった象徴的な言葉を抜き出した記者は、必然の結末だったと主張しています。
「Sorry, I am not that kind of player(申し訳ないけど、僕はそういう選手じゃない)」
記者はこう論じています。「彼をスポーツの頂点に押し上げたメンタリティーは、転落を必要以上に醜くするものでもあった」。プレミアリーグでは10戦1ゴール。先発した4試合をノーゴールで終え、戦術にフィットしていなかった選手に対して、指揮官は妥当な判断を下しただけだったと指摘しています。
「ロナウドを中心に据え、能力を最大限に引き出すチームを編成することは可能である。しかしマンチェスター・ユナイテッドは、そうしなかった。問題は、彼の能力が低下して終わりに近づいたため、テン・ハフがそうする理由が少なくなっていたことだ」
ロナウドが衰えたという見方については、異論もあるでしょう。19年前にマンチェスター・ユナイテッドに入団してから、初めて迎えたチャンピオンズリーグなきシーズン。足りなかったのは能力ではなく、モチベーションだったのかもしれません。
いずれにしても、今季のロナウドは、常時スタメンに名を連ねるべきパフォーマンスを披露できませんでした。チームに貢献できる選手を優先、フェアな競争、オープンなロッカールーム…。自らのスタイルを貫こうとした指揮官には、彼をしばしばベンチに置くという選択肢しかなかったのでしょう。
それでも、最後のゲームとなったアストン・ヴィラ戦では、彼にキャプテンマークを託しています。そこには、「常に勝利をめざすメンタリティを若い選手たちに植え付けてほしい」「素晴らしい背中を見せてほしい」という願いが込められていたようにも思えます。しかし、その試合は、モーガンのインタビューがセットされた後でした。
近い将来、袂を分かつしかないと覚悟はしていました。チームがプレミアリーグの首位に立ったとしても、CLという最高のステージを求めてクラブを去ろうとしているのだろうと思っていました。退団という結論に、驚きはありません。しかし、こうも思うのです。「こんな別れ方をしなくても、よかったはずだ」と。記者が最後に綴った数行に、深くうなずかされます。
「もしかすると、ロナウドがクラブのカルチャーを変える役割を担い、より良い時代への道標となって、復活をめざす別な世界もあったかもしれない。テン・ハフは、これからのスタンダードを築くために、シニアプレーヤーを頼りにしていたのかもしれない」
「しかし、そのためには、野心や意欲だけでなく、謙虚さや自覚も必要だったはずだ。ロナウドが監督とその他の人々に送ったメッセージは、明確だった」
「Sorry, I am not that kind of player(申し訳ないけど、僕はそういう選手じゃない)」
「マンチェスター・ユナイテッドに関わる全員が、エリック・テン・ハフ監督のもとでチームの成長を継続させ、ピッチ上で成功を収めることに引き続き注力していく」
昨日の夜、マンチェスター・ユナイテッドが新たなステートメントを配信。クリスティアーノ・ロナウドの退団を発表しました。スポルティングCPから移籍した最初の6シーズンは、公式戦292試合118ゴール、プレミアリーグ192試合84ゴール。36歳になってからの復帰後は、トータルで54試合27ゴールでした。
クラブと選手がそれぞれ、「双方合意のもと」という言葉を強調した退団発表を受けて、「スカイスポーツ」のアダム・ベイト記者が決裂のプロセスを総括しています。曰く、「暴発的で耐え難いインタビュー」において暴露された中身は重要ではなく、「彼自身が適応に失敗したことが露呈したにすぎない」。ピアース・モーガンによるインタビューのなかから、退団に至るキーとなった象徴的な言葉を抜き出した記者は、必然の結末だったと主張しています。
「Sorry, I am not that kind of player(申し訳ないけど、僕はそういう選手じゃない)」
記者はこう論じています。「彼をスポーツの頂点に押し上げたメンタリティーは、転落を必要以上に醜くするものでもあった」。プレミアリーグでは10戦1ゴール。先発した4試合をノーゴールで終え、戦術にフィットしていなかった選手に対して、指揮官は妥当な判断を下しただけだったと指摘しています。
「ロナウドを中心に据え、能力を最大限に引き出すチームを編成することは可能である。しかしマンチェスター・ユナイテッドは、そうしなかった。問題は、彼の能力が低下して終わりに近づいたため、テン・ハフがそうする理由が少なくなっていたことだ」
ロナウドが衰えたという見方については、異論もあるでしょう。19年前にマンチェスター・ユナイテッドに入団してから、初めて迎えたチャンピオンズリーグなきシーズン。足りなかったのは能力ではなく、モチベーションだったのかもしれません。
いずれにしても、今季のロナウドは、常時スタメンに名を連ねるべきパフォーマンスを披露できませんでした。チームに貢献できる選手を優先、フェアな競争、オープンなロッカールーム…。自らのスタイルを貫こうとした指揮官には、彼をしばしばベンチに置くという選択肢しかなかったのでしょう。
それでも、最後のゲームとなったアストン・ヴィラ戦では、彼にキャプテンマークを託しています。そこには、「常に勝利をめざすメンタリティを若い選手たちに植え付けてほしい」「素晴らしい背中を見せてほしい」という願いが込められていたようにも思えます。しかし、その試合は、モーガンのインタビューがセットされた後でした。
近い将来、袂を分かつしかないと覚悟はしていました。チームがプレミアリーグの首位に立ったとしても、CLという最高のステージを求めてクラブを去ろうとしているのだろうと思っていました。退団という結論に、驚きはありません。しかし、こうも思うのです。「こんな別れ方をしなくても、よかったはずだ」と。記者が最後に綴った数行に、深くうなずかされます。
「もしかすると、ロナウドがクラブのカルチャーを変える役割を担い、より良い時代への道標となって、復活をめざす別な世界もあったかもしれない。テン・ハフは、これからのスタンダードを築くために、シニアプレーヤーを頼りにしていたのかもしれない」
「しかし、そのためには、野心や意欲だけでなく、謙虚さや自覚も必要だったはずだ。ロナウドが監督とその他の人々に送ったメッセージは、明確だった」
「Sorry, I am not that kind of player(申し訳ないけど、僕はそういう選手じゃない)」
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ミランにおけるイブラヒモビッチのような、勝者のメンタリティを注入するベテランの立ち回りと真逆になってしまったのは返す返すも残念ですね
本当に残念な結末です。
イブラは予想に反して素晴らしいチームプレーヤーでした。先日のイラン戦のケインは多彩な引き出しで攻撃陣を活かしました。
年齢とともに立場や役割は変わりますね。
彼を「頂点に押し上げたメンタリティ」に彼がこだわり続ける理由は色々あると思いますが、結果を出すことへのこだわりが彼の真骨頂だったはず。もう変われないのか?彼ほどの選手が不完全燃焼のままフェードアウトする姿は見たくありません。