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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

あんなに引いたのに…今季11回めの3失点以上を喫したマン・ユナイテッドの守備が抱える問題。

ショッキングな結果でした。日曜日のマンチェスターダービー。2023-24シーズンの公式戦で、3失点以上の敗戦は11回めです。アーセナルの3失点は、3-4で逆転勝ちしたプレミアリーグのルートン戦と、3-1で敗れたカラバオカップのウェストハム戦のみ。マン・シティはチェルシー戦が4-4、トッテナム戦は3-3の殴り合いになりましたが、敗れた試合はありません。

アーノルド、マティプ、コナテ、ロバートソンが入れ替わりで長期離脱となったリヴァプールでも、3失点は3回しかありません。3-2で負けたELのトゥールーズ戦は、ファン・ダイク、サラー、アーノルド、ロバートソン、ショボスライが先発から外れたゲーム。プレミアリーグでは、4-3の逆転勝利だったフラム戦と、3-1で完敗したアーセナル戦だけです。

マン・ユナイテッドが3失点を喫した相手を並べてみましょう。アーセナル、ブライトン、バイエルン、ニューカッスル、コペンハーゲン、ボーンマス、ウルヴス。マン・シティとガラタサライには、ホームでもアウェイでも3発喰らっています。「リサンドロ・マルティネスの離脱が…」という言い訳は聞いてもらえないでしょう。彼が先発した9戦は、3失点が4つで2失点が3つです。

3-1で敗れたエティハドの一戦がショックだったのは、先制してゴール前にバスを停めたのにやられたことです。アンフィールドのリヴァプール戦は、今回のダービーを7本も上回る34本を浴びながらも、ヴァランの素晴らしい守備とオナナのセービングで0-0のドローに持ち込んでいます。シュート3本というストレスが溜まる一戦で、3つも決められたら何も残りません。

ルーク・ショーとマラシアが揃って長期離脱となったのは大きな誤算でしたが、ベストメンバーが揃えばしっかり守れるチームというわけでもありません。最大の問題は、4バックと中盤のメンバー構成でしょう。リサンドロ・マルティネスとルーク・ショー以外は、ビルドアップのクオリティが低く、スピードとハードマークを兼ね揃えたタイプもいません。

3強の最終ラインを見ると、ファン・ダイク、コナテ、ウィリアム・サリバ、ガブリエウ、ルイス・ディアス、カイル・ウォーカーなど、個の力が高いDFを複数揃えています。TOP4を窺うスパーズも、ロメロの相棒としてファン・デ・フェンを獲得しました。対してマン・ユナイテッドは、高額サラリーのマグワイアとヴァランが指揮官の信頼を得ていません。

CBが不安でも、中盤センターの守備力と走力が高ければ、それなりに守れるものですが、カゼミーロは1試合あたりのドリブルで抜かれた回数が2.3でリーグワースト。ブルーノ・フェルナンデスも1.9回で6位に入っており、センターを突破されるシーンが目立っています。18歳のメイヌーはよくやっていますが、アムラバトはフィットせずにイタリアに帰ることになりそうです。

前線のチェックが緩く、ドリブルで仕掛けられると最終ラインがずるずると下がってしまい、MFとCBの間に入られれば即、ピンチです。マン・シティ戦の同点ゴールは、スーパーショットを放ったフォーデンを称えるべきですが、フリアン・アルバレスとのワンツーでカゼミーロが置き去りにされた逆転ゴールは、今季の守備陣が抱える問題が可視化された失点でした。

開幕前から補強すべきといわれていた中盤センターと最終ラインは、マグワイアとマクトミネイが売れなかったためにジョニー・エヴァンス、レギロン、アムラバトを押さえただけで終わりました。後方は補強ではなく「補修」となってしまい、高額移籍金のサンチョとアントニーが戦力として機能しなければ、現状のポジションは妥当でしょう。

サー・ジム・ラトクリフは、課題が山積したチームをどこまで変えられるのでしょうか。アーセナルとリヴァプールは、人柄重視のリクルーティングを続けており、遠藤航やデクラン・ライスのような学級委員長タイプと、ジョルジーニョやマック・アリスターのようにチームプレー志向が高い選手をピックアップしています。

ここ数年の補強失敗を経て、マンチェスター・ユナイテッドも、CBと中盤センターに統率力と守備力がある選手を入れるべきと思います。3強に追いつくには、3年はかかりそうですが、新たな経営ボードを信じて待ち続けるしかありません。ホイルンド、メイヌー、ガルナチョが、サカやマルティネッリ、フォーデン、アーノルドのようにリーグ屈指のタレントに育つのを夢見つつ。


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