イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

現地メディアの議論白熱!「エリック・テン・ハフは退任か、継続か?」

「ヨーロッパに、エリックほど多くの問題に対処しなければならなかった監督が他にいるだろうか?」。マンチェスター・ユナイテッドの関係者の言葉を紹介したのは、「スカイスポーツ」のメリッサ・レディ記者です。2022年5月の就任から1年9ヵ月。テン・ハフ監督の元に、あまりにも多くのトラブルが降りかかってきたのは事実です。

クリスティアーノ・ロナウドとの確執と、クラブを公然と非難したインタビュー、そして退団。アントニーのスキャンダル、グリーンウッドの離脱、ジェイドン・サンチョの爆発、度重なるラシュフォードのナイトクラブでの目撃報道。ピッチ外で問題を起こしたのは、高額の移籍金やサラリーが話題になるスターばかりでした。

2022-23シーズンのプレミアリーグは3位でフィニッシュしたものの、2年めとなる今季は負傷者続出で不振にあえいでいます。最終ラインのキーマン、リサンドロ・マルティネスは2年続けて長期離脱。アントニーは機能せず、ラシュフォードは決められず。昨季は素晴らしいパフォーマンスを披露したカゼミーロは、中盤の守備力ダウンの元凶となってしまいました。

新戦力が揃って戸惑いのスタートだったのも、大きな誤算でしょう。新たな環境への適応に時間がかかったオナナは、チャンピオンズリーグでミスを連発。欧州ではゴールを量産しながら、プレミアリーグでは沈黙していたホイルンドは真価を発揮しつつありますが、メイソン・マウントは何もできずに11月にリタイア。アムラバトは期待外れで、完全移籍には至らないでしょう。

主力の不振と不在で苦しんだチームを支えたのは、夏の放出候補だったマグワイア&マクトミネイと、獲得する予定ではなかったジョニー・エヴァンスでした。4位アストン・ヴィラに11ポイント差の6位という厳しい状況に追い込まれているクラブは、立て直しを進めるにあたって、オランダ人指揮官をどう評価すべきでしょうか。

いくつかのトラブルでは、彼は被害者でした。しかし、サンチョの退団は自らの発言がトリガーとなり、獲得を熱望したといわれるアントニーとメイソン・マウントはうまく使いこなせずにいます。大量の負傷者を「情状酌量」の理由とすべきなのか。リサンドロ・マルティネスがいれば、昨季と同等のレベルをキープできたのか?

戦績を見る限り、答えはノーです。リサンドロ・マルティネスが出場した10試合は5勝1分4敗で、失点は19。ヴァランやカゼミーロがいれば勝率が上がるといわれた昨シーズンとは違って、チームの戦績を向上させるような存在はいません。負傷者の多さについては、むしろ問題はテン・ハフにあるともいわれています。

「マンチェスターイブニングニュース」のサミュエル・ラックハースト記者によると、一部の選手はテン・ハフ監督のトレーニングの強度やランニングのオーダーが厳しすぎると感じており、高すぎる負荷が主力の離脱につながっていると考えているそうです。今季、これまで無傷だったのは、ブルーノ・フェルナンデスとダロト、ガルナチョだけです。

2月にホイルンドが筋肉系のトラブルに見舞われたとき、指揮官は「強度の高いトレーニングはリスクが伴う」といっています。過去2年の新戦力のうち、力を発揮しているといえるのは、復調したオナナと量産モードに入ったホイルンドのみ。大半が負傷か不振で苦しみ、スールシャールの頃の主力に頼らざるをえない現状について、チームマネジメントは無関係とはいえません。

現地メディアの多くが、「オマール・ベラーダCEOとダン・アシュワースFDの新体制は、監督を代える可能性が高い」と見ているようです。エヴァートン、リヴァプール、ブレントフォード、チェルシー、リヴァプール、ボーンマスと続くこの先の6戦は、契約を継続できるかどうかを左右する重要なステージとなるでしょう。

テン・ハフ監督の現状をレポートした「スカイスポーツ」のメリッサ・レディ記者は、こんな言葉で記事を締めています。「最終的には両チームのクオリティの差が如実に表れ、シティは優位性をスコアボードに刻み込んだ。ユナイテッドは今後の重要な時期に、このような弱者のフットボールを容認されるのか?」。答えは、ひとつでしょう。まずはエヴァートン戦に注目です。


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す