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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

われわれもCL3連覇?ジダンがマンチェスター・ユナイテッド希望って、ホントですか?

直近のプレミアリーグ7試合で1勝3分3敗。今季限りでの解任の可能性が取り沙汰されているエリック・テン・ハフは、厳しい状況に追い込まれています。30節のブレントフォード戦は、96分にメイソン・マウントが先制しながら、イヴァン・トニーに翻弄されて99分に1-1。チェルシー戦も、2-3でリードしていた追加タイムに2ゴールを喰らって敗れています。

ブルーノ・フェルナンデスとメイヌーのゴールで逆転したリヴァプール戦は、84分のサラーのPKで2-2ドロー。ボーンマスとのアウェイゲームでも2失点を喫し、ブルーノのPKで追いつくのが精一杯でした。4試合連続勝利なしで、ついに7位に転落。1試合消化が少ないチェルシーとの差は3ポイントで、ECLの出場権も獲り逃してしまうかもしれません。

リサンドロ・マルティネス、リンデロフ、ヴァランの負傷リタイアは、指揮官を留任させる言い訳にはならないでしょう。今季の最大の問題は、戦力を活かし切れていないことです。プレスに対するコメントがきっかけとなったサンチョとの確執は、移籍に発展してしまい、アントニーは未だプレミアリーグでノーゴール。中盤にも機能していない選手が揃っています。

新戦力のメイソン・マウントとアムラバトはフィットせず。昨季は主軸だったエリクセンは、2月以降のプレミアリーグで37分しかプレイしていません。カゼミーロは今もドリブルで抜かれるシーンが目立ち、不振の10番はリーグ戦で7ゴールのみ。ホイルンド無双は2ヵ月限定でした。これほど多くの選手が空転した理由を、個々の能力や姿勢に帰結させるのは無理筋でしょう。

今季の不振を経営ボードとフットボールディレクターの責任とするのか、監督の問題も大きいと見るのか。サー・ジム・ラトクリフは、オマール・ベラーダCEOを招聘した後、サウサンプトンからジェイソン・ウィルコックスTDを引き入れました。経営ボードの刷新は順調に進んでいるようですが、指揮官については沈黙を守っています。

そんななかで、次期監督に関する微妙なニュースが流れてきました。発信源はフランスの「レキップ」。トーマス・トゥヘルを今季限りとしたバイエルンと契約間近と伝えられていたジネディーヌ・ジダンは、マンチェスター・ユナイテッドに行きたいといっているそうです。記事の見出しに触れた瞬間、「何で!?」と叫んでしまいました。

出身はマルセイユで、現役時代にプレイしたクラブはカンヌ、ボルドー、ユーヴェ、レアル・マドリード。引退した後はレアル・マドリードでSDを務め、Bチームのカスティージャの助監督を経てトップチームの指揮官という経歴です。プレミアリーグともマンチェスターとも接点がないマドリードのレジェンドは、ホントにそんなことをいっているのでしょうか。

2月にINEOSグループがコンタクトを取ったと伝えられたときは、「INEOSグループのジャン=クロード・ブランCEOがジダンの大ファン」という他愛もない理由が添えられていました。それから、話が進んだのか。レアル・マドリードでCL3連覇を果たし、11のトロフィーを獲得した指揮官がタイトルにこだわるなら、二択の答えは考えるまでもなくミュンヘンでしょう。

われわれにドイツにはない魅力があるとすれば、「かつて王者だったクラブをイングランドの頂点に戻す」という勇ましいヴィジョンぐらいです。「レキップ」のゴシップかと思い、他のメディアをチェックしてみると、「ミラー」「デイリー・メール」「Goal」「スカイスポーツ」が元の記事を引用してマン・ユナイテッド希望とレポートしています。

「ESPN」は、ジダンはそもそもバイエルンから連絡を受けていないと主張しており、「ザ・サン」「メトロ」「ユーロスポーツ」はバイエルン就任間近といっています。メディアの顔ぶれを見ると、マンチェスター・ユナイテッドのほうが信ぴょう性が高そうですが、決断の理由や具体的なアクションについて書かれている記事は見当たりません。

ひと通りリサーチしてみたのですが、今はまだゴシップ合戦のようです。迫力がある続報を待ちましょう。くれぐれも、「親会社のトップがファンなんです」「CEOの熱意に惹かれました」といったお気持ち100%の相思相愛でないことを祈っております。あれから11年で、すっかり疑り深い人間になってしまいました…。(ジネディーヌ・ジダン 写真著作者/Антон Зайцев)


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