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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ようやく彼らが戻ってくる…ウェンブリーに向かうマンチェスター・ユナイテッドに希望はあるのか?

最終節のブライトン戦は0-2で快勝したものの、18勝6分14敗で8位。プレミアリーグ創設以来、最悪のポジションで、得失点差がマイナスになったのも初めてです。チャンピオンズリーグは、コペンハーゲンとガラタサライの後塵を拝し、グループステージ最下位で敗退。カラバオカップは、オールド・トラフォードの4回戦でニューカッスルに0-3で完敗しています。

大量の負傷者を嘆き続けたテン・ハフ監督は、解任濃厚と報じられており、デ・ゼルビやトゥヘル、ポチェッティーノなど、所属クラブに別れを告げたばかりの監督たちが次の候補といわれています。カゼミーロをCBで起用したり、ワン=ビサカやダロトを左にまわしたり、若手で穴を埋めたりしなければならなかったのは確かですが、戦績を見る限りでは未来はなさそうです。

いや、彼にはもう1度だけチャンスが残されています。土曜日のウェンブリー、2年連続のマンチェスターダービーとなったFAカップファイナル。ELの出場権を得られるビッグマッチに勝てば、残留となるかもしれません。思い出すのは、1989-90シーズンのFAカップ3回戦。好調だったノッティンガム・フォレストに敵地で敗れれば、ファーガソンは解任と騒がれた一戦です。

今となっては嘘みたいな話ですが、就任4年めだった御大は、ディビジョン1(現在のプレミアリーグ)で2ヵ月半も勝利がなく、轟轟たる非難を浴びていたのです。11月中旬から2月までの11試合は5分6敗。この間、わずか5ゴールです。最初の3年は11位、2位、11位でタイトルはゼロ。サポーターもジャーナリストも「言い訳は終わり」の大合唱でした。

後にレジェンドといわれる49歳の指揮官は、ベスト8まですべてアウェイという逆境を0-1、0-1、2-3、0-1で乗り切りました。準決勝のオールダム戦は3-3の後、2試合連続の延長戦となったリプレイで2-1。ウェンブリーでのファイナルは、タイトルとは無縁だったクリスタル・パレスに大苦戦し、109分のマーク・ヒューズのゴールで3-3としてリプレイに持ち込みました。

中4日の聖地で、1-0の勝利を手繰り寄せる貴重なゴールをゲットしたのは、ユース上がりの22歳DFリー・マーティン。6年を過ごしたマンチェスター・ユナイテッドで唯一のゴールは、その後のファーガソンにプレミアリーグ13回制覇とビッグイヤー2回をもたらす歴史的な1発でした。あれから34年。テン・ハフの目の前にある決戦は、人生を変えるステージになるのでしょうか。

1年前のウェンブリーでは2-1で敗れ、今季プレミアリーグもアウェイで3-0、ホームで1-3と当然のようにダブル。フツーに予想すれば、リーグと同様のスコアでペップ2冠でしょう。何とか、明るい材料を探してみましょう。おお、負傷者はたったの6人!本職がいないのは左SBだけで、4人のCBから2人を選べます。先発はやはり、リサンドロ・マルティネスとヴァランでしょうか。

ワン=ビサカが左に入ると2勝4分1敗。2つの勝利はFAカップのリヴァプール戦とコヴェントリー戦で、いずれも3失点の延長戦です。左にまわすのはダロトが無難でしょう。ブライトン戦の4-2-2-2ではなく、テン・ハフらしく4-2-3-1で戦うのがベター。むやみにプレスをかけず、カゼミーロとメイヌーはCBの前のスペースを埋め、奪ったらすかさずサイドに展開してもらいましょう。

好調のアマド・ディアロ、ブルーノ、ガルナチョを並べられるのも、好材料としておきましょう。最前線のスターターは、体を張れるマクトミネイのほうがよさそうです。ラスト2戦で連発のホイルンドはゲームチェンジャー。昨年のウェンブリーで2ゴールを喰らったギュンドアンが不在のチームにベタ引きで対抗すれば、カウンターからチャンスを創れるのではないでしょうか。

2022-23シーズンのオールド・トラフォードにおける2-1の逆転勝利も、ポゼッション29%でカゼミーロとブルーノが仕掛けたカウンター2発。カゼミーロとフレッジでデブライネとギュンドアンの攻め上がりを封じ、ルーク・ショーとワン=ビサカは相手を自陣に呼び込んでいました。今年のキーマンもブルーノ。ゴールが欲しい展開で終盤に入ったら、ホイルンドで勝負…!

テン・ハフ続投が妥当かといわれれば、このまま指揮を執っても主力のモチベーションを上げられないのではないかと答えます。それでも、何もいいことがなかったシーズンの終わりに、ひと筋の輝きを味わえれば、ポジティブな気分で来季に向かえるはずと切に願っています。何とか、勝ってほしい。カッコ悪くても、引いてばかりといわれても。


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