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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

今こそ変化の時!マンチェスター・ユナイテッドを立て直すための3つのポイント!

スモーリングは0点、ブリントは1点、イブラヒモヴィッチは2点。イギリスメディア「マンチェスター・イブニング・ニュース」は、プレミアリーグ第9節でチェルシーに4-0と惨敗したマンチェスター・ユナイテッドの選手たちに、過去最低レベルの厳しい点数を連発しました。ファン・ハール監督の初年度、キャピタルワンカップ2回戦で、下部リーグのクラブに同じく4-0で敗れたミルトン・キーンズ・ドンズ戦でもここまでの酷評はしなかった地元紙は、ドリブル突破を簡単に許した守備陣と覇気のないアタッカーたちに対して、よっぽど腹に据えかねたのでしょう。無理もありません。衝撃的でした。真正面からのドリブルにCBが一発で当たりにいって、簡単に抜かれて決められるシーンを久しぶりに見ました。セントラルMFのカンテにあの形でゴールを許していたら、ストライカーと1対1になるカウンターは全部やられてしまいます。

ペドロに決められた開始31秒のゴールは、ブリントがひとり残ったために最終ラインが不揃いとなる初歩的なミスから奪われました。その裏を取られたら、バイリーとともにラインを前に設定していたスモーリングは追いつけません。失点の原因となったブリントとスモーリングは、昨季プレミアリーグで最少となる35失点しか許していないチームのCBコンビです。1年前の注意深いラインコントロールがあれば、ゲームプランを狂わせる不用意な失点はなかったでしょう。チェルシーが決めた4点すべてが、集中力と気迫の欠如に起因するものでした。

マンチェスター・ユナイテッドの選手たちは、完全に自信を失っています。9月に入ってからのプレミアリーグで1勝2分3敗。昨季は、同じ時期を4勝1分1敗で走っています。バイリーが重傷と報じられた今、ワールドクラスのプレイヤーを集めたモウリーニョ監督のチームは、どう立て直せばいいのでしょうか。私は、「フォーメーションの見直し」「キーマンの固定」「ベテラン登用」が必要なのではないかと思います。よかった試合を思い出しましょう。4-1で勝利したレスター戦の、前半最後の20分です。マタとポグバがインサイドMF、エレーラがアンカーの4-3-3。マタが最終ラインの裏に飛び出すとポグバから完璧なタイミングでパスが通り、レスターのCBを混乱に陥れた一戦です。プレミアリーグ上位との対戦だからといって守備的な布陣を組むのではなく、ストロングポイントを活かす戦い方を選んだほうが勝機はあるでしょう。バイリーが離脱し、スモーリングとブリントに戻る最終ラインは、モウリーニョスタイルを消化しきれておらず、不安は拭えません。クリーンシートを期待できないのであれば、最終ラインに「1点も許してはいけない」緊張感を持たせなくてもいい試合運びをめざしたほうがいいのではないでしょうか。

4-3-3でCBの前のスペースを埋めて、ポグバを攻撃参加しやすくしたところで、次の課題解決にまいりましょう。モウリーニョ監督のチームで気になっているのは、実力を発揮できていない選手が多すぎることです。昨季プレミアリーグで11ゴールを挙げ、チームのトップスコアラーだったマルシアルは未だ1ゴールのみ。セントラルMFをローテーションで担っていたシュナイデルラン、シュヴァインシュタイガー、キャリックは、3人足しても途中出場2回と影すら見えなくなりかけています。ダルミアンとフォス=メンサーは全く使われず、デパイは2年めもフィットせず。これだけの選手が機能していないなかで、ルーニーまで外しているのが現在のマン・ユナイテッドです。この状態で、ムヒタリアンとフィル・ジョーンズの負傷離脱は言い訳にできないでしょう。本領を発揮すれば、ズラタンへのマークを分散させつつゴールを量産してくれるマルシアルと、入れば必ず決定機を創ってくれるマタは当面スタメンから外さず戦うぐらいの腹くくりはしてもいいと思います。そして懸案のセントラルMFは、このポジションをわかっているベテラン起用が特効薬となるのではないでしょうか。

適切なポジションを取れているとはいえないエレーラとフェライニをセントラルに並べれば、チェルシー戦でラシュフォードがゴールライン際まで戻っていたように、サイドアタッカーが守備に忙殺される頻度が格段に増えます。しばらくはキャリックで…といきたいところですが、35歳を週末のプレミアリーグに起用したうえで、ミッドウィークのゲームまでまかせるのは現実的ではありません。負傷が癒えればシュナイデルランでもいいのですが、昨季のこの時期にヴェンゲル監督がフラミニを甦らせたように、「シュヴァインシュタイガー復活!」はいかがでしょうか。初年度は攻撃への貢献度が高いとはいえず、もの足りなかったドイツ代表の元キャプテンは、パスコースを限定させるポジショニングやスペースをカバーする動きでは「さすがベテラン」とうならせるクオリティを発揮しており、コンディションさえ悪くなければ充分機能すると思われます。

「リヴァプール戦では守備的なゲームプランが機能したじゃないか」とは考えないほうがいいでしょう。あの試合は、3つの決定機をデ・ヘアとバレンシアがつぶしてくれて、何とか辿り着いたスコアレスドロー。「思惑どおり」という言葉を使っていいのは、アーセナルをシュート9本、決定機ゼロに抑えたミドルズブラのような戦い方ができたときです。攻守ともに完成度が低いマンチェスター・ユナイテッドにとって不幸中の幸いだったのは、上位が史上稀に見る混戦で、さほど離されていないこと。マンチェスター・シティ、アーセナル、リヴァプールが同勝ち点で並び、チェルシーとトッテナムがすぐ下と、5クラブが勝ち点1差のなかにおさまるのは1972-73シーズン以来の大渋滞だそうです。トップとの6差は、シックスポインターで勝てば充分届く距離。今なら、まだ間に合います。チェルシーやリヴァプールのようにうまくいった戦い方とメンバリングを熟成させ、力があるのにくすぶっている選手の再生を促しましょう。最大のリスクは、頑固さに磨きがかかった指揮官が、2年前のチェルシーで成功したやり方にこだわり、現状の課題が見えていないことなのかもしれませんが…。

モウリーニョ監督にいちばん申し上げたいのは、「マタを出すと守備が不安という妄信は捨てましょう」ということです。マタが先発した5試合は4勝1分、失点はすべて1点以下。スタメンから外れた4試合は1分3敗、押し込まれて何とか耐えきったレッズ戦以外はすべて2失点以上。これは、事実です。プレミアリーグで勝ち点1差の首位争いに加わっている上位5チームは、揃って「攻撃は最大の防御」「ピンチの芽はできるだけ早く、敵陣でつぶせ」という戦術であることも添えておきます。マンチェスター・ユナイテッドが、時代、相手関係、自軍のメンバーに合わせて変化と成長を志向するチームであることを祈っております。

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“今こそ変化の時!マンチェスター・ユナイテッドを立て直すための3つのポイント!” への8件のフィードバック

  1. しおん より:

    ズラタンもズラタンのイメージよりは守備頑張ってましたが、自陣に引いて守るのにズラタンの守備貢献度では辛くないですかね。
    だからといって今のルーニーをスタメンで起用するのも難しいので悩ましいところですが。

  2. しおん より:

    ズラタンもズラタンのイメージよりは守備頑張ってましたが、自陣に引いて守るのにズラタンの守備貢献度では辛くないですかね。
    だからといって今のルーニーをスタメンで起用するのも難しいので悩ましいところですが。

  3. おはむ より:

    今のユナイテッドを見ていると、モイーズの2年目が見たかったなって素直に思います。
    結局 ファーガソンが辞めた後、彼が一番優秀でしたね。
    当時の戦力であそこまで戦えたのはさすがです、
    実際、彼のとったマタとフェライニが今もマンユーで活躍していますし

  4. そら より:

    モウリーニョのマタに対する信頼の低さは相変わらずですね。
    チェルシー3点目のシーンは途中までアザールを見ておきながら、その後離してしまったマタの責任は大きいかもしれませんが、あの位置のアザールを処理できる選手ってなかなかいません。
    でも、モウリーニョってサイドの選手にそこまで求めるんですよね(チェルシー時代ポジション争いしてたウィリアンならあの場面アタッカーに付いて行ってたはずです)。
    マタ好きだから自分が輝ける居場所を見つけてほしいです。

  5. kou より:

    選手の力を最大限に引き出すのが最大の武器だったはずなのに、最近は選手批判を繰り返してばかりでむしろ最悪の弱点にまでなってしまったのはなぜなんでしょうね。
    レアル時代からおかしくなった気がしますが、あれだけの成功体験を支えた戦略と正反対の方向へ進むとは選手関係で噂以上に酷い目にあったのでしょうか。

  6. レッズサポ より:

    6ポインターで上位に食い込めますが、7ポイントで降格圏ですね。
    あまり悠長なことはいってられないと思いますよ。去年頑固さを貫き通した挙句チェルシーをあの位置まで落としたことを考えるといつまで首が繋がっていますかね。
    フェライニ、ポグバ、イブラに放り込んでムヒやマタ、もしくはルーニーがセカンド拾いわれるほうが相手チームはきついと思いますが。

  7. アヤカス より:

    監督交代が起こるなら、元アヤックス現インテルのフランク・デ・ブールを推します。
    理由としてはアヤックスロールの4-3-3が今のユナイテッドには適していると思いますし
    デブールはプレミアリーグにもスター選手を送り込み通用した実績もあります。
    例を挙げるとスアレスやエリクセン ヴェルトンゲン アンデルヴァイレルト等もアヤックスでデブールが指導した選手になります。
    選手を輩出しただけでは説得力はないかも知れませんが、今のユナイテッドにはベテランの力でやり過ごすよりも複数年かけてでも育てた方がいいような若手が多数在籍していると思うからです。
    ブリントもイブラヒモビッチもデブールなら生かし方を知っているはずです。
    アヤックスファンから見て少し悲しいです。エールディビジファンは少ないですから変わった意見として見ていただければ幸いです。
    きついことを書いてしまったので気を悪くした方は申し訳ありません。

  8. makoto より:

    しおんさん>
    どのあたりにラインを引くかにもよると思います。引いて守るなら、最前線の選手に追わせ過ぎると獲った後が苦しくなるので、むしろいいのではないでしょうか。

    おはむさん>
    モイーズさんは選手と選手との距離が開き過ぎ、クロス偏重のサッカーで、よくなる可能性が感じられませんでした。「大量補強していなかった」と、ファン・ハールさんよりも評価する意見については、「前年優勝チームを7位にまで落としてしまった」といういい方も成立してしまうのではないでしょうか。4位・5位で、かつ若手を多数引っ張り上げた監督のほうがいいと思ってます。

    そらさん>
    擁護してらっしゃるそらさんへのお話ではありませんが、2-0で負けており、リスクをとって前にいかなければいけなかった状況で、マタがアザールを後ろに預けたことをあまりフォーカスしなくてもいいのではないかなと思います。マタがいたほうが、チームはうまくまわってますよね。

    kouさん>
    トラウマになっている可能性はありますね。今度失敗したら後がないとナーバスになっている印象もあります。

    レッズサポさん>
    芳しくない成績ではありますが、10試合も消化していない状況で監督を代えるという判断はしてほしくないなと思います。昨季のチェルシーのような、素人目にも壊滅的に映る状況でもないので…。

    アヤカスさん>
    デブールさんはおもしろいですね。モウリーニョさんに決まった以上、応援しますが、ファン・ハールさんの次は継続して若手を育成してくれる監督がいいなと思ってました。ポチェッティーノ監督のトッテナムは素晴らしいなと思います。

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