2024.06.20 マンチェスター・ユナイテッドの話題
現地記者がデータで解説「マンチェスター・ユナイテッドがブランスウェイト獲得にこだわる理由」
プレミアリーグ8位からの巻き返しをめざすマンチェスター・ユナイテッドは、ラファエル・ヴァランが抜けたCBの強化が夏の最重要テーマです。目下のファーストチョイスは、エヴァートンのジャラッド・ブランスウェイト。3500万ポンドにオプション800万ポンドを付けたオープニングオファーは、あっさり拒否されています。
マージーサイドのクラブの要求額は7000万ポンド以上といわれており、ギャップを埋められたとしても、相当時間がかかりそうです。先月までは、PSR違反を回避したいエヴァートンは値下げせざるをえないと見られていたのですが、若手の売却などでクリアできるという話もあるようで、21歳のCBを焦って売る必要はなさそうです。
マン・ユナイテッドがブランスウェイトの移籍金を下げられなければ、ターゲットを変えると報じられていますが、挙がっているのは獲得難易度が高い選手ばかりです。イングランド代表としてユーロ2024に参加しているマーク・グエイは、以前から人気銘柄で、クリスタル・パレスは6500万ポンドという強気の値付けをしています。
ユーロで活躍して争奪戦となれば、ブランスウェイトと同等の費用がかかるかもしれません。リールのレニー・ヨロは、18歳ながら欧州の強豪の注目を集めており、リヴァプールが提示したと思われる4230万ポンドはNGだったようです。ジャン=クレール・トディボが所属するニースには、INEOSグループの資本が入っており、UEFAの規制でアウトとなりそうな雲行きです。
そうなると、一周まわってブランスウェイトか。マンチェスター・ユナイテッドは、リサンドロ・マルティネスがいながら、なぜレフティが必要なのでしょうか。「スカイスポーツ」と「アスレティック」が、それぞれの切り口で彼が最適である理由を伝えています。「スカイスポーツ」のジニー・ボズウェル記者は、レフティを2人並べた事例はほとんどないと指摘しています。
ユーロ2020のスペイン代表は、グループリーグでラポルテとパウ・トーレスを並べて3試合を戦っていますが、ラポルテのパスワークが問題となり、準決勝はメンバーから外されてしまいました。そもそも「左CBにはレフティ」というこだわりがあるプレミアリーグの指揮官は、ペップ、アルテタ、テン・ハフぐらい。左利きコンビとなると、これといったメリットはありません。
ボズウェル記者の最初の主張は、「彼は両足を自由に使えるので問題なし」。2022-23シーズンにPSVに貸し出されたときは、総出場時間の44%が右のCBで、ライトバックとして起用された試合もあります。もうひとつの理由は、「リサンドロ・マルティネスの最高のバックアッパーにもなれる」。快足とパスワークは、ハイライン志向の指揮官にうまくはまりそうです。
「アスレティック」のマーク・クリッチリー記者も「両足で戦うデュエルの勝者」と形容しているのですが、こちらは興味深いデータを掲載しています。2023-24シーズンのプレミアリーグで、利き足ではないほうを28%以上使っている選手が20人いるのですが、そのなかにマンチェスター・ユナイテッドのCB2人とブランスウェイトが入っているのです。
ジョニー・エヴァンスは右足が59%で左は41%、ラファエル・ヴァランは52%と48%、ブランスウェイトは41%と59%。「両足を均等に使うランキング」では、ヴァランはNO.1です。ジョニー・エヴァンスとの「両利きコンビ」でプレイした8試合は、すべてヴァランが左CBでした。さらにもうひとつ、注目のデータはデュエルの勝率です。
昨季のブランスウェイトは67.7%。彼より高い勝率を誇る選手は6人で、TOPのコンサが75.9%、2位のファン・ダイクと3位のニアカテまでが70%以上です。4位のピノックは69.3%、5位は…ヴァランで68.3%、6位のロメロは68.3%となっています。つまり、ブランスウェイトは、「ヴァランと同等のハードマーカーで、ヴァランより優れたパサー」というわけです。
CBのランキングを見ると、インターセプト50回はリーグ2位、タックル成功66回は1位。マンチェスター・ユナイテッドは、左右のCBを任せられそうな21歳の新鋭を引き入れることができるでしょうか。カゼミーロがサウジとなったら、7500万ポンドでも出してしまうかもしれません。心配は「獲れるかどうか」より「どう獲るか」のような気がしてきますが…。
マージーサイドのクラブの要求額は7000万ポンド以上といわれており、ギャップを埋められたとしても、相当時間がかかりそうです。先月までは、PSR違反を回避したいエヴァートンは値下げせざるをえないと見られていたのですが、若手の売却などでクリアできるという話もあるようで、21歳のCBを焦って売る必要はなさそうです。
マン・ユナイテッドがブランスウェイトの移籍金を下げられなければ、ターゲットを変えると報じられていますが、挙がっているのは獲得難易度が高い選手ばかりです。イングランド代表としてユーロ2024に参加しているマーク・グエイは、以前から人気銘柄で、クリスタル・パレスは6500万ポンドという強気の値付けをしています。
ユーロで活躍して争奪戦となれば、ブランスウェイトと同等の費用がかかるかもしれません。リールのレニー・ヨロは、18歳ながら欧州の強豪の注目を集めており、リヴァプールが提示したと思われる4230万ポンドはNGだったようです。ジャン=クレール・トディボが所属するニースには、INEOSグループの資本が入っており、UEFAの規制でアウトとなりそうな雲行きです。
そうなると、一周まわってブランスウェイトか。マンチェスター・ユナイテッドは、リサンドロ・マルティネスがいながら、なぜレフティが必要なのでしょうか。「スカイスポーツ」と「アスレティック」が、それぞれの切り口で彼が最適である理由を伝えています。「スカイスポーツ」のジニー・ボズウェル記者は、レフティを2人並べた事例はほとんどないと指摘しています。
ユーロ2020のスペイン代表は、グループリーグでラポルテとパウ・トーレスを並べて3試合を戦っていますが、ラポルテのパスワークが問題となり、準決勝はメンバーから外されてしまいました。そもそも「左CBにはレフティ」というこだわりがあるプレミアリーグの指揮官は、ペップ、アルテタ、テン・ハフぐらい。左利きコンビとなると、これといったメリットはありません。
ボズウェル記者の最初の主張は、「彼は両足を自由に使えるので問題なし」。2022-23シーズンにPSVに貸し出されたときは、総出場時間の44%が右のCBで、ライトバックとして起用された試合もあります。もうひとつの理由は、「リサンドロ・マルティネスの最高のバックアッパーにもなれる」。快足とパスワークは、ハイライン志向の指揮官にうまくはまりそうです。
「アスレティック」のマーク・クリッチリー記者も「両足で戦うデュエルの勝者」と形容しているのですが、こちらは興味深いデータを掲載しています。2023-24シーズンのプレミアリーグで、利き足ではないほうを28%以上使っている選手が20人いるのですが、そのなかにマンチェスター・ユナイテッドのCB2人とブランスウェイトが入っているのです。
ジョニー・エヴァンスは右足が59%で左は41%、ラファエル・ヴァランは52%と48%、ブランスウェイトは41%と59%。「両足を均等に使うランキング」では、ヴァランはNO.1です。ジョニー・エヴァンスとの「両利きコンビ」でプレイした8試合は、すべてヴァランが左CBでした。さらにもうひとつ、注目のデータはデュエルの勝率です。
昨季のブランスウェイトは67.7%。彼より高い勝率を誇る選手は6人で、TOPのコンサが75.9%、2位のファン・ダイクと3位のニアカテまでが70%以上です。4位のピノックは69.3%、5位は…ヴァランで68.3%、6位のロメロは68.3%となっています。つまり、ブランスウェイトは、「ヴァランと同等のハードマーカーで、ヴァランより優れたパサー」というわけです。
CBのランキングを見ると、インターセプト50回はリーグ2位、タックル成功66回は1位。マンチェスター・ユナイテッドは、左右のCBを任せられそうな21歳の新鋭を引き入れることができるでしょうか。カゼミーロがサウジとなったら、7500万ポンドでも出してしまうかもしれません。心配は「獲れるかどうか」より「どう獲るか」のような気がしてきますが…。
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
コメントを残す