現地メディアが指摘!「モウリーニョの哲学は疲弊し、クロップよりも古くさくなっている」
ここに出てくる「old-school」は、保守的というより古くさいと訳すのが適切でしょう。番組でのやりとりを紹介した記事は、「ザ・サン」のアンソニー・カストリナキス記者が残した「(4-0で惨敗した)チェルシー戦での振る舞いはまずかった。コンテ監督が昨季と同じ選手を使ってサッカーを教えてくれたのに、モウリーニョは受け取ることができなかった」というコメントを伝えています。両者とも今季から新しいチームを預かった監督ながら、チェルシーの指揮官がDFの枚数を変える大改造を成功させたのに対して、プレミアリーグ7年めの指揮官のほうは試行錯誤の真っ最中。「ファン・ハール監督のやり方が染み付いたチームを変えるのは時間がかかる」と嘆いていた監督には、コンテに加えて、3バックと4バックを併用するペップ・グアルディオラまで引き合いに出して、「他のチームは既に多彩な戦術をインストールしてますが…」とツッコミを入れたくなってしまいます。
上位4チームに目立つのは、敵陣でアグレッシブにプレスをかけてショートカウンターを仕掛けるサッカーと、自陣で奪って速攻に転じるスタイルを使い分けていること。よく走ること。サイドの選手が中央に入ってきて決めるシーンが多く、ポジションが流動的なこと。アレクシス・サンチェスやフィルミーノ、ソン・フンミン、デブライネなど、ストライカータイプではなく多彩なプレイができる選手を最前線に置くゼロトップ戦術を敢行していること。ポチェッティーノ監督は、デル・アリ、エリクセン、ラメラを左右真ん中さまざまなポジションに動かしながら戦っており、リヴァプールのフィルミーノ、マネ、ララナは敵陣のすべてのスペースに顔を出します。エジルは、昨季よりも低い位置からプレイを始めることが多いにも関わらず、最前線に飛び出す動きが増えて、既にプレミアリーグ3ゴール。ギュンドアンとダヴィド・シルヴァは、トップ下かインサイドMFかわからなくなるほど交互に前線に躍り出ます。対して、マンチェスター・ユナイテッドはどうでしょうか。「サンデー・サプリメント」のパネルは、こんな指摘もしています。
「ズラタン・イブラヒモヴィッチは、プレスの際に迷惑になる古いタイプのプレイヤー。クロップやポチェッティーノのチームのために働けるとは思えない」「ダニエル・スタリッジがリヴァプールにフィットしないように、ズラタンもリヴァプールには合わない。彼らは10年前の遠い昔に生きているみたい」(アリソン・ラッド)
今季のプレミアリーグにおけるマンチェスター・ユナイテッドは走行距離が短いチームで、プレスにメリハリがなく、あれだけの得点力があるラシュフォードはほとんどの時間をサイドに縛られて過ごしています。昨季のマルシアルが、左サイドを本拠地としながらプレミアリーグで11ゴールを決めていたことを思い出せば、ポジショニングはファン・ハール戦術よりも固定的になっているようにもみえます。マンチェスター・ユナイテッドの4-2-3-1は、今までのプレミアリーグで主流だったサッカーであり、新しいスタイルを試している上位と比べるとスペクタクルに欠け、コンサバティヴに映るのは間違いありません。
しかし、私は、新しくないことを非難したいのではありません。ズラタンが31試合38ゴールと大暴れした昨季のパリ・サンジェルマンは強いチームだったと思います。プレミアリーグで優勝を遂げたレスターは、オーソドックスな「守ってカウンター」のチームでした。問題は、「新しいサッカーに対抗できるだけの強度や策があるかどうか」です。ポグバのポジションは未だ定まらず、主軸を担うだけのクオリティがあるマタの処遇もはっきりしません。ルーニー、マルシアル、デパイ、シュヴァインシュタイガー、シュナイデルランなど力を発揮できない選手があまりにも多いのも気になります。このチームには、ヴィクター・モーゼスをウイングバックで起用するチェルシー、イオビを完全にひとり立ちさせたアーセナル、ミルナーを左SBにコンバートしたリヴァプ―ルに感じられる「適材適所」の手応えがありません。今のスタイルの先には、プレミアリーグ優勝も初めてのヨーロッパリーグ制覇もないのではないでしょうか。
サイドでのマッチアップに勝てず、ラシュフォードやマルシアルが下がると、ズラタンが孤立して攻める手立てを失ってしまう今のチームを、どう変えたら強くできるのかを真剣に考えるべき時です。敵はレフェリーではなく、ライバルチームでもなく、自らの曖昧さと自信のなさでしょう。目先の結果をひたすら追いかける「勝利至上主義」に偏りすぎると、負けが込んだときに自分たちを見失い、疲弊してしまいがちです。「ザ・サン」の記者は、こんなこともいっています。「モウリーニョのチームは、醜い勝ち方しかできない。彼はグアルディオラやクロップのような方法では勝てないんだよ。それこそが彼なんだ」。この言葉を読んで、本ブログで現地観戦レポートをたびたび書いている相方のグーナー(この11月にも、ロンドンとパリにいくそうです)が、現在のモウリーニョ監督に対してつぶやいたことを思い出しました。
「理想がないサッカーは、結局だめなのかもしれないね」
稀代の名将、モウリーニョ監督は変わると、変われると信じております。
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モウリーニョが来るタイミングは、ファーガソンの直後が一番よかったのではないでしょうか。
最近のモウリーニョはベンゲルよりも老けて見えますからね
失敗のスペシャリストという言葉、そのまま返したいです
そして、あと3週間スランプのままであってくれと思います
レッズファンなのでマンユナイテッドファンの方々には意味不明なコメントになるかもしれませんが、バイリーは良いとしてズラタン、ポグバ、ムッヒーはモウリーニョが本当に獲得を望んだ選手だったのですか?
世界中の殆どのクラブが喉から手が出るほど欲しい選手達だと思いますが、デコ、カルバーリョ、ドログバ、ミリート、あとは…あまり知りません(白目)など獲得や選手起用がうまい監督だと思うのですが。
マンユナイテッドの復権を大々的にアピールする大型補強はモウリーニョの本望だったんですかね?(わからないから全部疑問形になります汗)
今のズラタンとシェフチェンコと同じ状況とは違いますかね?
2シーズン前にプレミアを制した監督が急に劣化するとは考えにくいのですが、しかしどんな理由があるにせよ今の成績、振る舞いはファンを納得させられないと思いますが。
マンユナイテッドファンの皆さん無知なレッズファンのコメント失礼しましたm(__)m
アタック!と叫び続けたファンの声に耳をふさいで招聘されたスペシャルワンに求められるのは何よりも結果でしょう。
昨シーズンからの挫折に成功しか知らなかった彼がどう反応するのか。
興味深く見守りたいです。
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セオさん>
そうですね。補強も含め、あそこでうまくやっていれば、今はもっといい状態だったのではないかと思います。
京都グーナーさん>
いや、それは困ります。お手柔らかに…。
what a hitさん>
ドログバやエトーなど、自分のコンセプトを若手に翻訳してくれそうなベテラン(エトーとは結局もめてしまいましたが)を入れることが多い監督なので、ズラタンにはその役割を期待したところもあったのでしょう。ポグバとムヒタリアンを要らないという監督は多くないと思います。つまり、今いる選手が自分の意向の選手ではないということは、ないのではないでしょうか。右SBとCBは、ひとりずつ獲りたかったかもしれませんが。ズラタンもシェフチェンコも前シーズンに数字を残しており、シェフチェンコの空振りは結果論かと。
戦績もさることながら、振る舞いには納得しておりません…。
Davinciさん>
そうですね。巻き返し策があるように見えないのが不安ですが。
モウリーニョが来るタイミングは、ファーガソンの直後が一番よかったのではないでしょうか。
お返事ありがとうございます。
焦って打ったので本当に意味不明ぎみの文章を正確に受け取っていただいてありがとうございました(^_^;)
そうですよね、色々意見はありますが僕的にはポグバは移籍金史上最高額に見合うタレントだと思いますし、ムヒタリアンはブンデスで驚異的な活躍をしましたから望まない監督はほぼいないですよね。
選手というよりチームとしてコンセプトが定まってないということですよね。
キャラクター的にモウリーニョは好きなので、レッズファンながら大胆不敵な強かったモウに復活してほしいとも思っているのですがほしい(一方で復活されると怖いのでこのままでとも思ってますが笑)、最近は大人げない言動が目立ってしまって残念ですね。
ありがとうございました。