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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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フラムのオファーを拒否…あらためて問いたい。マン・ユナイテッドにマクトミネイは必要なのか?

昨年の夏は、間違いなく余剰戦力でした。4-2-3-1のセンターのレギュラーはカゼミーロとエリクセン。スコット・マクトミネイは、パスワークも守備力も疑問視されており、テン・ハフの戦術には不要と評されていました。チェルシーから加わったメイソン・マウント、新進気鋭のメイヌー、キャプテンのブルーノ・フェルナンデスを擁する中盤で、出番を得られるとは思えませんでした。

最終的に残留となったのは、素晴らしいプレイで低評価を覆したからではありません。デクラン・ライスを失ったウェストハムや、ジョアン・パリーニャを獲り逃したバイエルンのアプローチに対して、マンチェスター・ユナイテッドが3000万ポンド以上を主張し続けたからです。8月のプレミアリーグ3試合のうち、2試合で投入されたものの、出場時間はたったの7分でした。

マクトミネイが信頼されていたら、デッドラインデーのソフィアン・アムラバトのローン移籍はなかったはずです。4節のアーセナル戦はベンチの外。ブライトン戦とバーンリー戦で先発したのは、サンチョとアントニーがトラブルで起用できず、ガルナチョも不調で、守備的な戦い方を余儀なくされたからです。

オールド・トラフォードでは冴えなかったMFは、スコットランド代表では確変に突入していました。2022年までの35試合で1ゴールだったのに、ユーロ2024の予選が始まると、最初の5試合で6ゴール。テン・ハフ監督の評価を一変させたのも、チームを救う劇的なゴールです。8節のブレントフォード戦は終盤まで0-1で負けており、アムラバトの後を継いだのは87分でした。

開幕から3勝4敗で9ポイントは、プレミアリーグ創設以来のワースト。ホームで3連敗を喫するわけにはいきません。ガルナチョが左から仕掛けた93分のアタックで、相手のクリアを右足で引っかけて左隅に押し込んだ39番は、97分のFKをマグワイアが頭で前に送ると、劇的な決勝ヘッドを叩き込みました

マクトミネイの強みは、チームに対するロイヤリティの高さと、上下動をさぼらないことです。2023-24シーズンは、攻め上がりからゴールを積み上げ、公式戦43試合10ゴール3アシスト。スコットランド代表では8戦7発1アシストで、予選突破の立役者となりました。しかし今、彼はまたしても放出候補となっています。最大の理由は、最適なポジションが見当たらないからでしょう。

ワントップで起用できるほどのゴールゲッターではなく、トップ下では創造性を欠き、中盤センターに置くとパスワークと守備が不安になります。センターの守備を強化すべく、マヌエル・ウガルテを獲ろうとしているクラブにとって、アカデミー出身で売価がそのまま利益となる選手は都合のいい存在です。

テン・ハフ監督は、「われわれにとって非常に重要な選手なので、引き留めたい。昨シーズン、彼がチームにどれだけ貢献できるかを見てきた」といっていますが、フラムからの2000万ポンドのオファーに対して、経営ボードはオープンな姿勢を示しています。ジョアン・パリーニャを失ったクラブが2500万ポンドを超える額を提示したら、おそらく抗えないでしょう。

あれから1年、素晴らしいゴールを見続けてきた今、あらためて考えてみたくなります。マクトミネイは、マン・ユナイテッドに必要なのか。PSRという観点でいえば、カゼミーロの売却が優先でしょう。メイソン・マウントとアマド・ディアロの期待感が高まる現状では、攻撃のオプションになりえる彼を残して、サンチョ、アントニー、エリクセンを放出したほうがよさそうです。

それでも物事には、タイミングというものがあります。サウジから注目されていたカゼミーロには、オファーはありません。具体的な話があるのはワン=ビサカ、サンチョ、マクトミネイ。最も利益が出るのは、マクトミネイ。彼を出さなければ、デ・リフト、マズラウィ、ウガルテを獲れないといわれると、絶対にやめてくれというほどの熱量がない自分に気づきます。

ビーズ戦に続いて、チェルシー戦でも2ゴール。4-3の死闘となったFAカップのリヴァプール戦と、敗戦寸前に追い込まれたコヴェントリー戦は、いずれも先制ゴール。彼が決めた8試合は7勝1分で、すべてが1点差以内の激戦です。彼がいなければ、プレミアリーグはもっとひどい結果になっていたかもしれない。トロフィーを獲得できなかったかもしれない。彼がいなければ…。


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