2025.02.18 マンチェスター・ユナイテッドの話題
マンチェスター・ユナイテッドとサポーターは、ルーベン・アモリムの惨状に耐えられるのか?
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新監督の招聘を好意的に捉え、覚悟を決めていたサポーターでも、これほど崩れるとは思っていなかったでしょう。「アスレティック」のアダム・クラフトン記者は、「いざ現実になってみると、多くの人々は耐えられないようだ」といっています。1-0で敗れたトッテナム戦は、今季プレミアリーグの25試合で10回めのノーゴール。そのうち6つはアモリムです。
プレミアリーグ14試合で4勝2分8敗。1試合平均1ポイントは、バーミンガムとブラックプールが39ポイントで降格となった2010-11シーズンなら19位です。ラルフ・ラングニックを呼び寄せた2021‐22シーズンは、大混乱の季節と評されていたのですが、スールシャールの後を継いだ戦術家はプレミアリーグ24試合で10勝7分7敗。今、振り返ると悪くないように思えてしまいます。
われわれは、クラブのレジェンドにも冷たすぎたのかもしれません。サー・アレックス・ファーガソンの勇退以降、2年連続でTOP4フィニッシュを果たしたのはスールシャールだけです。2020-21シーズンにはヨーロッパリーグで準優勝。解任となったときは5勝1分5敗で、そのうち2敗はペップとクロップでした。
現在のプレミアリーグの相場でいえば、年末のプレミアリーグの1勝5敗とホーム3連敗は、解任の理由としては充分です。これほどの惨状でもアモリムが去る気配がないのは、「長期的な視座に立ったチーム作り」という大義名分に加えて、経営陣に後ろめたい気分が漂っているからでもあるのでしょう。
テン・ハフ続投の責任、余剰戦力を売れずに抱えた赤字、ダン・アシュワースの解任によるSD不在のマーケット、新戦力はパトリック・ドルグのみの貧弱なサポート。3‐4‐2‐1で必要な人材を揃えられずに2月に入ると、今度は負傷者続出です。リサンドロ・マルティネスとアマド・ディアロはシーズンアウト。メイヌー、ウガルテ、トビー・コリアーの復帰は4月になるかもしれません。
エリクセンとレニー・ヨロも病欠となったスパーズ戦のベンチは、リンデロフ以外は全員ティーンエイジャーでした。「勝てない理由」を増やしたマンチェスター・ユナイテッドは、モチベーションをキープできるのでしょうか。2ヵ月半の間、プレミアリーグのハーフタイムにリードしていたことが1度もないチームが、ヨーロッパリーグとFAカップで勝ち切れるとは思えません。
「アモリムは負けてもしょうがない」「悪いのは経営ボードとグレーザー」「来季に向けて戦術を構築してほしい」といった他責ムードや先送りの論理が蔓延すると、今得られる果実も獲り逃してしまいそうです。ゴールを決められなかったスパーズ戦は、追加タイムに入る前にチド・オビ=マルティンとムーアハウスを投入して、チームを刺激するという策もあったはずです。
プレミアリーグでボトム10となれば、35年ぶりの厳しい着地です。当時の指揮官は、4年めを迎えたサー・アレックス・ファーガソンでした。最初の5シーズンをFAカップ制覇だけで終えた名将のように、アモリムも時間があれば、トロフィーに手が届くのでしょうか。モイーズやファン・ハール、スールシャール、テン・ハフはダメでアモリムはOKとする根拠はありません。
今季の着地がどうあれ、来季は万全の準備で勝負してほしいとは思います。とはいえ、現状を「しょうがない」で済まさず、「オレたちは怒っている!」と伝え続けるべきでしょう。35年前の2月は今と同じ15位で、サポーターたちは「出ていけ!」と叫んでいました(恐ろしい…)。ライアン・ギグスがチームに加わったのは、翌シーズンですね。何も得られない1年となっても、若手が育ってくれれば…!
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