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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

マン・ユナイテッドが「All or Nothing」とディズニーのドキュメンタリーをボツにした残念な理由。

最近、いちばんがっかりしたニュースを発表します。「Amazon Prime」の人気シリーズ「All or Nothing」のオファーを受けたマンチェスター・ユナイテッドは、丁重に断ったそうです。落胆したのは、幻となったドキュメンタリーを見たかったからではなく、彼らがAmasonとのディスカッションを止めた理由があまりにも残念だったからです。

「アモリムが乗り気でなく、仕事場に撮影が入ると気が散りそうだから」って、何やねん!過去最多レベルの視聴者数を見込んでいたAmazonのオファーは、1000万ポンドを大幅に超えていたそうです。ペップもモウリーニョもアルテタも快く受けた話を、「気が散る」のひとことでナッシング。余剰戦力の高額サラリーをチャラにできる商談が、監督のおキモチでナッシング…!

かつて最先端のブランディング戦略を展開しているといわれていたクラブが、こんな理由で断ったのかと愕然としました。いや、冷静に考えてみたら、今のわれわれはAll or Nothingなどといえる状況ではなく、Nothing to loseです。アモリムが2年めも振るわず、Nothing and Sackingとなったら、番組のスタッフが困るので申し訳ないよね!と、明るく忘れることにしました(泣)。

マンチェスター・ユナイテッドが番組制作をボツにしたのは、今回が初めてではありません。昨年、ディズニーと協議していたドキュメンタリーは、サー・アレックス・ファーガソンが率いた26年にフォーカスした企画で、プレミアリーグ優勝13回、ビッグイヤー獲得2回といった栄光のプロセスを辿るインサイドストーリー。数百万ドル規模の一大プロジェクトでした。

稀代の名将のインタビューはもちろん、ブライアン・ロブソンやピーター・シュマイケルといったアンバサダーによる回顧や、エキサイティングなアーカイブ映像が使われる豪華なプランだったのですが…。棚上げになった理由は痛恨で、グローバル・アンバサダーとクラブディレクターを務めてきたサー・アレックス・ファーガソンの契約を延長しなかったから…(泣)

マンチェスター・ユナイテッドの残念なニュースは、これだけではありません。「テレグラフ」のマイク・マグラス記者によると、サー・ジム・ラトクリフが「このクラブのデータ分析は、前世紀のようなシロモノだ」と一喝したことをきっかけに、スカウティング体制の抜本的改革を行っているそうです。

サー・アレックス・ファーガソン時代から、アナリストとしてクラブを支えてきたサイモン・ウェルズさんがクラブから去る可能性があり、リクルーティング部門を統括するクリストファー・ヴィヴェルの直属として新たなポジションを設置するとのこと。現在は、ヘッドハンティングの会社が責任者候補を探していると伝えられています。

これ自体は必要な取り組みなのかもしれませんが、問題は時期です。トランスファーマーケットが盛り上がっている最中に、何やってんすか?エドゥ・ガスパールSDが退任となったアーセナルは、シーズンが終わる前にアンドレア・ベルタを招聘し、5日にひとりのハイペースで新戦力を獲得しているのに…。もしかしてエンベウモは、まさかの放置プレイ?

さらに悲しいお知らせがいくつかありますが、続けてよろしいでしょうか。サー・ジム・ラトクリフが来てから始めたリストラは終わっておらず、既に250人を解雇したのに、さらに200人の雇い止めをするようです。1月にCBO(最高事業責任者)に就任したマーク・アームストロングさんは、テゾスとの契約満了の後、新たなトレーニングキットパートナーを見つけられていません

放出候補のラシュフォード、アントニー、サンチョは、揃って高額のサラリーが移籍の障壁となっており、ガルナチョとマラシアの将来も不透明です。チームが弱くても、負の遺産の処理がうまくいかなくても、せめてビジネスやブランディングはがんばってほしかったのですが、「アポロタイヤがスポンサー契約を3年延長」以外に明るい話は見当たりません。

最後にアモリムに悪態をついて、この稿を締めさせていただきます。INEOSや経営ボードが「財政上のメリットも大きい」と全員一致で承認した「All or Nothing」を「気が散る」でつぶすとは!ラシュフォードやガルナチョを退団必至に追い込んで、足元を見られる状況にしなければ…いや、止まらなくなりそうなので、指揮官と選手の話は別な場で


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