2025.07.19 マンチェスター・ユナイテッドの話題
見た目はいかついけど…エンベウモが「オールド・トラフォードの雰囲気を変える」といわれる理由。

ウルヴスから来たマテウス・クーニャも楽しみですが、エンベウモのほうがよりチームの改革につながるのではないかと期待しています。昨季プレミアリーグで38試合20ゴール7アシスト。xG(ゴール期待値)は12.3しかなく、7.7のプラスはクリス・ウッド(6.7)とマテウス・クーニャ(6.4)を大きく上回るリーグTOPです。
右サイドからのカットインや、カウンターから抜け出すイメージが強いレフティは、オープンプレーからのクロス成功も23本を記録しています。これより多いFWは、ペドロ・ネト、アダマ・トラオレ、ルイス=ポッター、イオビのみ。右サイドでの守備も厭わず、デュエル179勝はセメンヨ、ラウル・ヒメネス、マテウス・クーニャに次ぐFWのリーグ4位となっています。
ボールに絡む機会が多く、決定力が高いエンベウモは、マンチェスター・ユナイテッドが長年抱えていた右サイドの課題をすべてクリアしてくれるかもしれません。アウトサイドにアマド・ディアロが入り、頻繁なポジションチェンジによって突破力が高まれば、右サイドの崩しはむしろ新たな看板になる可能性もあります。
エンベウモに期待されるのは、ピッチでのパフォーマンスだけではありません。見た目とプレイがいかついので、強気なキャラクターと思われがちですが、実は物静かな性格であり、ブレントフォードではリーダーとしてリスペクトされていました。「テレグラフ」のジェームズ・ダッカ―記者は、「彼はエゴがない」と評し、ロンドンでのエピソードを紹介しています。
多趣味なウインガーは独学でピアノの腕を上げ、休日は好きな音楽に没頭したり、チェスや読書、脳トレを愉しんだりしているとのこと。ブレントフォードはクラブハウスにピアノを置き、エンベウモがチームメイトのために演奏できるようにしていました。趣味について取材されると、「プレミアリーグよりミニコンサートの方が緊張する」といっているようです。
「エンベウモは、オールド・トラフォードのロッカールームの雰囲気を変えるかもしれない」。2020年のチャンピオンシップのプレーオフ準決勝、ブレントフォードVSスウォンジーの試合前に「チームメイトにメッセージを送りたい」といったエンベウモは、そこにいた選手たちが「とても感動的な瞬間だった」と語り継ぐようなスピーチを行ったといいます。
発売直後にシャツが爆売れするような人気者ではなく、総額7100万ポンドの移籍金は勝利の積み重ねで回収するしかありません。しかし今回の投資は、アントニーやサンチョのように焦げ付くことはなさそうです。ライバルも積極的に補強を進めており、上位復帰は簡単なミッションではありませんが、2列めに加わるリーダーによってチームは劇的に変わると信じています。(ブライアン・エンベウモ 写真著作者/ESTAC Troyes)
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