2025.09.26 マンチェスター・ユナイテッドの話題
実は最も攻撃的?マンチェスター・ユナイテッドの進化が感じられる意外なスタッツ!

「ボックスに入るまではいいプレイができている。決定力を高める必要がある。シュート数やxGといった指標は、すべてが良好だ」。ルーベン・アモリム監督の主張は事実で、1試合あたり15.8本のシュートと1.9のxG(ゴール期待値)はいずれもリーグTOPです。エンベウモのシュート12本はハーランドに次ぐ2位で、チームが自信を深めればブレイクする予感を漂わせています。
後方から前線へのデリバリーも、改善しているといえるでしょう。昨シーズンのマンチェスター・ユナイテッドは、自陣でのボールタッチが1試合平均226回で最多でした。ただし、ビルドアップのクオリティは高いとはいえず、自陣でのボールロストが彼らより多かったのは、サウサンプトンとスパーズだけでした。
対して今季は、自陣でのボールロストは11回でリーグ最少となっています。「確かに、ビルドアップはスムーズになっている気がする!」と前のめりになった人は、次の事実を見ればテンションが下がるでしょう。「昨季は1位だったディフェンシブサードでのタッチ数は18位」「1試合あたりのロングフィード28.8本は1位」。つまり、彼らは後ろで無理につなぐのをやめたのです。
これらのスタッツやランキングを見ると、スロットやアルテタの戦術をリスペクトする人は、イングランドのクラシックなスタイルに回帰したのかと落胆するかもしれません。しかし実際のゲームを見ると、ロングフィードの増加にはポジティブな要素も含まれています。視野が広いブルーノ・フェルナンデスが3列めに下がり、的確なボールが出るようになったのもそのひとつです。
もらえるエリアを見つけるのがうまいメイソン・マウント、最終ラインと高さで勝負できるシェシュコ、頻繁に動いてボールを呼び込むエンベウモも、攻撃のスピードUPに貢献しています。1試合あたりのクロス6.8本もウルヴスと並んで1位、ボックスへのパス10.6本は2位。シュートが格段に増えたチームの目下の課題は精度で、ショットコンバージョン4%は19位です。
シュートをバーやポストに当てる「Hit Woodwork」は、カゼミーロ、ドルグ、マテウス・クーニャ、メイソン・マウントと4本もあり、残念ながら1位。ビッグチャンスミス7回は、ハーランドがいるマン・シティと、マテタとイスマイラ・サールがときどきやらかすクリスタル・パレスに続く3位です。こちらの解決策は「周囲を見る余裕を持つ」「冷静に打つ」といったことしかないのかもしれません。
守備のスタッツで目を引くのは、1試合あたりの被シュート数9.2本が16位で、タックル成功19.8本は2位。アグレッシブなチェックでシュートを打たせていないのに失点が減らないのは、ゴール前でマークがずれてフリーで決められるシーンが多いからです。セットピースからの3失点は、ウェストハムに次ぐワースト2位。中盤、WB、3バックの連携の改善が必須ということでしょう。
前線の強化とビルドアップのシンプル化で、攻撃が活性化したマン・ユナイテッドは、精度の低いラストパスと余裕がないシュートでゴールを決められず、連携ミスと判断の遅さが失点につながっているように見えます。今のチームに必要なのは自信で、最適な処方箋はアモリム就任以来1度もない「連勝」なのかもしれません。今週末はブレントフォード。快勝を期待しています。
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