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マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「マンチェスター・ユナイテッドは何が変わったのか?」昨シーズンと現在のスタッツ徹底比較!

サンダーランド、リヴァプール、ブライトンに3連勝。まだ6位ではあるものの、首位アーセナルは6ポイント差と射程圏内で、2位ボーンマスとの差はわずか2ポイントです。ブレントフォードに3-1で敗れた1ヵ月前、ルーベン・アモリムの解任が噂されたマンチェスター・ユナイテッドは、評価を一変させています。最大の変化はGK。セネ・ラメンスはプレミアリーグで無敗です。

昨シーズンの未曽有の不振から好調に転じたマンチェスター・ユナイテッドは、何が変わったのでしょうか。GK交代の効果をチェックする前に、2024-25シーズンと今シーズンの基本スタッツの変化を確認しておきましょう。15位に沈んだシーズンは、1試合あたりのシュート数13.9本は8位で、オンターゲット4.6本は11位でした。

今季はシュートにつながるアタックが増えており、1試合あたり15.0本はリヴァプールに次ぐ2位。オンターゲット5.2本はリーグTOPです。その一方で、ポゼッションは53.5%から50.0%に減り、パス成功率も84.4%から80.0%にダウンしています。ここだけ取ると、ミドルサードからファイナルサードで主導権を握れなくなり、長短のフィードの精度が落ちたように見えます。

パスワークについて評価するなら、2つのスタッツ比較を加えたほうがいいでしょう。10本以上が連続でつながったパスシーケンスは、1試合あたり12.4回から8.8回に減少。シーケンスあたりのパス本数も3.9回から3.3回に落ちています。代わって高まったのはダイレクトスピードで、昨シーズンの1.6は16位だったのですが、今季は1.8で8位に上がっています。

これらのベースになっているのが、新守護神のフィードです。サンダーランド戦のラメンスは37本のロングフィードを記録しており、アンフィールドでは45本、ブライトン戦では32本をミドルサードに蹴っています。GKのキックが届いたエリアを見ると、昨シーズンは25%が左のCBとWBだったのですが、現在は30%がシェシュコ、マテウス・クーニャ、メイソン・マウントです。

つまり、マン・ユナイテッドのパス成功率とシーケンスの数字が落ちたのは、最終ラインでまわす無為な時間が減り、前線で勝負する機会が増えたからということになります。昨季はオープンプレーからのクロス成功が94本で11位だったのですが、今季は33本で3位。GKのチェンジに加えて、前線でキープできるエンベウモとマテウス・クーニャも期待に応えているといえます。

2024-25シーズンのエリア別のパス比率を見ると、マンチェスター・ユナイテッドはディフェンシブサードが32%で、後方でのタッチ数がリーグで最多のチームでした。これによって起こったのが、自陣でのボールロストによるピンチの頻発です。1試合平均5.4回のロストは、スパーズとサウサンプトンに次ぐワースト3。しかし今季は、2.4回と激減しています。

プレミアリーグ9節までの数字を見ると、マンチェスター・ユナイテッドよりディフェンシブサードでのロストが少ないのは、アーセナルだけです。あちらは自陣に持ち込ませないからで、こちらはビルドアップを省略しているから。理由は違えど、どちらもセントラルMFや最終ラインのエラーによる失点の可能性を回避できているチームといえるでしょう。

とはいえ、セットピースの守備や中盤センターのポジショニングといった課題が解決しておらず、シェシュコやザークツィーを活かす戦い方ができているとはいえません。まだまだ発展途上ではありますが、イージーなミスからの失点が減ったことと、決定機が増えたことを喜びたいと思います。次節のノッティンガム・フォレスト戦も、ゴールラッシュを期待しましょう。


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