「スカイスポーツ」の記者が戦術分析!「マルシアルとラシュフォードは共存できるのか?」
数字だけ見れば、両者ともスターターとして使いたくなるところですが、モウリーニョ監督のファーストチョイスはラシュフォードとファン・マタ。彼らが一緒にピッチの上でキックオフを迎えたのは、カラバオカップ3回戦のバートン・アルビオン戦のみ。この試合では、ラシュフォードが2ゴール、マルシアルも60分に4点めをゲットしています。レベル差があったこの試合だけをとって、「共存は可能」とするのは早計です。実際のところはどうなのでしょうか。この問題は、いろいろ悩ましいポイントがあり、ベストイレブンを選べば終わりというわけにもいきません。私が気になっていることを、ざっと列挙してみます。
・ラシュフォードをセンターで使いたいが、プレミアリーグ7試合7ゴールのロメウ・ルカクはアンタッチャブル。4-3-3や4-2-3-1で戦う限りは19歳はサイド起用だが…
・バルセロナやアーセナルが狙っているといわれるマルシアルの先発機会を増やしたいが、しっかり上下動を励行するラシュフォードがスタメン、マルシアルはスーパーサブという明確な序列でいいのか
・変化をもたらすパスワーク、裏への飛び出し、中に入る動き、勤勉なチェイスと武器が多いマタは外しがたいが…
・今季プレミアリーグで5アシストのムヒタリアンは絶好調で、これも外しがたいが…
・ズラタンが戻ってきたら…⁉重戦車2台の4-4-2はあるのか?マルシアルとラシュフォードはどう使われるのか?
ニック・ライトさんは、「フリースコアリングのルカクがCFのポジションを手に入れたことは驚きではない」「チャンスメイク数でプレミアリーグ3位、アシスト数で2位のムヒタリアンがNo.10のポジションを確立しているのも驚きではない」としながら、モウリーニョ監督が右にマタを起用しているのは興味深いと記述しています。マン・ユナイテッドの8番は、プレミアリーグ7試合1ゴールでアシストはゼロ。クラブOBのライアン・ギグスさんは、「(マルシアルとラシュフォードが)同じチームでやれることは明確だが…」と疑問を呈しています。
こうした見方に対して、「スカイスポーツ」のアナリストの最終的な見解は、「バレンシアのオーバーラップが右サイドからの攻撃に幅を持たせており、彼のためにスペースを作るマタのバランス感覚はモウリーニョにとって必要不可欠」。速いアタッカーがいる左サイドでは、ブリントやアシュリー・ヤングがオースドックスなSBとしての役割を果たし、右では速さをバレンシアに求めてマタは彼や中央を活かすことに徹していると分析しています。これはこれで納得いくのですが、マルシアルとラシュフォードの共存は可能か?という問いの答えにはなっていないように思います。ラシュフォードやマルシアルにはマタの役割は果たせないといいたいのかもしれませんが、「左とトップ下にラシュフォードとマルシアル、右にムヒタリアンあるいはマタ」というオプションはないのでしょうか。
速い3人が2列めに入るフォーメーションは、左右と中央がめまぐるしくポジションチェンジを繰り返す流動的なアタックを実現できればおもしろいのではないかと思います。バレンシアと左SBの攻め上がりが抑えられ、カウンター勝負となりそうなリヴァプール戦こそスピードスターの共存のチャンスと考えていたのですが、いかがでしょうか。先制して逃げ切るという目論見は同じながらも、先に奪うことに目がいく私に対して、モウリーニョ監督は先に奪われないことを優先するのでしょうが…。本日のスタメンは、たぶんマタとラシュフォードでしょうね。それはそれで、いいと思います。
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マルシャルをもっと早めの時間帯に使って欲しいです。
実際60分くらいでラッシュフォードはキレが落ち始めているので。
サウサンプトン戦の時もマルシャルを早くラッシュフォードとスイッチしていたら楽な展開になったのではないかと感じましたしね。
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どーんさん>
セインツ戦はそうでしたね。多様なオプションをもって崩しにいけるチームになればと思います。