イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

残り10分、リードはわずか1点…モウリーニョ監督がマティッチにメモで伝えた魔法の言葉!

プレミアリーグ28節、マンチェスター・ユナイテッドVSチェルシー。ジェシー・リンガードの素晴らしいヘディングシュートで75分にマンチェスター・ユナイテッドがリードすると、モウリーニョ監督は80分にアレクシス・サンチェスを下げてエリック・バイリーを投入。11月5日のチェルシー戦以来、2ヵ月半ぶりのプレミアリーグとなったCBは、指揮官に託されたメモを手にしていました。バイリーは、ピッチに入ると脇目も降らずにネマニャ・マティッチの元に駆け寄り、その紙を手渡します。そこには、残り10分をしっかり戦い抜くための重要な戦術が描かれているのでしょう。発信源は守備戦術に長けたジョゼ・モウリーニョです。「3-1-5-1だ」「CBの前のスペースを空けるな」「オリヴィエ・ジルーをケアしろ」…どんなことが書いてあるか、気になるのは私たちプレミアリーグファンばかりではありません。

すぐそばにいたウィリアンは、明らかに覗き見をしようとしていました。駆け寄ってきたチェルシーの22番から逃げながらメモを確認するマティッチ。敵の戦術をチェックすることができなかったウィリアンは、元チームメイトの仕草を見て笑っています。モウリーニョ監督からのメッセージにを受け、マティッチは忠実にミッションを遂行したのでしょうか。マンチェスター・ユナイテッドは、リードを守り切ってプレミアリーグ2位をキープしました。試合を中継していた「Movistar Fútbol」は、「スパイウィリアン」と見出しを立ててこのシーンの映像をTwitterにUP。ホームチームが勝利した後、「スカイスポーツ」も「WATCH: What did Jose Mourinho write on his note for Nemanja Matić?(ジョゼ・モウリーニョはマティッチに対して何を書いたのでしょうか?)」と添えて短い動画を配信しています。

この手の話は、「さて何だったのでしょう?」で終わるのが常ですが、今回は謎が解けました。試合の翌日、マティッチ本人がインスタグラムでメモを公開したからです。スパイはウィリアンではなく、ダブルエージェントのマティッチ!?企業秘密を漏洩させて、コンプライアンス的に問題はないのか?半笑いのマティッチの写真とともにUPされた画像を見ると、そこには驚愕のひとことが書かれていたのでした。

「YOU HAVE 3 DAYS OFF」

3日間、休みをあげるから最後までがんばれ…。なるほど。メモを見たマティッチが味方に指示を出さなかったのは、そういうことだったのですね。コメント欄には「マティッチが仕掛けたネタではないか」と疑う方がおり、私も一瞬そう思ったのですが、勤勉なセントラルMFの出落ちなら彼がIPPONグランプリ、実物ならばモウリーニョさんが粋です。あの緊張感のなかで、選手を最も奮い立たせる魔法の言葉を思いつくだけでも素晴らしいと思います。受け取ったマティッチは、リフレッシュするとともにこう考えたのではないでしょうか。このインセンティヴの条件は勝ち点3だ、と。ボスの期待通りのプレイを披露し、チームを勝利に導いたマティッチは、休日をロンドンで過ごしたと報告しています。

これを読んで、私は2年前の粋な話を思い出しました。リヴァプール、マンチェスター・シティ、アーセナルとの強豪3連戦で、勝ち点9をゲットしたら1週間のごほうび休暇を与えるとぶち上げたレスターのクラウディオ・ラニエリ監督です。後に奇跡的な優勝を遂げるチームは、レッズとマン・シティを倒した後、アーセナルに逆転負けを喫してしまったのですが、明るいイタリア人監督はそれでも休暇を取ると宣言。「選手たちには、”ア―セナル戦は勝ったも同然だ。この次の月曜に会おう”といったよ。素晴らしいパフォーマンスだった。彼らがどこに行くかは知らない。ドバイかもね。 行きたいところに行けばいい。私はロンドンで1日過ごした後、ローマに行く」と語り、ノリッジ戦の直前まで選手たちを解放しました。

リフレッシュ効果はてきめんで、レスターは最後の12試合を8勝4分で駆け抜けました。3月の4試合連続1-0勝利は圧巻のひとこと。選手の力を最大限引き出したければ、ときには抜くことも必要と教えてくれたマネジメントでした。今回のモウリーニョ戦術も、年末からお疲れ気味だったセントラルMFを生き返らせたのではないでしょうか。試合のなかでいちばんきつい時間帯に極上のシャワー、しかもボス直筆のニコニコ絵文字付きですから…!(ネマニャ・マティッチ 写真著作者/ Дмитрий Голубович)

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“残り10分、リードはわずか1点…モウリーニョ監督がマティッチにメモで伝えた魔法の言葉!” への3件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    このエピソードを取り上げてもらえたのは嬉しい!こういう試合中にパッと出る機知に富んだやり取りは楽しいですよね。

  2. 背番号4 より:

     今回の記事も、ホントに楽しませて貰いました♪ ちなみに・・・少し前まで

    「spot of the week」という珍プレー好プレー的なコーナー番組がありましたが

    もう、無くなってしまった!?のでしょうか・・・。 こういう小ネタは時々

    無性に欲しくなりますね!!。
     

  3. Scholes より:

    面白い記事ありがとうございます。以前試合中のロホにバナナを届けたこともありましたが、あっちは可愛らしく、今度のはカッコいいですね。ビッグマッチで選手に声が届きにくく、そしてFWを削ってDFを投入・・・私はあのメモには中盤の形が記されているのだろうと思って疑いもしませんでしたが、まさかまさか。ファンハール監督はずっとベンチに座っている監督だったので、モウリーニョ監督にはピッチサイドでもっともっと感情を出して熱く見せてほしいなーと思っていますが、それがなくても虜になってしまいそうです。

コメントを残す