濃密な時間。マンチェスターを離れるズラタン・イブラヒモヴィッチに心からの感謝を。
2016-17シーズンにパリからやってきたズラタンの初年度は、公式戦46試合28ゴール、プレミアリーグ28試合17ゴール。類まれなるシュート力でチームを勝利に導いただけでなく、ポグバやラシュフォードにプロフェッショナルとしての姿勢を見せ続けてくれました。ファン・ハール時代と比べてチームの雰囲気が明るくなったのは、「ゴッドの汗を拭くタオルを取ってくれ」と自ら”神キャラ”を演じてスタッフまで笑わせるズラタンが中心にいたからでしょう。EFLカップ優勝後のインタビューで、ポール・ポグバが決勝ゴールのズラタンを「これが、チームが彼を買った理由さ」と称えると、すかさず「オレはフリーエージェントだ。クラブが買ったのはオマエだろう」。プレミアリーグでズラタンが見せた最もファンタスティックな一撃は、このひとことだったのではないでしょうか。
2017年4月に起こった悪夢がなければ、われわれはどんな1年を過ごしていたでしょうか。ヨーロッパリーグ準々決勝セカンドレグ、アンデルレヒト戦の終了間際のアクシデント。膝の靭帯を損傷したズラタンは長期離脱を余儀なくされ、マンチェスター・ユナイテッドは契約延長を諦めるしかなくなりました。その後、2018年の初頭に復帰できる見通しとなったズラタンは、クラブと再契約。11月18日のプレミアリーグ12節、ニューカッスル戦での復活は、今思えば早すぎたのでしょう。ボクシングデーのバーンリー戦に出場した後、負傷を再発させてしまったズラタンは、出番を得られないままクラブを去ることになりました。最後のシーズンは、プレミアリーグ5試合ノーゴール。カラバオカップのブリストル戦で決めたFKが、ルカクに9番を譲った元エースの唯一のゴールでした。
思うようにプレイできなかった2017-18シーズンは、絶妙な神トークを愉しむ機会もありませんでしたが、「マンチェスター・イブニング・ニュース」が紹介していた最近のエピソードには胸を打たれました。「キャリントンでひとりで食事をしている」と孤独を伝えられていたアレクシス・サンチェスが、こんな発言をしていたのでした。
「We talk and we have coffee together every day, it’s a shame that he no longer plays for his country.(われわれは、毎日コーヒーを飲みながら話しているよ。彼が母国のためにプレイできなくなるのは残念だ)」
新天地で難しい船出に苦しんでいた7番に声をかけ、フォローしてくれていたというズラタンらしいエピソードには自然に頭が下がります。モウリーニョ監督にとって、今季最大の誤算はセヴィージャ戦のベンチに彼を置けなかったことなのかもしれません。ポルトガル人監督と若い選手の間に神がいれば、ポグバ、マルシアル、ラシュフォードらは迷いなくプレイできていたでしょう。ハードマネージメントの指揮官もそれを自覚しているからこそ、チェルシー時代はテリーやドログバを頼り、マンチェスターにズラタンを呼んだのだと思います。稀代のストライカーが、キャリアの晩年にマンチェスター・ユナイテッドを選んでくれたことに、心から感謝しています。「BBC」が、LAギャラクシーに入団する予定と報じておりました。アメリカでも、プレミアリーグで見せてくれたアクロバティックな神ゴールを連発して、ファンを盛り上げてください。
ピッチにいたのはたった1年なのに、あなたがいなくなることを心細く感じます。ありがとうございました。
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更新ご苦労様です。
圧倒的な存在感だっただけに、もっとプレミアで観ていたい選手でした。MLSでの活躍期待してます。
ユナイテッドに来る前、一瞬だけ「アーセナル行き」の噂をたてた記事がありました。
完全な飛ばし記事だった可能性も十分ですが、もしもヴェンゲルが真剣に検討していたのだとしたら。。
チームから孤立するサンチェスを励まし、好不調の波があるエジルのパスを難なくゴールに沈め、
チームの象徴たる姿をウィルシャーに背中で教える、
そんな彼がもしいてくれたら。。。。
「たら、れば」を語るのもサッカーの魅力だとしたら「もしもズラタンが我がチームにいたら」を、世界中のファンが語り合っていることでしょう。
お疲れ様でした。
新天地で頑張ってください。