不寛容になり「3年めの爆発」に向かっている…「BBC」が懸念するモウリーニョ監督の孤独。
「モウリーニョは、自ら出ていくのではないか?」。レアル・マドリード時代にメディアとの駆け引きの末に残った傷跡が、「スペシャル・ワン」と称していた指揮官を不寛容にしてしまったと指摘するジャーナリストは、「stereotypical full-blown third-year explosion(お決まりとなった本格的な3年めの爆発)」が起こるのではないかと警鐘を鳴らしています。3月に「ルーク・ショーに対する”いじめ”に他の選手たちが憤っている」とレポートしたのもサイモン・ストーンさんですが、補強の遅れに不満を抱いているマネージャーに対して、彼が主張しているポイントは2点です。
「手持ちの選手をもっと活かすべき」
「プレミアリーグのライバルたちも、リヴァプールを除けばチームづくりに苦労している」
今季の補強はフレッジとCB(アルデルヴァイレルト?)といわれていますが、マンチェスター・ユナイテッドがここ数年で獲得した高額移籍金の選手は、ディ・マリア以外はすべて残っています。「BBC」の記者は、ポグバとマルシアルは真価を発揮できておらず、1億ポンド以上をかけて獲ってきたバイリー、リンデロフ、アレクシス・サンチェスもオールド・トラフォードに大きなインパクトを与えられていないと解説。彼らの力を引き出せていないなかで、新しい選手を獲ってきても、同じような状況を抱える可能性があるということです。
マルシアルについては、「デイリー・メール」が、「チェルシー時代にサラーやデブライネを放出したモウリーニョ監督が、同じ過ちを繰り返すことになるかもしれない」といっています。2016-17シーズンから昨季にかけて、先発回数も出場時間も減らされてしまったドリブラーは、トータルのゴール数は8から11に増えており、117分に1回はゴールかアシストを決めています。これを上回るチームメイトは113分のルカクだけで、ラシュフォードは128分、アレクシスは192分。チリ代表FWを左サイドでしか使わないのであれば、2人の若手有望株から成長の機会を奪う拙速な補強だったといわざるをえません。
「BBC」のレポートに話を戻しましょう。ワールドカップ、インターナショナルチャンピオンズリーグ、コミュニティシールド、デッドラインデー、プレミアリーグと息がつけないタイトなスケジュールに、ライバルたちも苦しんでいます。最も深刻なスパーズは、ロシアで戦った7人が合流しておらず、未だ補強ゼロ。アーセナルの最高額はルーカス・トレイラで、マンチェスター・シティの即戦力はマフレズのみ。チェルシーはサッリ監督招聘に時間がかかり、クルトワやウィリアンが離脱する可能性があります。昨季プレミアリーグで2位のクラブは、唯一遅れているわけではないという見解には納得です。
サイモン・ストーン記者は、長年片腕として支えてくれたルイ・ファリア氏の不在も、モウリーニョさんが苦しんでいる理由のひとつではないかといっています。加えて私が気になっているのは、「翻訳者の不在」です。デコ、テリー、ランパード、ドログバ、ズラタン…モウリーニョ監督の下には、常にプロフェッショナルとして完成した理解者がいました。ボスのハードマネジメントの意図を解釈して若い選手たちに伝え、モチベートする存在です。昨季プレミアリーグでズラタンが健在であれば、ポグバは気分よくプレイできたのではないでしょうか。移籍した直後でチームになじめなかったアレクシスが、「彼とは毎日コーヒーを飲みながら話している」と感謝の意を述べていたゴッドのようなカリスマこそが、「third-year explosion」を食い止める最高の消火器なのかもしれません。
2017-18シーズンのマンチェスター・シティ。粗削りだった22歳のサネと23歳のスターリングに、中央に斬り込むタイミングを教えたのは、ペップの片腕だったミケル・アルテタだったそうです。マルシアル、ポグバ、ラシュフォードのモチベートを、マイケル・キャリックにお願いできないだろうか。絶対に放出してはいけない彼らが、ベストシーズンを過ごしてくれれば、マン・シティやリヴァプールを脅かす存在になれるのではないか…。ルカク、マティッチ、フェライニ、アシュリー・ヤング、バレンシア、デ・ヘアなど、以前にともに戦った選手と、プロとしてのマインドセットができているベテランやワールドクラスしか使いこなせていない指揮官の孤独感が、大いに気になる今日この頃であります。
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更新有難うございます。
Makotoさんの洞察に深く共感しました。
シティでのアルテタの貢献を知り、つくづく残ってくれて良かったなと思います。
会社なんかの組織でもある人が定年で辞めたあと、何となく組織が上手くいかなくなり、その人の果たしていた役割を再認識することがあります。
原石に才能を見出し、見事に開花させるペップとアルテタ、かたや腐らせてしまうモウリーニョ(言い過ぎか?)
モウリーニョがこれ以上孤立しないことを祈ります。
よくも悪くもスペシャルワンとゆうことでしょうか。
スペシャルすぎて選手がついてこれないとゆうか、誰かのスペシャルなフォローがないと機能しない、それって監督としてどうなんでしょう。
私は彼のキャラクターは好きですけど。
個人的には、ユナイテッドに来る時期が遅かったのかなと思います。ファーガソンの直後なら、と。
モウリーニョは、ポルト時代の自分を思い出した方がいいですよね。
文句ばっかりで、高い宝石を貰っても、すぐに飽きて一向に満足しない女みたいに見える。
アルテタさんのお話ですが加えて17-18シーズン開幕前、移籍を考えていたデルフの才能を高く評価し残留を熱望したのがアルテタだったそうです。
リカルドカルバーリョも相当気に入ってましたね。
翻訳者。いい表現ですね。。。
我がアーセナルにも長い間翻訳者が欠けているような印象があります。
(コシルニーやメルティは少し違うキャプテンシーだと思うので)
他のチームもそのような翻訳者目線で観てみると面白そうです。
そういえば、名翻訳者といえば長谷部選手が思い浮かびます。
彼のいない日本代表というのもまた注目しようと思います。
ユナイテッドは、戦力揃っていると思うのですけど。すでに輝いている宝石が多数。マルシアル・ラッシュフォードといった原石。リンガードもW杯を見た印象では、なかなかな選手だなと思います。グーナーとしては、長らく、キャプテン・リーダーシップ・闘争心・勝者のメンタリティに悩まされてきましたから、キャプテンシーある翻訳者の重要さは我が事のようです。
ところで、そろそろ、今シーズンの順位予想をしたくなるころですね。そういう点でも、シティ&リバプールの二強に比べて、1馬身遅れのユナイテッドと予想。残念ながらロンドン勢は、さらに、1馬身遅れというところでしょうか。
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3のエミリーさんのコメが的確で、面白い。
いつの間にやら、モウリーニョは不満ばかり言う贅沢三昧のオバサマみたいになってしまったのかも知れませんね……。