アーセナルの95年組VSリヴァプール1994カルテット!プレミアリーグで注目の若手選手たち【前篇】
20歳前後の選手で、いちばんの成長株がラヒム・スターリングであることは衆目の一致するところでしょう。先日、イングランド代表が勝利を挙げたアウェイのスイス戦でも、スピードに乗ったドリブルとカウンターに入ったときの素晴らしいポジショニングで、ワールドカップベスト16の強豪国を翻弄しました。彼にケガさえなければ、スタリッジとのコンビで、スアレスを完全に忘れさせてくれるかもしれません。相手に特段ウィークポイントがなくても、一瞬のスピードで決定的なシーンを創れてしまう選手は、下位クラブが中央を固めてカウンター狙いに徹してくるシーンが増えたプレミアリーグでは、貴重な武器です。
「第2のスターリングを発掘」とばかりに、リヴァプールは、イングランド代表のスピードスターと同い年となる1994年生まれの選手をこの夏3人獲得しています。マンキージョ、マルコヴィッチ、エムレ・カン。うーん、甲乙つけがたい顔ぶれですが、今季いちばん期待できそうなのはマンキージョ、先々が楽しみなのはエムレ・カンでしょうか。最近ケガが多く、移籍話が絶えないグレン・ジョンソンの後釜として、マンキージョが起用されるシーンはかなり増えるでしょう。同じく夏に入団した、こちらも22歳と若い左SBアルベルト・モレノのほうが、攻撃も守備も一枚上という印象ではありますが、こと攻撃に関してはマンキージョも魅力的です。レッズサポーターのなかには、「フラナガン推し」の方も多いのでしょうか。プレミアリーグ経験と、全体的なバランスでは1歳年上のフラナガンに軍配が上がるのかもしれませんが、5年後のリヴァプールの右を担っているのはマンキージョのほうだと思います。
エムレ・カンは、うまく育てばジェラードの後継者となれる大器ではないかと注目しているのですが、先日ケガをしてしまったため、11月からの勝負となります。中盤の真ん中にはルーカス、ジェラード、ジョー・アレンがおり、攻めモードのときはヘンダーソンをまわす場面も多くなりそうなので、ロジャース監督も無理せず大事に使うのではないでしょうか。マルコヴィッチはプレイの引き出しが多く、視野も広くておもしろい選手ですが、こちらもコウチーニョ、ララナ、ヘンダーソンなど代表クラスの選手たちとポジションを争う形となります。しばらくは、劣勢のときのオプションという役割に置かれることになるでしょう。
ロジャース監督とリヴァプールは、3年~5年先をみながら、プレミアリーグ優勝と欧州を常時狙えるチームを創ろうとしているようです。20代後半~30代の選手の比率が高いマンチェスター勢が世代交代や若手抜擢に失敗すれば、思いのほか長く、レッズに勝てない時代が続いてしまうかもしれません。
さて、1994年カルテットがおもしろいリヴァプールに対して、アーセナルではひとつ年下の95年組に注目しています。こちらは5人で、カラム・チャンバース、エクトル・ベジェリン、アイザック・ヘイデン、セルジュ・ニャブリ、チュバ・アクポム。昨季、たびたびウォルコットの代わりにピッチに入っていたニャブリと、「10メートル走のクラブ記録を更新(ウォルコットより速いということ?)」と騒がれていたアクポムが、使われる機会は多そうですが、このなかでは私の推しはベジェリンです。
ポジションは違うものの、16歳でバルセロナのカンテラからやってきたあたりは「第2のセスク」。スペイン選手らしい技術の高さとスピードには素晴らしいものがあり、プレシーズンマッチで観たときは、「アーセナルの、しかも右SBにこんなにいい選手がまだいたのか」と思いました。ドビュッシーに何かあったときには、チャンバースを右で使うより、ベジェリンの切れ味のほうがおもしろいのではないでしょうか。コシールニーの後継者と目されているヘイデンともども、ヴェンゲル監督が「主力に何かあったときは若手の出番だ」と考えているのであれば、それはそれなのですが、いや、なさそうですね。今季はさすがに「われわれには蝶力なスカッドが…CB1枚足りない」と認めてらっしゃいましたので。
最前線と2列目がぶ厚いアーセナルのなかで、各国代表の主力選手と戦わなければならないアクポムやニャブリより、真ん中から後ろのほうがチャンスは早く巡ってくるかもしれません。ちなみに、ガナーズの若手における私のイチ推しは、95年組よりさらに2歳若いゼラレムなんです。昨年、浦和で練習見た時、狭いスペースでの足元のうまさに魅了されてしまいまして。まだ線が細く、出てくるまでには少し時間がかかりそうですが、アーセナルではいちばん薄いポジションなので、うまく育ってラムジーやウィルシャーと絡んでくれればおもしろいな、と期待しています。
昨季、腹をくくってフラナガンに左SBをまかせ続けたロジャース監督が勝利と育成を両取りしてきそうなのに対して、ヴェンゲル監督は若手起用には慎重でしょう。ウィルシャーやウォルコットに加えて、イングランド人のチャンバースやヘイデンが定着すれば、ノースロンドンのサポーターたちはさらに盛り上がりそうですね。この稿、長くなりましたので、「ラメラ、ジェームズ・ウィルソン、そして…プレミアリーグで注目の若手選手たち【後篇】」に続きます。
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
更新お疲れ様です。私はエレム・カン推しですね。怪我がもったなかったですが、あの体を張ってボールを運べる能力や長短のパスを使い分けれる選手は今のリバプールだといないキャラクターですからね。
リバサポさん>
彼は期待ですね。個人打開力の高いジェラード、みたいになるといいですね。
ベジェリンはエミレーツカップで久々に見ましたが攻撃参加時のキレには驚かされました。
ただディフェンス時にフィジカルでゴリゴリこられた時に厳しくなりそうだなという印象もありましたね。
若手特集ありがとうございます!
カンの6週間離脱は非常に残念です。期待してたのに。
一番期待してるのはマルコヴィッチです。
サイドでも中でも使えるって事なので、アザールやディ・マリアのようになってくれたら嬉しいですね。
他では、前回の記事でチェルシーの若手ローンが多いとあったのですが、その中の誰かが爆発してくれるのとかも期待しています。
観れるのは早くても来期以降になりますけどね。
—–
グーナーの自分から見ても今プレミアで一番ワクワクさせてくれるのは
スターリングですね。このまま順調に成長を続ければ来季にはレアル辺りが
本気で獲りに来る選手になっていそうで目が離せないです。
ペジェリン&ゼラレムはまだ戦力として計算するには課題が多いですが
有望視されたが明確なストロングポイントが無くて見切られて行く若手が
多いので、難はあっても衆に秀でたストロングポイントを磨いて貰いたいです。
先日、初めてスターリングに注目して観たんですが、本当にオーフェルマルスにそっくりですね。
特に腰を立てて?走る姿と、低いクロス。
アーセナルに欲しかったなあと思います。