スターリングじゃないんですか!?「プレミアリーグ最速選手ランキング」第1位の意外な名前!
このたび、イギリス紙「デイリーメール」が掲載したのは、プレミアリーグのデータ集計と分析を行い、さまざまな切り口で情報提供している「EAスポーツ」配信の「プレミアリーグ最速選手ランキング」。これを見た記者は、相当びっくりしたのでしょう。記事の書き口が、ややもち興奮気味です。「プレミアリーグで最速の選手が誰だろうか、その名前を聞けば驚くだろう。アレクシス・サンチェス? エデン・アザール? ラヒム・スターリング? ノー。2014-15シーズンで最速の選手はフィル・ジャギエルカだ」。
ジャギエルカ…!?確かに、びっくりです。イングランド代表のレギュラークラスであり、安定感があるCBですが、彼のプレイをみて「速い」という印象を持ったことは一度もありませんでした。ジャギエルカが出したスピードは、以前にFIFAの調査で最速とされたアントニオ・バレンシアの時速35.1キロより速い、35.99キロ。最速達成の現場は、プレミアリーグ開幕戦、レスターの本拠地キングパワー・スタジアムだったそうです。以下に、EAスポーツ発表のランキングを紹介させていただきますが、私の第一印象は「地味!」。最近プレミアリーグを観るようになった方や、特定のクラブの熱狂的なサポーターでライバルクラブのゲームは観ない方は、名前を見ても半分もわからないのではないでしょうか。
■EAスポーツ社によるプレミアリーグ2014-15最速ランキング
1位 35.99 フィル・ジャギエルカ(エヴァートンDF)
2位 35.94 リッチー・デ・リート(レスターDF)
3位 35.91 ジョー・レドリー(クリスタル・パレスMF)
4位 35.82 スティーヴン・ヌゾンジ(ストークMF)
5位 35.80 コナー・ウィッカム(サンダーランドFW)
6位 35.68 モハメド・ディアメ(ハル・シティMF)
7位 35.54 アラン・ハットン(アストン・ヴィラDF)
8位 35.53 ネイサン・ダイアー(スウォンジーMF)
9位 35.49 クレイグ・ガードナー(WBA・MF)
10位 35.46 ジョーイ・オブライエン(ウエストハムDF)
(単位は時速)
「デイリー・メール」は、足の速い選手の起用が多いサイドアタッカーがネイサン・ダイアーしか入っておらず、セントラルMFやディフェンダーが多いのは、ボールを持っていない状態で全力疾走する機会が多いからではないかと分析しています。なるほど、確かに。トップ10は、プレミアリーグの中堅あるいは下位クラブで、守備の中心を担っている選手が多いですね。選手間の距離がコンパクトなマンチェスター・シティや、最終ラインが裏を取られるシーンにお目にかかることが少ないチェルシーの選手がここに名を連ねるイメージはありません。「10メートル走最速ランキング」などやってみると、全く違う顔ぶれになるのでしょうね。ここには、ジエゴ・コスタやスターリング、スタリッジ、アグエロなどの名前が入ってきそうで興味深いですが、EAスポーツにそんなデータはないのでしょうか?
さて、プレミアリーグがかなり渋いランキングになってしまったので、口直しというわけではありませんが、今年4月にスペイン紙「ムンド・デポルティーボ」が掲載した「世界最速の選手トップ10~FIFA調査バージョン」も紹介いたします。こちらは、一見して納得、という方が多いと思います。
■世界最速選手ランキング
1位 35.1 アントニオ・バレンシア(マンチェスター・ユナイテッド)
2位 34.7 ガレス・ベイル(レアル・マドリード)
3位 33.8 アーロン・レノン(トッテナム)
4位 33.6 クリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリード)
5位 32.7 セオ・ウォルコット(アーセナル)
6位 32.5 リオネル・メッシ(バルセロナ)
7位 31.2 ウェイン・ルーニー(マンチェスター・ユナイテッド)
8位 30.7 フランク・リベリー(バイエルン・ミュンヘン)
9位 30.4 アリエン・ロッベン(バイエルン・ミュンヘン)
10位 30.1 アレクシス・サンチェス(現アーセナル)
(単位は時速)
いかがでしょうか。このランキングは、FIFAの調査と書かれているだけで、いつ誰がどのように計測したのかわかりかねますが、「選手がボールを持っているときのスピードを計測」したデータだそうで、プレミアリーグの調査とは明らかに取り方が違います。「ボールを持ったとき」となると、今度は逆にCBやセントラルMFの選手は入ってきにくいですよね。私は、毎年プレミアリーグのゲームの半分程度は観ているはずですが、テリー、メルテザッカー、ガレス・バリーのような選手が長距離を高速ドリブルで疾走しているシーンは、未だかつて観たことがありません。
ボールを持たない時間を含めると、ボールがないところでは長距離を全力で走らない最前線の選手が入らず、ボールを持ったときの速さに特化すると、簡単にさばく選手や後ろに下がっている時間が長い選手が割を食う。フラットなデータを取るというのは、なかなか難しいものです。今回は、2つのランキングを紹介しましたが、私たちサッカーファンの興味により応えてくれているのは、精緻に取得したようにみえるEAスポーツのデータよりも、怪しげなFIFA調査のほうなのかもしれません。ただの全力疾走の速さなら、試合中に計らずとも50メートル走でもやれば、条件均等でより正確ですので。
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でもサッカー選手はボール追っかけてる時の方が速そうw
そしてこれと比べても更に1キロ以上速いロッベンはやばいですね。
プレミアリーグ大好き!さん>
確かに。ワールドカップのロッベンは、37キロ出しましたね。