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109億円の男、ロス・バークリー。来季は移籍か残留か?将来はルーニーか、ランパードか?

先週末、イギリス紙「マンチェスター・イブニング・ニュース」が、エヴァートンがマンチェスター・シティに対してロス・バークリーの移籍金を6000万ポンド(約109億円)と伝えたと報じていました。109億円!実現すれば、このお値段はイングランド人選手のプレミアリーグ内移籍では、ぶっちぎりの史上最高額。過去最高は2002年、リーズからマンチェスター・ユナイテッドに移籍した、あのリオ・ファーディナンドの3580万ポンドにまで遡るそうです。この記事を読んで、思ったことは2つでした。「この12年、イングランドからは、60億円を超えるような大物選手が出てこなかったんだな」ということと、「20歳に100億という値段を付けるとは…」。2011年に17歳でデビュー。昨季のプレミアリーグでブレイクし、2013-14シーズンは34試合6ゴール。ホジソン監督から与えられたチャンスを確実に活かしてワールドカップ2014ブラジル大会で3試合に出場するなど、若手のなかではいちばんの急成長株であることは間違いありませんが、それにしても100億超は高いです。

エヴァートンのロベルト・マルティネス監督は、ロス・バークリーにベタ惚れです。「私のなかでは、ロスがイングランド史上最高の選手になることに疑いはない。彼はすべてを持っている。普通の選手は、ピッチを駆け回るスピードとパワー、パスを出すビジョンのどちらかを持っているものだが、ロスはその両方を示すことができる」と、これ以上ないようなほめ方をしており、「エヴァートンが彼にとって唯一の場所」と、移籍させる気などさらさらなし。今年の7月に、エヴァートンと4年間の契約を結び直したばかりのロス・バークリーを、何としてもプロテクトしたいという意志が、高額の移籍金に込められているのでしょう。

今季はFFPのペナルティもあり、身動きが取れないマンチェスター・シティですが、UEFAからの指示を守れば来季は晴れて自由の身。彼らは、夏に移籍騒動があったヤヤ・トゥレが去ることを想定して、ロス・バークリー獲得を検討しているのだと思われます。彼にとって、残留と移籍のどちらが幸せなのでしょうか。私は、結論からいえば「エヴァートンに残って、ランパード型のオールラウンドなセントラルMFとしての力をつけてからプレミアリーグのトップクラブへ」というキャリアを選んだほうがいいと思っています。違う言い方をすれば、今のマンチェスター・シティにいくのはリスクが大きいということです。

ある報道によると、マルティネス監督は、ロス・バークリーの将来を「攻撃力のあるスケールの大きいセントラルMF」と考えているのだそうです。ただし、彼はまだ20歳。今はあれこれ欲張るよりも、長所である攻撃力を磨くべく、トップ下をまかせて守備の負担を軽減させるという育て方を選択しているとのこと。イングランド代表期待のMFは、エヴァートンにいれば、自分に高い評価と信頼を置いてくれている監督の下で、出場機会を充分に得ながら成長することができるでしょう。

ところが、プレミアリーグ制覇が絶対命題で、一流選手がひしめくマンチェスター・シティに移籍すると、ダヴィド・シルヴァやヨヴェティッチ、ナスリ、ジェームズ・ミルナーといった選手たちとポジション争いをしなくてはなりません。ヤヤ・トゥレの後継者として期待されたとしても、エヴァートンでそれほど経験していないセントラルMFで、いきなり活躍するのは難しいでしょう。ましてやマン・シティは、今季の結果次第でペジェグリーニ監督が去る可能性があります。短期的な結果を求められて招聘される新監督が、長期的な成長を考えてロス・バークリーを使ってくれるかどうかはまったくわかりません。アンリやファン・ペルシが、ヴェンゲル監督と出会ってストライカーとしての能力を開花させたように、相性のいい監督と一緒に戦えるかどうかは重要です。

「JSPORTS」で好きなクラブの試合を中心に観ている方は、ただでさえ放映回数の少ないエヴァートンの試合を観る機会はあまりなかったと思われますが、機会があればロス・バークリーのプレイに注目してみてください。彼のプレイで私が好きなのは、思い切りのいいミドルシュート。188センチと長身でフィジカルが強く、守備もなかなかいいので、ルーニーよりはランパード方面がいいのではないでしょうか。20代半ばで出来上がっている選手ならともかく、これから体が変わってくる年代のロス・バークリーは、理解あるマルティネス監督との出会いを最大限活かしたほうがいいのではないかと思います。悪いことはいいませんので、来季はマージ―サイドに残留を。ただし、マルティネス監督が、マンチェスター・シティに請われて監督を引き受けるなどというサプライズがあれば、話は別ですが…。しかしまあ、ホントに109億円などという法外な額にするんでしょうか?売るほうも、買うほうも。

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“109億円の男、ロス・バークリー。来季は移籍か残留か?将来はルーニーか、ランパードか?” への3件のフィードバック

  1. リバサポ より:

    ロドウェルの二の舞だけはやめてほしい…

  2. ゆうま より:

    ルーニーはなんだかんだでストライカーですからね
    PA内での動きはバークリーにはないものです
    box to box型のジェラード、ランパードのようになり晩年はスコールズのように・・・というのが理想です
    そうなれば今のイングランド代表に足りない中盤のピースが一つ埋まりますし(足りないピースが一つじゃないのが辛いとこですが・・・)

    —–
    マンチェスター・シティとチェルシーは若手選手を我慢して使ってくれるクラブではないので
    20歳の選手なら次の次の移籍先に選ぶべきクラブだと思います。
    バークリーやWBAでブレイク中のベラヒノ等は現所属クラブで2年ぐらい主力でバリバリ働いて
    自信と実力を確かなものにしてからステップアップをするぐらいが一番良いのではないでしょうか。

  3. makoto より:

    リバサポさん>
    ですね!

    こーこさん>
    賛成です。後継者不足のポジションなので、大いに期待してしまいます。

    ゆうまさん>
    ロス・バークリーは、移籍する時は即戦力としていく形になるので、「成長のために」などとは考えてもらえなそうですよね。

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