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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「公式戦21勝1分無敗」「クリーンシート18試合」「失点関与は1回のみ」…この凄すぎるCB、ご存じですか?

プレミアリーグ2020-21シーズンの最優秀監督は、ペップ・グアルディオラで決まりでしょう。10節からプレミアリーグ17試合連続無敗で、14節のセインツ戦からは13連勝。トッテナムに敗れた後の17試合は、アストン・ヴィラ戦を除くすべてのゲームでオンターゲットを3本以内に抑え、わずか4失点という驚異的な堅守をキープしています。エースのアグエロが負傷続きでノーゴールという致命的なアクシデントを抱えながら、右SBのジョアン・カンセロが中盤に加わる新たな戦術を構築。1月末から5試合欠場したデブライネの穴は、ギュンドアンの得点力を引き出して乗り切ってしまいました。

2位マンチェスター・ユナイテッドとのギャップは10ポイント。プレミアリーグの歴史に残る守備力を誇るチームが、残り13試合で4つも失敗するとは思えません。目下の興味は、国内3冠を達成できるかどうかと、チャンピオンズリーグの着地でしょう。ペップの就任以来4シーズンのCLで、ベスト4進出も叶わなかったチームにとって、今季は最大のチャンスなのではないでしょうか。

リヴァプールの後塵を拝したマンチェスター・シティの逆襲を見て、「ルベン・ディアスはファン・ダイク」「MVPの最有力候補」と、ベンフィカから加わったCBを称賛する声が多いようです。素晴らしい補強だったと思いますが、ここまでのMVPをひとり挙げろといわれれば、彼の隣にいるイングランド代表のほうを推します。26歳になったジョン・ストーンズ。シーズン前の評価は、ルベン・ディアス、アイメリク・ラポルテに次ぐ3番手でしたが、今やなくてはならない大黒柱…いや、プレミアリーグ史上最高のCBと称されてもおかしくない存在です。

彼のスタッツを確認していただければ、決して大げさではないと理解してもらえるでしょう。プレミアリーグ出場15試合。シーズン緒戦のウルヴスとのゲームで先発した後、レスター戦を負傷欠場し、トップフォームを取り戻すのに時間がかかったのが試合数が少ない理由です。10節のバーンリー戦で完璧な守備を披露すると、その後はラポルテを押しのけて堂々のレギュラー。彼の凄さを語る最強(最驚!?)のスタッツは、「15試合中12試合がクリーンシート、失点はわずか3」です。

ウルヴス戦の78分にポデンズのクロスに競り負け、ラウル・ヒメネスにヘディングシュートを決められたのが唯一失点に絡んだシーンです。チェルシー戦でタミー・アブラハムのゴールを許したときは、背後をジョアン・カンセロにまかせて右サイドにチェックしにいっており、無関係。リヴァプール戦のサラーのPKは、相棒のルベン・ディアスがタッチミスを11番に突かれて裏に入られ、後ろから引っかけてしまったために取られたものです。クリーンシート率は80%。1350分に1回しか失点に関与していないのは驚異的です。

チャンピオンズリーグと国内カップもチェックしてみると、CL5試合、FAカップ1試合、カラバオカップ1試合のうち失点があった試合はCLのポルト戦のみです。この試合は、3-1リードの93分にフェラン・トーレスと代わって1分だけプレイ。記録マニアから「クリーンシート率を下げないでくれ」とツッコミが入りそうな起用でした。全試合を通算すると、22試合中18試合が失点ゼロで、81.8%。「今季プレミアリーグNo.1のパス成功率93.8%」「ファールはたった4回で、イエローカードゼロ」という数字をかぶせれば、参りましたといってくれる方が増えるでしょう。

ここまで読んで「マンチェスター・シティは強いから、ボールが来ないだけではないか」と疑う向きには、「カイル・ウォーカーやジョアン・カンセロが上がった際の右サイドまでカバーするのがミッションで、極めて難易度が高い仕事」という説明を加えておきましょう。彼が出場した試合は21勝1分で、2失点以上はゼロ。唯一のドローを喰らわせたチームのアタッカーに、背後を取ってゴールをゲットし、敗戦に追い込むプレイを期待したいと思います。12月のオールド・トラフォードでスコアレスドローだったマンチェスター・ユナイテッド。今季プレミアリーグで21回を記録しているオフサイドキングのマーカス・ラシュフォード!(ジョン・ストーンズ 写真著作者/Антон Зайцев)


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