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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

速いのはリヴァプール、ニューカッスル、ハル・シティ!? プレミアリーグ最速選手ランキング

プレミアリーグで最も速い選手は誰か。イギリス紙で折に触れて掲載される定番企画は、数あるランキングのなかでも読者の関心が高いのでしょう。今回、このテーマについて調べたのはイギリスメディア「デイリー・テレグラフ」。プレミアリーグのゲームにおいて、各選手が記録したトップスピードを計測したこのランキングには、予想通り「長い距離を走ることが多く、カウンターのキーマンとなる中盤の選手」が上位を占める結果となりました。みなさんは、速い選手といわれたら誰をイメージしますか?この手の企画によく顔を出すウォルコット、スターリング。先日アーセナルが実施した40メートル走でチームNo.1のスピードを披露したベジェリン。あるいはアザール、バレンシアあたりでしょうか。今回のランキングで1位に輝いたのは、ニューカッスルの左サイドを疾走するムサ・シソコ。本命のスターリングは3位で、長期離脱から復帰してから今ひとつ調子が戻っていないウォルコットは圏外。ベジェリンは、公式戦では上位に食い込むスピードを見せておらず、番外として紹介されています。

TOP10にはストライカーはひとりも入っておりません。最前線の選手は10メートル走が速かったり、トップスピードに入るまでの加速に秀でていたりするものの、オフサイドラインが目の前にあるなかで全力で長距離を飛ばす機会が少ないのでしょう。かろうじてウェイン・ルーニーの名前がありますが、今季は中盤センターやトップ下でプレイする時間が長かったマンチェスター・ユナイテッドのキャプテンの記録は、前線で出したものではないと思われます。QPRのコーカーを除けば、サイドアタッカーとセントラルMFの選手ばかり。2位に入ったダウニングは、ウェストハムのコントロールタワーのイメージが強いので意外でしたが、リヴァプール時代はサイドで勝負することが多かった選手。4位と10位に入ってきたハル・シティコンビのエルムハマディとリヴァモアは、ボールを支配できずカウンター頼みとなっているチーム事情を反映しているのでしょう。ランキングはこちらです。このテーマで印象に残ったプレイはありませんでしたが、エリクセンは、速いんですね。

【プレミアリーグ2014-15・最速選手ランキング】
1位/ムサ・シソコ(ニューカッスル)           35.4km/h
2位/スチュワート・ダウニング(ウェストハム)      35.06km/h
3位/ラヒム・スターリング(リヴァプール)        35.04km/h
4位/アフメド・エルムハマディ(ハル・シティ)      34.78km/h
5位/ウェイン・ルーニー(マンチェスター・ユナイテッド)34.46km/h
6位/ナサニエル・クライン(サウサンプトン)       34.44km/h
7位/ジョーダン・ヘンダーソン(リヴァプール)      34.27km/h
8位/スティーブン・コーカー(QPR)            34.22km/h
9位/ジャック・コルバック(ニューカッスル)       34.11km/h
10位/ジェイク・リヴァモア(ハル・シティ)       34.09km/h
10位/クリスティアン・エリクセン(トッテナム)     34.09km/h

「ムサに敬礼(シソコ)」「数年前までは、イングランドにおいて最も嘱望されたウインガーのひとりだった(ダウニング)」。「彼のスピ ードに疑いの余地はなく、TOP3入りも驚きではない。今季のブレークのカギを握る能力(スターリング)」と、普段は皮肉も多いテレグラフは、上位3人を手離しでリスペクトしています。スターリングが噂になっているアーセナルへの移籍が決まったら、来季のガナーズのカウンターは脅威です。右サイドにベジェリンとスターリング。左からは、ランキングには入っていないものの間違いなく速いダニー・ウェルベックがゴールに向かって一直線に仕掛けてきます。

ヴェンゲル監督は、1月のマンチェスター・シティ戦でみせた鮮やかなカウンターサッカーを明確なオプションとして熟成させないのでしょうか。プレミアリーグもさることながら、チャンピオンズリーグでバイエルン・ミュンヘンやバルセロナ、パリ・サンジェルマンなどと戦うときは、ポゼッションにこだわって後ろのスペースをスアレスやロッベン、カバーニにさらすよりは、低く構えてエジルやカソルラのロング一発でサイドアタッカーを走らせたほうがおもしろい勝負ができるのではないかと思います。

さて、ここから先は、12位以下の選手について触れたいと思います。カウンターでゴールを奪う機会が多いチェルシーはTOP10入りは逃したものの、17位にアザールとイヴァノヴィッチがランクイン。12位にはサウサンプトンの左SBライアン・バートランドが入っており、右のナサニエル・クラインと合わせて両SBが上位に入ってきています。マネやタディッチ、グラツィアーノ・ぺッレと仕掛けるシンプルなサイド攻撃は、守備の堅さとともに、今季躍進したセインツの大きな武器でした。以前に1位になったことがあるエヴァートンのジャギエルカは15位。純正ストライカーのトップは14位のダニー・イングスで、バートランドと同着で12位に入ったチームメートのシャッケルとともにその速さを証明しています。

シンプルかつポジティブ、数字で語られる明快さがある最速ランキングは、やはりいいですね。先日、「過大評価されている選手ランキング」なる記事が出ていましたが、イヴラヒモヴィッチが「チームに主要タイトルを獲得させられていない」と上位に指名されているのをみると、そこまで個人に背負わせるのはさすがにかわいそうと思います。ランキング企画のキモは、明るい話であること、順位付けの理由がわかりやすいことだと実感しましたが、いかがでしょうか。

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