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マインツの武藤オファーで岡崎に移籍報道!プレミアリーグで最も活躍できそうなのはどのクラブ?

何とかブンデスリーガに残留できそうなマインツが、チェルシーからのオファーに悩む武藤嘉紀にアプローチしており、日本で交渉がスタートするとドイツ誌「キッカー」が報じています。武藤嘉紀と岡崎慎司はタイプが違い、共存は可能なので、 「武藤獲得=岡崎放出」ではないものの、育てた選手を高値で売って成長余地のある若手選手を安く獲得しようとする中小クラブであるマインツが、15億~20億円は手に入りそうな岡崎を「今が売り時」と考えているのは間違いないでしょう。

日本代表ストライカーの売り先として、ドイツ国内ではボルシア・メンヘングラードバッハの名前が取り沙汰されており、冬に話題になったWBA、レスター、ウェストハムなどのプレミアリーグ勢も関心ありと伝えられています。29歳になり、ステップアップするならこの夏がラストチャンスの岡崎としても、来季も残留争いに巻き込まれそうなクラブにいるより、チャンピオンズリーグを戦うクラブやプレミアリーグという新天地にチャレンジする道を選ぶのではないかと思われます。

とはいえ、ボルシアMG移籍は、岡崎にとっては茨の道でしょう。1970年代にはバイエルン・ミュンヘンと2強時代を築いていた名門は、来季のチャンピオンズリーグを戦うことが決まっており、ただでさえヘアマン、グルーゼ、ラファエルと前線に好選手がいるなか、見込まれる収益でさらなる大物ストライカーを獲得する可能性があります。この状況で本当に岡崎を獲るのかという疑問に目をつぶり、入団が実現したと仮定すると、岡崎のポジションはサイドの控え選手になってしまう懸念すらあり、出場機会の少なさに悩まされそうです。ドイツ国内で移籍するなら、キャリアアップできるクラブにいきたいところですが、今の上位クラブを見渡しても、ここというところは思い当たりません。乾や長谷部が在籍し、日本人選手が評価されているフランクフルトから声がかかればおもしろそうです。2012-13シーズンには6位に食い込んでいるクラブで活躍すれば、1年後にはヨーロッパリーグ出場権を手に入れられるかもしれません。

もし岡崎が、ドイツではなくプレミアリーグにチャレンジすると決断した場合に、いちばん活躍できそうなチームはどこでしょうか。オファーがなければ何も始まらないのは承知の上で、「最も岡崎を活かしてくれそうなクラブ」について考えてみたいと思います。まず、可能性のないTOP6は除外しましょう。トッテナムのポチェッティーノ監督がハリー・ケインをベンチに下げて岡崎をレギュラー起用しようものなら、すかさずサポーターが指揮官解任要求の飛行船を手配しそうです(!?)。そしてまた、プレミアリーグ降格がほぼ確定のQPRとバーンリーも外します。残ったクラブは、セインツを筆頭にサンダーランドまでの12クラブ。岡崎がフィットする可能性が高いのは、こんな条件のクラブではないでしょうか。

1)現状ストライカーが手薄、あるいはストライカーが移籍する可能性が高い
 ⇒ルカクのエヴァートン、ペッレのセインツ、デフォーのサンダーランド、
  クラウチとボージャン・クルキッチのストークはNG
 (ベンテケに移籍の噂があるアストン・ヴィラ、同様にベラヒーノのWBA、
  イェラヴィッチ以外が弱いハル・シティ、ゴミスが今イチのスウォンジー、
  ウジョア健闘もクラマリッチが機能していないレスターはあり)
2)「監督交代で新チームの方針が不透明」というリスクがない
 ⇒ニューカッスルとウェストハムはNG
3)「屈強なFWがいい」というプレミアリーグならではの価値観に
 こだわりがなさそうな監督あるいはクラブ
 ⇒ピューリス監督のWBA、ブルース監督のハル・シティはNG?
4)サイドとトップ下に優秀な選手が多く、岡崎を使ってくれる
 (アグボンラホル、グリーリッシュ、シンクレアのアストン・ヴィラ、
  シグルズソン、ルートリッジのスウォンジー、
  パンチュン、ザハのクリスタル・パレスなど)
  
とまあ、1~3で8クラブが消えました。残った4クラブは、スウォンジー、アストン・ヴィラ、レスター、クリスタル・パレスです。この4つは、どれもよさげですね。パスサッカー志向で、空中戦を多用しないスウォンジーは、日本代表で共通項が多いサッカーをしていた岡崎は馴染みやすそうです。ニューカッスル時代にシセだけでなく、アヨゼ・ぺレスやリヴィエールなど高さより技術やスピードで勝負するタイプを操っていたパーデュー監督は、クリスタル・パレスに移った後も選手に運動量を要求しており、岡崎の特徴がアドバンテージになる可能性大。クラブ期待のストライカー、ドワイト・ゲイルも177センチと上背がなく、シャマフやヤヤ・サノゴは離脱必至。補強の進捗によってはフレイザー・キャンベルまでが夏にクラブを去るかもしれません。

ベンテケ不在時にはアグボンラホルがトップを張る機会もあったアストン・ヴィラは、カウンターとなればアグボンラホル、グリーリッシュ、ヴァイマン、デルフ、シンクレア(=完全移籍すれば)からおもしろいようにパスがもらえるはずです。選手をフラットに見てフェアに扱うと評判のシャーウッド監督は「プレミアリーグのストライカーは高さと強さがないと」といった色眼鏡がなさそうで、がんばりがいがあるのではないかと思います。レスターは、元より冬に岡崎にオファーを出していたといわれているクラブで、ウジョアがいるものの、1月に獲得したクラマリッチがプレミアリーグ1ゴールと厳しい現状なら、食い込む余地は充分にあるでしょう。

さらに絞るとすれば、キャリアアップという観点を入れて、ヨーロッパリーグ出場なら狙えそうなスウォンジーと、チャンピオンズカップ優勝経験という格と伝統があるアストン・ヴィラでしょうか。1点となると、ベンテケの強烈な残像を気にしなくて済むスウォンジーです。いかがでしょうか。

ここまで、遊びにおつき合いいただいてありがとうございます。1シーズンでもそこそこやれた選手は稲本潤一、香川真司、吉田麻也しかおらず、戸田や西澤は失意のうちに去り、あの中田英寿でも活躍できなかったプレミアリーグ。ましてやストライカーとなればハードルは高く、「岡崎はプレミアリーグでは通用しないのでは?」という不安の声が多いのが現状です。しかし私は、クラブから熱望されるのならば、ぜひプレミアリーグにチャレンジしてほしいと思います。成功例は自ら創るもの、前例は壊すもの。過去のデータですべてが決まるのであれば、ゴールドシップを切り飛ばしてフェイムゲームから流した私の天皇賞は、見事に的中していたはずです(涙)。…岡崎慎司が乗り込んで来たら、力いっぱい応援しよう。今はただ、それだけです。

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“マインツの武藤オファーで岡崎に移籍報道!プレミアリーグで最も活躍できそうなのはどのクラブ?” への3件のフィードバック

  1. a より:

    『成功例は自ら創るもの、前例は壊すもの』という文章がカッコよくて、読みながら痺れました☆
    makotoさん、文章が上手で、いつも読みながら引き込まれます。

  2. タカシ より:

    面白い考察ですね。
    プレミアのFWはかなりハードル高いので実現する可能性は低いですが岡崎選手のプレミア挑戦には期待しています。
    ペレスやマレイを抜擢したパーデュー監督なら岡崎選手を活かせるのではないかと自分も妄想してます。しかし、日本人選手はサイドに回される可能性も高いのでリスクもありますね。特に岡崎選手は献身的ですから。
    流石の岡崎選手でもサイドでは持ち味も半減、ザハやボラシエ相手では厳しいです。岡崎選手には自分にとってのベストな選択をしてもらいたいですね。

  3. makoto より:

    aさん>
    ありがとうございます!がんばります!

    タカシさん>
    岡崎の体格や献身性、敏捷さを見ると、サイドに置きたくなる監督も多いでしょうね。パーデューさんやモンクさんのような指揮官なら、彼のストライカーとしての力を理解してくれるのではないかと期待しています。いいオファーがあるといいですね。

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