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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

新生スパーズで苦しむハリー・ケイン、ゴール&アシスト激減の理由を探る。

プレミアリーグ5勝4敗、9ゴール13失点。開幕節のマンチェスター・シティ戦を1-0で制したトッテナムを「苦戦」と表現しても、違和感はないでしょう。クリスタル・パレス、チェルシー、アーセナル、ウェストハムに1ゴールしか決められず、ロンドンダービー4連敗。ウルヴス、ワトフォード、アストン・ヴィラ、ニューカッスルといったボトム10のチームには勝っていますが、すべて1点差の接戦です。ウルヴス戦はデル・アリのPKで決着。ヴィラ戦の決勝点は、マット・ターゲットのオウンゴールでした。

何といっても気になるのは、ハリー・ケインの沈黙です。公式戦13試合7ゴール1アシストと書くと通常運転に見えますが、ヨーロッパカンファレンスリーグにおける格下相手の3戦5発は割引が必要でしょう。プレミアリーグでは、ニューカッスル戦の1ゴール1アシスト以外に活躍を示す数字はありません。

昨季は9節までで7ゴール9アシスト。得点王とアシスト王のダブルを達成したストライカーは、リーグTOPの137本のシュートを記録していたのですが、今季の18本は24位という信じられないポジションです。クラブOBのテディ・シェリンガムさんが、「イブニングスタンダード」にて「移籍に失敗したしこりを残している」「副キャプテンとして手本になっていない」と非難しておりましたが、スパーズのスタッツをチェックしてみると、精神論で解決する問題ではないように見えます。

ヌーノ・エスピーリト・サント監督を迎えた新チームは、マウリシオ・ポチェッティーノの看板だったハイプレス、運動量、スプリント、直線的なアタックを完全に捨ててしまいました。9節までの走行距離901.4kmは、19位のウルヴスに19kmも引き離されるぶっちぎりの最下位。2人以上のプレス141回は19位で、下にいるのはウルヴスだけです。

1試合あたりのシュート数10.4本も19位。ドリブル成功11本は3位なのですが、こちらの1位はアダマ・トラオレを擁して14.8本を記録しているウルヴスです。指揮官の古巣と数字が似ているのは、カウンター依存のリアクションサッカーをそのまま持ってきたからではないでしょうか。ファイナルサードでのアクション比率は26%で17位。ポチェッティーノからモウリーニョ、ヌーノと2段階のギアが入り、チームの重心がだいぶ後ろにいってしまった感があります。

新たなスタイルのなかで、最も空回りしたのはデル・アリでしょう。開幕からの6試合は、アシストもチャンスクリエイトもキーパスもゼロ。ロンドン勢に3連敗した後は、出番を失っています。クリスタル・パレス戦で冴えなかったハリー・ウィンクスも、プレミアリーグ出場は61分に留まっており、カラバオカップのバーンリー戦ではベンチからも外されてしまいました。

パスをもらえなくなったエースは、中盤まで降りてボールに絡もうとする動きや、サードに張るシーンが増え、ゴールから遠ざかるという悪循環に陥っています。2ゴールをゲットしたECLプレーオフのパソス・デ・フェレイラ戦はポゼッション71%、ハットトリックのムラ戦は67%。前線に張れる展開になれば、DFとの駆け引きのうまさとシュート力でゴールを重ねることができます。

ホイビュルク、オリヴァー・スキップ、エンドンベレという守備力重視のメンバーを軸に据えて戦うヌーノ監督は、ハリー・ケインの得点力を活かすべく、チャンスボールを集めることができるでしょうか。週末のプレミアリーグは、ホームでマンチェスター・ユナイテッドとの不振対決。リヴァプールに0-5で負けたチームに対しては、引きすぎないほうがベターではないかと思うのですが…。


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“新生スパーズで苦しむハリー・ケイン、ゴール&アシスト激減の理由を探る。” への1件のコメント

  1. 30才 より:

    悲しいかなもはや前に行く術を失っているので、マンユナイテッドがポゼッションするゲームになるのではと
    ボカスカ失点しない、得点少ない、違和感のあるスパーズは10年来のファンとしては魅力がないですね。

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