3月MVPにハリー・ケイン&ラニエリ!データでわかった「レスター&スパーズが強い理由」
あらためてハリー・ケインのスタッツを眺めてみると、いや、プレミアリーグ首位のレスターと2位トッテナムの選手データを見ると、彼らの強さを物語る明快な数字に出くわします。まずは「エースが全試合先発」。ハリー・ケインとジェイミー・ヴァーディは、カップ戦こそお休みがあったものの、プレミアリーグではすべての試合のキックオフでセンターサークル付近に立っていました。昨季から頭角を現したハリー・ケインは、開幕からの6試合をノーゴールで過ごしたものの、マンチェスター・シティからシーズン最初のゴールを決めると、年末までの13試合で12ゴール。2016年が始まってからの13試合も10ゴールを挙げており、4試合以上連続して沈黙することなく、コンスタントに決めています。一方のヴァーディは、前半戦でプレミアリーグ新記録の11試合連続ゴールというレコードを叩き出しながら、最近8試合はアーセナル戦のPKのみとゴールを奪えなくなっています。得意のカウンターを警戒され始めたのが最大の理由だと思われますが、歓喜のシーンはないながらもチャンスメイクで貢献することは多く、試合を観ている方は、彼が深刻なスランプではないのはおわかりでしょう。
ルーニー、アグエロは戦列を離れる時間が長く、アーセナルのジルーは最近10試合ノーゴールと停滞。10試合連続で途中出場のベンテケは、2016年になってからはPKをひとつ蹴り込んだだけで、オリギは後半戦は5試合出場のみ、スタリッジはわずか2試合。アーセナルの失速、リヴァプールの足踏みはいずれも、ストライカー問題と無縁ではないでしょう。
そしてまた、エースのゴールをお膳立てする選手がシーズンを通じて元気だったことも、レスターとトッテナムの強さの要因です。マフレズの欠場は10月のノリッジ戦のみ。途中交代20試合と「今季プレミアリーグで最も代えられた男」岡崎慎司がピッチに顔を見せなかったのは2試合だけです。トッテナムのエリクセンは、開幕当初の3試合を負傷離脱した後は全試合出場。9月13日のプレミアリーグ第5節、サンダーランド戦で初めてスタメンで起用されたデル・アリは、その後はサスペンデッドのチェルシー戦以外の全試合で汗をかいており、2試合の途中起用を除いてすべてスタメンです。トッテナムの今季初勝利が5試合めと遅かったのは、ハリー・ケインの調子が上がらずエリクセンを欠いたゲームがあったからで、彼らが揃い、若手が活躍し始めると一気に波に乗りました。カソルラやウィルシャー、デブライネが長期離脱となったアーセナルとマンチェスター・シティが苦しみ、大量に負傷者を出したマンチェスター・ユナイテッドが4位確保もままならなくなるなか、選手層が厚いとはいえないレスターとトッテナムが上位を占めているのは、大事な選手を長期間失わなかったからです。
称賛されるべきは、監督のマネジメント力ではないでしょうか。スタメン固定派ながら、FAカップの週にヴァーディに手術をさせてプレミアリーグを欠場させず、1週間休暇や旅行などを適宜かまして選手をリフレッシュしてきたラニエリ監督。カップ戦でエースを休ませるなど、メリハリの効いたターンオーバーでヨーロッパリーグ、国内カップ、プレミアリーグをうまくこなしてきたポチェッティーノ監督。ウェストハム戦に勝っていれば、3月の最優秀監督に選ばれたのはスパーズの監督のほうだったかもしれません。「ハリー・ケインとラニエリさんが表彰されました」と聞くと、何のことはないアタリマエな着地とスルーしてしまいそうですが、あらためてさまざまなデータをみると、シーズン最終盤のこの表彰は、指揮官のたゆまぬ努力に対する奥が深いリスペクトではないかと気づかされます。あらためて、おふたりに心からの拍手を送らせていただくとともに、選ばれなかった両チームの中心選手たちとポチェッティーノ監督にも、よくやった!といわせていただきたいと思います。最後まで素晴らしい「駒落ちなき優勝争い」を見せてください。どうぞよろしくお願いいたします。
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おっしゃると通り両監督のコンディショニングに関するマネジメント力は素晴らしかったと思います。やはり、どこのリーグでもそうですがフィジカルも含め強いエースストライカーは優勝に必須ですね!レスター、スバーズとも攻撃するコンビがコンスタントに好調なことが、今の順位を物語っているかと思います。
ただし、レスターはカップ戦を、スパーズはヨーロッパリーグ戦をターンオーバーで勝ちにいかなかったことも事実かと思います。別の記事でありましたが、来期のレスターが今のメンバーをチームに留めるのはかなり難しいですよね。それを実現しつつチャンピオンリーグを戦うためには選手層をもう少し厚くする必要があるかと思います。これは正直かなり難しく、レスターのスカウティングのお手並み拝見したいですね。
一方、スパーズの来期は今のメンバーに前線等ピンポイント補強で済みそうで、本当に楽しみです。プレミア代表としてチャンピオンリーグでも勝ち抜いて欲しいです。やはり、ユースから育成組にピンポイント補強でのチーム作りが、今後のプレミアの各チームには必要かと思います。
ただし、近年、ディフェンダーはユースを含め世界的に人材不足で、この育成を成功させるとバルサのようなスーパーなチームが作れるのではないかと考えます。
ヤンガナ大好きさん>
おっしゃるとおり、来季に向けたレスターのチーム作りは難しそうですね。トッテナムは、主力にスペインやドイツから手が伸びなければ、来季は楽しみです。いちばん不安なのは、ポチェッティーノさんの評価がかなり上がりそうなことですね。若手が楽しみという点では、マンチェスター・ユナイテッドとチェルシーがどこまで育てられるかに注目しています。
makotoさん>>
コメントありがとうございます。確かにマンUのマルシアル、ラシュフォード、リンガードの最前線トリオやルークショー 、チェルシーのケネディ、トラオレ、ロフタスチーク、ババなど本当に有望な若手がいますよね!来季のチーム編成には是非とも彼らの成長を見込んでのポイント補強を望みます!