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レスターVSスパーズ⁉「プレイヤーが選ぶMVP」PFA最優秀選手と若手選手に各6人がノミネート

正式名称は「The Professional Footballers’ Association Players’ Player of the Year」。プレミアリーグのみならず、イングランド国内で活躍しているプレイヤーを対象に、プロフェッショナル・フットボーラーズ・アソシエーション(PFA)所属の選手たちの投票によって選ばれる名誉ある最優秀選手賞です。1974年に最初の受賞者、ノーマン・ハンターが選ばれたこの賞は、今年で43回め。直近5シーズンで獲得したのは、ガレス・ベイルが2回とルイス・スアレス、ファン・ペルシ、エデン・アザールと錚々たる顔ぶれです。2000年以降に受賞した12人のうち5人がレアル・マドリードかバルセロナに移籍しており、確率でいえば、昨季のアザールと今季受賞者のどちらかはスペインに戦いの場を移す可能性が高いということになります。

さて、PFA年間最優秀選手賞のノミネート選手、すなわち「マドリード&バルサ予備軍」の6人が昨日発表されました。レスターから3人、アーセナル、トッテナム、ウェストハムから1名ずつといえば、ディープなプレミアリーグファンは頭の中に全員の顔が浮かんでいるのではないでしょうか。

本命、対抗の順に名前を挙げてまいります。今シーズンのレスター躍進の立役者、プレミアリーグ21ゴールのジェイミー・ヴァーディ。いや、彼については、「プレミアリーグ11試合連続ゴールという新記録を達成した男」といったほうが、インパクトがあるでしょう。これに対抗するのは、ただいまプレミアリーグ得点王、22ゴールのハリー・ケイン。彼が素晴らしいのは、総シュート数104本、枠内66本とシュートにまつわる数字すべてでぶっちぎりのトップを走っているところです。アデバヨルがチームを離れ、ソン・フンミンとヌジエという地味めの補強しかしてなかったスパーズからハリー・ケインが長期離脱となっていたらと想像すると、背筋が凍ります。イングランド代表としてユーロでの活躍が期待される2人が、リーグ優勝、得点王、MVPのトリプルを争っているのが、今季のプレミアリーグなのであります。

彼らに続く3番人気以下の選手も、それぞれ捨てがたい個性派揃いです。プレミアリーグの年間アシスト記録20にあと2つと迫っているメスト・エジル。タックル成功数1位、インターセプト数2位という突出したボール奪取能力でレスターの守備を支えるエンゴロ・カンテ。16ゴール11アシストと、決める力も決めさせる技術も一流のドリブラー、リヤド・マフレズ。類まれなるパスセンス、ルーレットを駆使した美しいボールキープ、そしてFKのスペシャリストとしてウェストハムの上位進出の立役者となった「今季プレミアリーグ最大の発見」ディミトリ・パイェ。アーセナルの失速と自身のペースダウンがなければエジルの線もあったのでしょうが、やはり得点王レースのワンツーがより輝いてみえます。両者ともプレミアリーグ33試合フル出場の「無事是名馬」対決は、どちらに軍配が上がるのでしょうか。「レアル・マドリードが獲得を狙っている」といわれているレスターのストライカーのほうが、直接戦った選手たちにとってはより印象に残っているのではないかと思えるのですが、こればかりはまったく着地が読めません。

PFAの表彰には、23歳以下の選手に贈られる賞もあります。「The Professional Footballers’ Association Young Player of the Year」は、PFA年間最優秀若手選手賞という訳が適切でしょう。こちらの直近5シーズンは、ジャック・ウィルシャー、カイル・ウォーカー、ガレス・ベイル、エデン・アザール、ハリー・ケイン。過去にはジェラード、ルーニー、クリスティアーノ・ロナウド、セスク・ファブレガスも獲得しており、ワールドクラスへの登龍門のひとつです。2015-16シーズンのノミネートは6人。2年連続を狙う大本命ハリー・ケイン、8ゴール9アシストでスパーズ躍進のキーマンとなったデル・アリ、素晴らしいセービングを披露し続けたストークのGKジャック・バトランド、18ゴールを挙げたロメウ・ルカクと復活を遂げたロス・バークリーのエヴァートンコンビ。そして最後のひとりは、堂々としたプレイぶりに「まだ候補者だったんですね!」と驚かされるリヴァプールのエース、フィリペ・コウチーニョです。

「クラブの成績と個人表彰は一定切り離すべし」と考える私が投票できるなら、MVPはハリー・ケイン、若手は迷わずデル・アリです。この賞の最大の魅力は、職場の同僚とライバルからリスペクトされるところで、プレミアリーグで厳しい戦いを繰り広げる現場の目線で評価されることは、受賞者にとっては最高にうれしいでしょうね。授賞式は4月24日、ロンドンで開催されます。笑顔で壇上に立つのは、果たして…。

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“レスターVSスパーズ⁉「プレイヤーが選ぶMVP」PFA最優秀選手と若手選手に各6人がノミネート” への4件のフィードバック

  1. 爪楊枝 より:

    MVP候補は納得の顔触れですね。
    今の時点で私が選ぶなら、MVPヴァーディ、若手はデリ・アリです。
    ハリーケインは実力がフロックでないことを証明しましたが、序盤の不振が首位に立っていない遠因とも言えると思います。
    それに比べて、ヴァーディは11戦連続ゴールはもちろん、得点がない時期はチャンスメイクでチームを牽引し続けました。
    どちらも素晴らしいので微差ですが、今期の活躍で言えば、インパクト・継続性ともにヴァーディがふさわしいと思います。
    こうやってMVP予想をするのも、終盤の楽しみの一つですね。週末が待ち遠しいです!

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    スパーズファンなのでMVPはケイン、若手はアリ!
    と言いたい所ですが、MVPは多少はクラブの成績も加味されますし、インパクトという面でもマフレズを推します

  3. ルイス より:

    初コメです。 スパーズファンってわけではないんですけどケインが好きなんでぜひとってもらいたいです。
    インパクト的にはレスターの誰かだとは思いますけど、3人いるんで上手く票がバラけてくれないですかね笑。

  4. makoto より:

    爪楊枝さん>
    序盤のハリー・ケインはチャンスメイクはできており、むしろ彼をうまく使える状況になかったチーム全体の問題だったように思います。ヴァーディが獲るべし、という声についてはそれはそれで納得ですが。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    おお、冷静ですね。マフレズがいなければ、ヴァーディはあそこまで輝かなかったでしょうね。

    ルイスさん>
    なるほど。レスターの立役者で意見がわかれてハリー・ケインがさらう…という図式ですか。こちらのバトルも今季は混戦模様です。

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