ラニエリ戦術のキーマン!プレミアリーグ公式が「2015年夏の最高の新戦力」に岡崎慎司を指名
プレミアリーグ36試合出場、先発28試合ながらフル出場はわずか3試合。スティード・マルブランクが持つ途中交代26試合のプレミアリーグレコードにあと1試合と迫ったのは、決して不名誉ではなく、どの試合でもキックオフから全力でスプリントし続けた証です。エースのジェイミー・ヴァーディが24ゴール、リヤド・マフレズが17ゴール決めたチームでストライカーとして5ゴールは、満足のいく数字ではないでしょう。しかし、岡崎慎司の真骨頂は、泥くさいゴールばかりではありません。35節のスウォンジー戦では、73分の出場時間で86回という信じられない数のダッシュを繰り返し、イギリスメディア「デイリー・メイル」は「キング・オブ・スプリント」と称賛。プレミアリーグ公式サイトも「レスターにおいて、彼以上にスプリントする選手は少ない。ラニエリ監督のハイプレス戦術を機能させるキーマンだった」と激賞しています。以下に、「Best signings of summer 2015」としての評価コメントをいくつか抜粋して紹介しましょう。
「プレミアリーグを制したレスターにおいて、ジェイミー・ヴァーディやリヤド・マフレズ、そしてエンゴロ・カンテといった選手が高評価を受けている。しかし、ドイツから現れた岡崎慎司のいきなりの衝撃も見過ごせない。彼は5ゴールしか決められなかったが、そのゴールはいずれも貴重なタイミングだった。日本代表ストライカーは、ニューカッスル戦で1-0の勝利(筆者註:オーバーヘッドを決めたゲームですね)に大きく貢献し、3-2で勝ったエヴァートン戦でも決勝ゴールを挙げている。30歳の男は、36試合に出場して20回のチャンスを創り、素晴らしいデビューシーズンを過ごした」
「the sudden impact of Shinji Okazaki」という表現に、プレミアリーグ開幕前の彼はさほど期待されていなかったことと、ゴールを量産せずともそのプレイぶりが印象的だったことが込められています。ウェストハムで9ゴール12アシスト、リーグTOPとなる289本のクロスを上げたディミトリ・パイェや、こちらもプレミアリーグ1位のタックル数175回を記録したエンゴロ・カンテがいるなか、数字よりもインパクトでプレミアリーグ公式のトップページを飾った岡崎慎司は、イングランド人が熱狂するプレイスタイルなのだなとあらためて感じました。スペインでは、この評価はもらえないでしょう。開幕前には、「マインツに残ったほうがよかったのではないか」「ピアソン監督からラニエリ監督へのバトンタッチは、岡崎にとってマイナスなのではないか」といった懸念の声もありましたが、いい国、いいチームを掘り当てた最高の移籍だったと思います。
さて、来季はいよいよチャンピオンズリーグです。岡崎慎司がゴールを決めれば、日本人選手としては、2013-14シーズンにバイエルン・ミュンヘン相手にPKで一矢を報いたCSKAモスクワ時代の本田圭佑以来でしょうか。プレミアリーグ優勝でポッド1に入り、バイエルンやバルセロナ、ユヴェントス、パリ・サンジェルマンとグループステージでぶつかる可能性がなくなったレスターは、今季のクオリティをキープできれば相当やれるのではないかと思います。岡崎慎司の新シーズンにおける最初の戦いは、おそらく獲得するであろう新しいストライカーとのレギュラー争いとなると思われますが、チャンピオンズリーグではスプリントだけでなくゴールを決めていただいて、欧州最高峰の大会の歴史に名前を残していただければと期待しています。
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私はチームのために懸命に走る選手が特に好きなのでこうして評価されるのは非常にうれしいです。
レスターもCLにむけて、着々と移籍戦略を練っているでしょうが、メディアから挙がってくる名前はムサやエンゾンジとレスターらしい選手でぶれていないところは関心です。
岡崎慎司については、昨シーズン以上に日程もきつくレギュラー争いもあるでしょうが、さらなる飛躍を期待します。
これは素晴らしいですね。レスターの試合が手に汗握るのは、岡崎を代表とする全力スプリントが強烈なエネルギーを発しているからでしょう。湯浅健二氏の言葉を借りれば、攻守の真の目的を達するために行うハードワークへの意思の炸裂! 来シーズンの更なる活躍を期待しています。
yutoさん>
来季、試合数が増えると岡崎の役割はますます重要になりそうですね。補強に関しては、ウォルシュさんの目利きなのでしょう。
だしまるさん>
そうですね。あれだけラインを下げてカウンターを仕掛けるチームなのに退屈ではないのは、上下動を厭わない選手たちが前からしっかり追いかけ、ときにそこからショートカウンターが発動するからだと思います。