どこかで必ず勝ってくれ!苦境のヤヤ・トゥレとシュヴァインシュタイガーに贈るエール!
ドイツ代表を引退したばかりのシュヴァインシュタイガーは、17年所属したバイエルン・ミュンヘンで黄金時代を築いた後、2015年7月にマンチェスター・ユナイテッドに入団。ファン・ハール監督をはじめ、OBやサポーターからも経験に裏打ちされた的確なプレイを期待された31歳のベテランは、初年度はケガにも見舞われプレミアリーグ18試合1ゴールに終わり、安全第一で消極的なチームの象徴ともいわれました。5ヵ月を棒に振った負傷が癒えてユーロ2016に参加し、プレミアリーグ2年めの今季に賭けていたバスティを待っていたのは、新指揮官ジョゼ・モウリーニョからの戦力外通告でした。
「彼はクラブと契約を結んでいるのだから、ここに残る権利がある。自分に最もふさわしいと思える決断ができる立場だともいえる。しかし、彼がここで試合に出場するのは、不可能とまではいわないが、かなり難しそうだ。私には、2つのポストを勝ち取るためにポジション争いをしている5人の選手がいる」(ジョゼ・モウリーニョ)
モウリーニョ監督の扱いは冷酷だ、選手への敬意がないと非難を浴びましたが、クロップとバロテッリ、ペップとジョー・ハート、ポチェッティーノとファシオの間にあったことが、ここでも起こっているだけです。マンチェスター・ユナイテッドがとりわけ騒がれたのは、戦力外となった選手が世界王者のキャプテンであり、古巣バイエルンから批判的なコメントが出たのも大きかったのではないでしょうか。欧州での出場機会が閉ざされたセントラルMFは、プレミアリーグの25人には登録されたものの、ポグバ、フェライニ、キャリック、エレーラ、シュナイデルランがいるチームで、試合に出られるチャンスは限りなく少なそうです。「ここが欧州で最後のクラブ」とプレミアリーグに残ることを決めたバスティは、日々の練習で指揮官を振り向かせなければなりません。
33歳のヤヤ・トゥレは、バルセロナで活躍した後、2010年に中堅クラブだったマンチェスター・シティに入団。チームを初のチャンピオンズリーグ出場に導き、直近5年のプレミアリーグで優勝2回、2位2回というトップクラブに育てた功労者です。圧巻だったのは2013-14シーズン。スアレスとスタリッジ、すなわちSASを擁して優勝に迫ったリヴァプールを最後にひっくり返したマン・シティの逆転劇では、MFながらシーズン20ゴールを挙げたヤヤ・トゥレが主役でした。
30歳を過ぎてからは、「守備をしない」「走らない」などと非難されることが増えましたが、昨シーズンもプレミアリーグ32試合6ゴールとレギュラーを張っており、どこで打ってくるかわからない驚愕のシュートや正確な直接FKは、今でも武器になるでしょう。それでもペップが彼を使わないのは、守備の不安だけでなく、オフ・ザ・ボールの動きに不満があるからだと思われます。チャンピオンズリーグ予選プレーオフしか未だ出番がないセントラルMFは、ギュンドアンがプレミアリーグデビューを果たせば、ますます厳しい状況に追い込まれそうです。
昨季のプレミアリーグでは、中盤が戦力不足に陥ったアーセナルでフラミニが輝き、CBに負傷者が続出したリヴァプールでは、コロ・トゥレが穴を埋めました。長いシーズン、ベテランの力が必要とされるときがきっと来るはずです。プレミアリーグのスタッツが記録されるサイトにおいては、ヤヤとバスティの出場試合の欄に2ケタの数字はつかないでしょう。しかしそれでも、「あの大事な試合は、彼がいたから助かった」といわれる1試合を残してほしい。2015年9月、ノースロンドンダービーとなったキャピタルワンカップ3回戦で2ゴールを決めて勝利の立役者となったフラミニや、ヨーロッパリーグ準決勝でビジャレアルを3-0で完封したゲームにフル出場し、障害者のサポーターが喜ぶ姿に涙を流したコロ・トゥレのように。プレミアリーグ、いや、欧州のトップクラブでプレイする最後の年になるであろうヤヤ・トゥレとシュヴァインシュタイガーに、エールを送りたいと思います。どこかで必ず、勝ってくれ、と。
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更新お疲れ様です。
昨年レッズにコロ・トゥレがいなかったらどうなっていたでしょうか。
想像しただけでもぞっとします。
ヤヤがペップの構想外になることはバルセロナ時代からも予想できましたが、バスティはちょっと意外でしたね。
私はフェライニが構想外になると思ったのですが全くの逆でした。
しかしバスティはバイエルン時代から好きな選手だったのでもう一花咲かせてほしいです。
レッズではルーカスが残留してくれたことはかなり大きいと思っています。
コンスタントな出場よりもレッズを選んでくれたことにとても感謝していますし、必ずルーカスがいてくれてよかったという試合は来ると思います。
若手だけでなくベテラン選手にも注目ですよね。
フットボーラーがチームを移籍したり引退する際には色々なパターンがあります。怪我や病気、監督の交代、地元への恩返しのため、選手として下り坂に入ったため。
どれも正しいのだと思います。
ただ、シュバインシュタイガーの代表引退試合を観ていて思ったのは「ああ、ファンはまだ、彼に走り続けて欲しいのだろうな」ということです。
個人的な話ですが、僕の幼年時代からのヒーローは、中山雅史ただ一人です。
彼のジュビロからの移籍とコンサドーレの引退は、実に未練タラタラで美しくなく、だからこそ誰よりも格好良く涙が止まりませんでした。
そして、また選手として帰ってくるとなったときは、笑いが止まりませんでした。
シュバインシュタイガーが、どこを着地点とするかは分かりません。
ただ、どんな決断をしても、ファンは共に悲しみ、共に歓喜してくれるのではないでしょうか。
そんな選手は、それほど多くはいません。
がんばれシュバイニー。
お久しぶりです。
ヤヤについてはある程度予想通りでしたが、まさかシュヴァインシュタイガーとは……
なんとなくなんですが、ジョゼ氏はシュヴァインシュタイガーみたいな選手は大好きなタイプだと思っていたのですけどね(好き嫌いで選手を区別しないというのは彼の取り柄でもあるわけですが)。
それにしても予想外すぎたので、ひょっとしたらジョゼ氏はシュヴァインシュタイガーにレアルマドリーでのファン・デルファールト、ベッカムなどと同じような現象を期待しているのでは……という勘繰りをしてしまいます。
もしここからシュヴァインシュタイガーが大奮起して、チームメイトからも「あいつを使ってやってくれ」と言われるようなことになれば、しめたものですし……ジョゼ氏ならやりかねない気がしますが、いかがでしょう。笑
いずれにせよ、両選手には頑張ってもらいたいですね。ペップはよくわかりませんが、ジョゼは案外真面目に頑張ってる選手には手を差し伸べる人なので、チャンスはあると思います。
選手を思った熱い内容ですね。得てして優勝するチームはベテランが良いところで仕事をする印象です
こういう記事を読むと、ブログの可能性を感じてこみあげてくるものがあります。勝った負けたの分析や内情、戦力や数字の話も好きですが、「人」が「人」としてフォーカスされエールを送られる。この視点こそが、このブログの大きな魅力です。今後もあれこれ書き続けてもらえるとうれしいです。
nyonsukeさん>
私も、フェライニが危ないと思ってましたが、彼は高さと強さがあるので、わかりやすい武器を好むモウリーニョさんがそちらを選んだということでしょう。レッズは、ここぞというときにコロ・トゥレとルーカスが体を張ってくれましたよね。今季、バスティのマンチェスター・ユナイテッドにおけるベストプレイを観られればと思います。
ひろとさん>
彼の経験が活きるときが必ず来ると信じてます。それがCLだったら最高だったのですが。
プレミアリーグ大好き!さん>
意図的になっているのだったら、なんとまあ、人が悪い(笑)。結果論でも、おっしゃるとおりになったら感動モノです。
ガナユさん>
そうですよね。モウリーニョさんの下で復活したテリーもまた。
ワルテルFCさん>
ありがとうございます。彼らのスゴイプレイを観られたら、心が震えます。今後も、いろいろな選手に対する思いやエピソードを書いてまいりますので、ぜひお読みください。