スタッフとの確執?クラブ重視?実は負傷…?イングランド代表を辞退したベン・ホワイトの謎。
「People think I don’t like football, but I love playing」。3週間ほど前、「テレグラフ」の見出しに触れた瞬間、「何それ?」と思いました。話の主役はベン・ホワイト。「子どもの頃から、フットボールは観るのは好きじゃなかった」と公言する珍しいフットボーラーです。インタビューしたのはサム・ディーン記者。「観るのは嫌いといったけど、やるのは好き」というSBの勝利へのこだわりを伝えています。
「やるなら、とことん勝ちたい。妻と家でよくゲームをするんだけど、勝たせるつもりはない。若い頃から、常に勝ちたいと思っていた。アグレッシブにプレイし、勝つためにできる限りのことをしてきた」
昨年の5月に結婚したミリー・アダムズさんと勝負するのは、ウノやバット・アンド・ボールで、後者はいわゆるホームラン競争みたいなヤツです。アーセナルでビルドアップの精度を高めているDFは、負けが込み始めると「ボールを奪われた」というそうで、「ボケるときはフットボールネタなんだ…」と興味は尽きません。
「フットボールを観ない」が、「フットボールは嫌い」に変換され、そんなことはいってないけどと否定したという他愛もないお話なのですが、このたびさらに、彼の振る舞いがメディアの見出しになっています。「ベン・ホワイト、イングランド代表を辞退」。間の悪いことに、アーセナルの公式サイトで契約延長を伝える動画が配信された日です。
現地メディアは即座に反応。「ベン・ホワイトの謎」と打ち出し、ガレス・サウスゲート監督の招集を断った理由を探しています。「カタールでイングランド代表のアシスタントマネージャーのスティーヴ・ホランドに叱責され、関係が悪化している」「実は負傷している」「アーセナルに集中したいと考えている」…いずれも憶測で、本人は沈黙を貫いています。
スリーライオンズの指揮官が、この件を公表したのは、アレクサンダー=アーノルド、リース・ジェームス、キーラン・トリッピアーが負傷していたからでしょう。記者は当然、アーセナルのフルバックは呼ばないのかと問うてきます。言葉を濁すと、「ホランドとの確執」と書かれてしまい、本人にとってもマイナスとジャッジしたのではないかと思われます。
さまざまな噂が飛び交うなかで、最も説得力があるのは、「負傷を隠している」という説です。「リアル・ベン・ホワイトを理解しよう」と題した記事をリリースした「アスレティック」のジェームズ・マクニコラス記者とデヴィッド・オーンスタイン記者は、あまりにもタフなSBに関するいくつかのエピソードを紹介しています。
「アーセナルは、開幕戦でSBのユリアン・ティンバーを前十字靱帯損傷で失った。それは、ホワイトが予想以上にフットボールをしなければならなかったことを意味する。シーズンの大部分で膝の問題を抱えていたにもかかわらず、3月中旬までに全公式戦で3000分以上の出場時間を記録している」
2022年のニューカッスル戦で、ハムストリングに重傷を負いながら先発した彼を見たホールディングは、「メンタルモンスター」と評したとのこと。アルテタ監督は、「彼は毎日、チャンピオンズリーグの決勝でプレイしているかのようにトレーニングしている」といっており、ウーデゴーアは「チームのことを最も気にかけているひとり」と表現しています。
「フットボール・インタビューにおけるスタンダードなスクリプトに従おうとしない」。リアル・ベン・ホワイトに関する2人の記者の言葉に触れると、「代表チームで地位を失うより、ケガを秘密にしておくほうを選んだ可能性が高い」というアーセナル関係者の見方が当たっているのではないかと思えてきます。
プレイできないほどの負傷ではない。このぐらいなら、何度も乗り越えてきた。だから負傷が理由で辞退とはいいたくない。しかし、無理して試合に出るのはあまりにもリスキー…。
ここは素直に、「フットボールを観ないから、代表に対して憧れがなく、ゆえに国のために戦う姿勢がない」といった論理の飛躍を排除し、彼が選んだ沈黙に従いましょう。チームへのロイヤリティと責任感が高く、やるからには絶対勝ちたいと獰猛に戦う男が辞退するということは、それなりの理由があるのでしょう。ただしこれだけは、メディアのいうとおりです。
「Declaring himself unavailable for England duty has only added to the enigma of Ben White」(イングランド代表への欠場を表明したことで、ベン・ホワイトの謎は深まっている/アスレティック)
「 the mystery as to why the defender refuses to play for his country deepens further」(ディフェンダーがなぜ母国でのプレイを拒むのか、その謎はさらに深まった/テレグラフ)
「やるなら、とことん勝ちたい。妻と家でよくゲームをするんだけど、勝たせるつもりはない。若い頃から、常に勝ちたいと思っていた。アグレッシブにプレイし、勝つためにできる限りのことをしてきた」
昨年の5月に結婚したミリー・アダムズさんと勝負するのは、ウノやバット・アンド・ボールで、後者はいわゆるホームラン競争みたいなヤツです。アーセナルでビルドアップの精度を高めているDFは、負けが込み始めると「ボールを奪われた」というそうで、「ボケるときはフットボールネタなんだ…」と興味は尽きません。
「フットボールを観ない」が、「フットボールは嫌い」に変換され、そんなことはいってないけどと否定したという他愛もないお話なのですが、このたびさらに、彼の振る舞いがメディアの見出しになっています。「ベン・ホワイト、イングランド代表を辞退」。間の悪いことに、アーセナルの公式サイトで契約延長を伝える動画が配信された日です。
現地メディアは即座に反応。「ベン・ホワイトの謎」と打ち出し、ガレス・サウスゲート監督の招集を断った理由を探しています。「カタールでイングランド代表のアシスタントマネージャーのスティーヴ・ホランドに叱責され、関係が悪化している」「実は負傷している」「アーセナルに集中したいと考えている」…いずれも憶測で、本人は沈黙を貫いています。
スリーライオンズの指揮官が、この件を公表したのは、アレクサンダー=アーノルド、リース・ジェームス、キーラン・トリッピアーが負傷していたからでしょう。記者は当然、アーセナルのフルバックは呼ばないのかと問うてきます。言葉を濁すと、「ホランドとの確執」と書かれてしまい、本人にとってもマイナスとジャッジしたのではないかと思われます。
さまざまな噂が飛び交うなかで、最も説得力があるのは、「負傷を隠している」という説です。「リアル・ベン・ホワイトを理解しよう」と題した記事をリリースした「アスレティック」のジェームズ・マクニコラス記者とデヴィッド・オーンスタイン記者は、あまりにもタフなSBに関するいくつかのエピソードを紹介しています。
「アーセナルは、開幕戦でSBのユリアン・ティンバーを前十字靱帯損傷で失った。それは、ホワイトが予想以上にフットボールをしなければならなかったことを意味する。シーズンの大部分で膝の問題を抱えていたにもかかわらず、3月中旬までに全公式戦で3000分以上の出場時間を記録している」
2022年のニューカッスル戦で、ハムストリングに重傷を負いながら先発した彼を見たホールディングは、「メンタルモンスター」と評したとのこと。アルテタ監督は、「彼は毎日、チャンピオンズリーグの決勝でプレイしているかのようにトレーニングしている」といっており、ウーデゴーアは「チームのことを最も気にかけているひとり」と表現しています。
「フットボール・インタビューにおけるスタンダードなスクリプトに従おうとしない」。リアル・ベン・ホワイトに関する2人の記者の言葉に触れると、「代表チームで地位を失うより、ケガを秘密にしておくほうを選んだ可能性が高い」というアーセナル関係者の見方が当たっているのではないかと思えてきます。
プレイできないほどの負傷ではない。このぐらいなら、何度も乗り越えてきた。だから負傷が理由で辞退とはいいたくない。しかし、無理して試合に出るのはあまりにもリスキー…。
ここは素直に、「フットボールを観ないから、代表に対して憧れがなく、ゆえに国のために戦う姿勢がない」といった論理の飛躍を排除し、彼が選んだ沈黙に従いましょう。チームへのロイヤリティと責任感が高く、やるからには絶対勝ちたいと獰猛に戦う男が辞退するということは、それなりの理由があるのでしょう。ただしこれだけは、メディアのいうとおりです。
「Declaring himself unavailable for England duty has only added to the enigma of Ben White」(イングランド代表への欠場を表明したことで、ベン・ホワイトの謎は深まっている/アスレティック)
「 the mystery as to why the defender refuses to play for his country deepens further」(ディフェンダーがなぜ母国でのプレイを拒むのか、その謎はさらに深まった/テレグラフ)
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
コメントを残す