71試合連続出場がついにストップ!「休まなかったストライカー」ハリー・ケインの足跡を振り返る。
2015-16シーズンは、まさしくハリー・ケインの年でした。トッテナムを3位に押し上げたエースストライカーの完璧に近いスタッツを振り返ってみましょう。25ゴールを挙げて得点王に輝いたのはご存じのとおり。プレミアリーグ38試合をすべて先発出場、80分より前に交代となったのは2節のストーク戦のみ。3368分という総出場時間は9位ですが、彼の上にいるのはGKやDFばかりです。毎試合ピッチにいながら、ポチェッティーノ監督の「走るサッカー」を裏切ることなく、走行距離は396.8km。1試合平均に直すと10.4kmで、こちらはプレミアリーグ6位。TOP5は守備的MF4人とDFひとりで、TOP20まで見渡してもストライカーの名前はひとつだけです。
シュート数158は、2位のアグエロを39本も引き離してぶっちぎりトップ。毎試合4回はサポーターに期待感を抱かせていた計算となります。数多くのシュートを放ち、ゴールを量産した一方で、「Hit Woodwork」すなわちポストやバー直撃が7本あり、ルカクと並んでこれも1位。「Big Chances Missed」は、ジェイミー・ヴァーディの22回に次ぐ18回です。これら「チャンスを逃した記録」も、多くの試合に出て前線で優位に立っていたからこそ残せたもので、むしろ勲章でしょう。ポチェッティーノ監が10番を休ませると決めたときは、ヌジエ、オノマー、ソン・フンミンなどプレミアリーグにフィットしていない選手を起用するか、ラメラやシャドリをまわすしかありませんでした。これぞ絶対的エース。アーセナルと最後まで2位を争っていたクラブとしては、エースを外して戦うことは考えられなかったはずです。
一部イギリスメディアや日本のマスコミは、負傷したという結果から「使い過ぎ」というニュアンスの記事をリリースしていますが、もし負傷と疲労に因果関係があるならば、「休まな過ぎ」のほうが適切な表現なのではないでしょうか。ユーロ2016の煽りで短期間しかバカンスを愉しめなかったハリー・ケインは、今季のスタートは明らかにコンディション不良でした。シュート数はイブラヒモヴィッチの半分にも満たない12本で22位に留まり、今までならダイレクトで打っていたシーンでトラップするなど、体のキレを欠いていました。ポチェッティーノ監督は、もちろん承知だったのだと思います。チャンピオンズリーグに備えて、4節のストーク戦では今季初ゴールを決めた直後の73分にフィンセント・ヤンセンにスイッチ。昨季は1回しかなかった80分手前の交代でピッチを去ったエースは、CLのモナコ戦で結果を出すことができず、それでも負傷したサンダーランド戦では今季2発めを決めてチームの勝利に貢献しました。
10月2日、ホームでマンチェスター・シティ。最終週にはEFLカップでリヴァプール。11月6日にはエミレーツでノースロンドンダービー。いくつかの大事な試合をエース抜きで戦うことになりそうなスパーズですが、エールディヴィジ得点王という看板を掲げて夏にやってきたフィンセント・ヤンセンと、好調なソン・フンミンがいる今季は、10番がいない季節をうまくやり過ごせるのではないでしょうか。素晴らしい数字を残して2015-16シーズンの顔となったストライカーの早期復帰を祈るとともに、トッテナムがどんな戦い方で強豪クラブに挑むのかに注目しましょう。フィンセント・ヤンセンにとっては、最初のチャンスです。
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更新お疲れ様です。
ケインが出ずっぱりなのは分かってたけど、数字を見ると改めてすごいですね。
エースの離脱は痛いですが、長めの休暇と思ってフレッシュな状態で戻ってきてくれればと思います。
そして、ヤンセンにはかなり期待してます。
ここまでのチャンスの外し方には若干のソルダード臭を感じますが、決してサボらないチェイシングや、ポストプレーは好印象です。
彼にボールが収まることで二列目の選手が前を向く機会が増えますし、個人の得点力ではケインに敵わなくてもチーム力はそこまで落ちないんではないかと思ってます。
ユーロからコンディションが悪そうでしたしリフレッシュの意味で本人にとってもチームとしてもマイナスではないのかと思います。
ケインは今後もイングランドを代表するストライカーとしての活躍を期待しているので復帰したときには再び爆発することを期待します。
noriさん>
消える時間が少ないストライカーですよね。私もヤンセンに期待してます。今季はソン・フンミンもよさそうですね。
yutoさん>
何とかCLを踏ん張っていただいて、年明けにベストのハリー・ケインを欧州で見たいです。