イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

アモリムの新戦術で「ギョケレス不要のエース」になれるのか?ホイルンドがシュートを打てない理由。

「ルーベン・アモリムが、スポルティングCPでともに戦ったヴィクトル・ギョケレスを引き入れようとしている」。記事のネタが枯れるインターナショナルブレイクならではのゴシップだと思われますが、実現したら盛り上がる話です。プレミアリーグ2023-24シーズンはTOP10で最少の57ゴール、今季の12ゴールは16位。マンチェスター・ユナイテッドの最大の課題は得点力です。

スポルティングCPのエースのスタッツをあらためてチェックしてみると、昨季公式戦は50試合43ゴール15アシスト、今季も18試合23ゴール4アシストと無双状態。彼が最前線に入ればファインゴール連発…と夢を見てしまいそうですが、ふと冷静になってみると、こんな疑問が湧いてきます。「ホイルンドが空回りしている今のマン・ユナイテッドで、そんなに決められるのか?」。

昨年の夏、アタランタから移籍した21歳のデンマーク代表FWにぴったりの言葉は「孤立」でしょう。ハムストリングを痛めて出遅れたとはいえ、プレミアリーグ出場7試合、先発5試合で1ゴールのみ。シュートはわずか5本で、オンターゲットはブレントフォード戦のゴールシーンだけです。彼の孤立がいかに深刻かを示す数字を、いくつか挙げてみましょう。

「Opta」によると、ホイルンドのボックス内でのタッチ数とシュート数は、プレミアリーグのストライカーとして最低レベルです。2023-24シーズンの開幕以降、10ゴール以上決めた選手の数字を見ると、90分あたりのタッチ数4.1とシュート1.5本はいずれも最下位。リーグTOPのサラーのタッチ数は9回を超えており、ハーランドのシュートは4.5本と別世界です。

マンチェスター・ユナイテッドで出場した55試合のうち、18試合はシュートゼロで、ボックス内で2回触れなかった試合が21もあります。昨季プレミアリーグの30試合でシュート38本がいかに少ないかをご理解いただくために、「先発24試合のカゼミーロと18試合のマクトミネイより下」と添えておきましょう。

ホイルンドはなぜ、空転しがちなのでしょうか。最大の理由は、クロスの少なさでしょう。2023-24シーズンの594本は15位、今季の182本は13位。この2シーズンでクロスからのゴールが彼らより少ないのは、エヴァートンのみです。プレミアリーグで決めた11ゴールはすべてボックス内で、過半はPKスポットの内側というワンタッチゴーラーにとっては厳しい数字です。

2つめは、サイドでキープした際にゴール前の人数が足りないこと。ホイルンドにスペースを与えるランや、DFの注意を分散させる動きが少ないため、ニアへの入り込みを読まれてしまうシーンが目立っています。マン・ユナイテッドのシュートのエリア比率を見ると、ゴールエリアの8%とボックス内の52%は18位で、ボックスの外からの40%はリーグTOPとなっています。

最終ラインとの駆け引きやフィジカルなど彼自身の問題もあれど、攻撃の流動性や中央の厚み、サイドの連携が向上すれば、シュート数は飛躍的に増えるはずです。ホイルンドが叩き出したポジティブなスタッツも紹介しましょう。入団以来のショットコンバージョン(ゴール率)25.6%は同時期の全体の4位。ハーランドやサラーを上回り、ギョケレスの27.6%に迫る数字です。

時に6-1-3にも見えるアモリムの3-4-2-1は、サイドに人数を寄せやすく、クロスやラストパスのクオリティが改善される可能性が高そうです。ホイルンドは、ギョケレスなど不要といわれるようなストライカーになれるでしょうか。多少、時間がかかるかもしれません。2025年の巻き返しに期待しましょう。


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す