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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

リヴァプール戦は完全に沈黙。ハーランドはなぜ、プレミアリーグでペースダウンしてしまったのか?

プレミアリーグ13節、アンフィールドの決戦は、絶好調のリヴァプールが不振のマンチェスター・シティに2-0で完勝。11勝1分1敗としたリヴァプールは、アーセナルとチェルシーに9ポイント差で首位を快走しています。プレミアリーグ創設以来、13節終了時点の2位との最大差は、1993-94シーズンのマンチェスター・ユナイテッドの11ポイント。アルネ・スロットのリードは、これに次ぐ数字です。

リーグ4連敗と泥沼にはまり、5位に転落したペップのチームは、2失点で終えられた幸運をかみしめるべきなのかもしれません。ファン・ダイクにフリーのヘッダーを3回も許し、アーノルドのミドルがポストに弾かれるのを見届けたアウェイチームは、オルテガとの1対1を外したサラーとガクポにも助けられています。

「アスレティック」のジェームズ・ピアース記者によると、両者のxG(ゴール期待値)は3.43対0.83だったそうです。2023年3月に、リヴァプールがマンチェスター・ユナイテッドを7-0で打ち砕いたときは2.78対0.82。最終ラインで15回もボールをロストしたチームは、ペップ就任以来の最多失点記録を更新してもおかしくない状況でした。

「テレグラフ」のクリス・バスコム記者の採点も、「BBC」のファン投票も、カイル・ウォーカーとアーリング・ハーランドに厳しいスコアが与えられています。先制ゴールのシーンで、サラーのクロスに走り込んだガクポを見失った右SBは、後半にPKを献上した際も大きなタッチをルイス・ディアスにさらわれてしまいました

ロバートソンの攻め上がりにもうまく対応できておらず、低評価もやむなしでしょう。しかし私がより気になったのは、完封されたストライカーのほうです。ハーランドのタッチはわずか16回で、パス成功は6本のみ。そのうち4本はハーフライン付近で、リコ・ルイスにミドルを打たせた39分のポストプレー以外に、攻撃に貢献したといえるプレイはありません。

唯一のシュートは60分。ジェレミー・ドクのグラウンダーをカットしたガクポから奪い、強引に打った一撃は、コースに入っていたファン・ダイクにブロックされました。デュエルは2戦2敗。守備でボールに関与したのは1回だけで、完全に消されたといっても大げさではないでしょう。プレミアリーグ5節までで10ゴール、しかしロドリ離脱後の8試合は2ゴールに留まっています。

ゴールが激減したと騒がれないのは、チャンピオンズリーグでは5戦5発と結果を出しているからでしょう。リヴァプール戦はファン・ダイクに封じられたものの、その前の5試合で30本とシュートは打てています。決定率が下がったのは、彼のためのスペースを創る動きが少なく、厳しい体勢でのフィニッシュを強いられているからです。

開幕からのハーランド無双で、5戦13発と通常運転に見えたマンチェスター・シティは、エース依存症という潜在的なリスクを抱えていたのだと思われます。彼がペースダウンしてからは、8試合で9ゴール。昨季プレミアリーグで96ゴールだったチームは、13節までで22ゴールしか決めておらず、このままいくと最終着地は64ゴールとなります。

フォーデンの19ゴールとフリアン・アルバレスの11ゴールがごっそり消えたとすると、計算は合うのですが…。リーグで未だノーゴールのフォーデン、グリーリッシュ、ベルナルド・シウヴァ、サヴィーニョが脅威にならなければ、エースに対する厳しいチェックを振り切れないでしょう。ハーランドのペースを再び上げるためにも、ウインガーの覚醒が求められています。


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