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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

マン・シティ戦の勝利の立役者、ライアン・フラーフェンベルフの躍進につながった3つの幸運。

公式戦18勝1分1敗、プレミアリーグは11勝1分1敗、チャンピオンズリーグは開幕5連勝。レヴァークーゼン、レアル・マドリード、マンチェスター・シティと、欧州主要リーグの王者をすべてクリーンシートで撃破したリヴァプールは、今や世界最強といえるでしょう。開幕当初は不安視されていたスロットのチームは、昨シーズンのクロップより攻守のバランスに長けています

「リヴァプールに欠かせない選手は?」と問われたら、まず挙がるのはモー・サラーとヴィルジル・ファン・ダイク。その次は、アリソンとアーノルドでしょう。最近の素晴らしい勝利を見ると、このなかにライアン・フラーフェンベルフを加えたくなります。マン・シティ戦の完勝は、彼なしでは実現できなかったのではないでしょうか。

日曜日のゲームを採点した「テレグラフ」のクリス・バスコム記者は、サラー、ファン・ダイク、ルイス・ディアスとともに、フラーフェンベルフも「9」としています。「最初の30分は、フラーフェンベルフが5人いたように見えた。ボールを奪取し、前にパスを出す力はグアルディオラをうならせたはずだ」。フォーデンの沈黙は、彼の手柄のひとつです。

序盤戦は多かった遠藤航を推す声は、聞こえてこなくなりました。今季プレミアリーグにおけるMFのスタッツを見ると、パス成功695本はコヴァチッチに次ぐ2位。インターセプト24回は、TOPのレミナに1本差で、デュエル成功率64.7%も2位となっています。ドリブルでの攻め上がりと前線を動かす高速パスは、遠藤航は真似できないでしょう。

プレミアリーグとチャンピオンズリーグで全試合フル出場は、彼とファン・ダイクのみ。昨年の夏にバイエルンから移籍し、最初の1年はレギュラーとはいえなかった22歳のアンカーは、ロドリやデクラン・ライスのような存在になりつつあります。現状のハイパフォーマンスは実力があってこそですが、これほど早く駆け上がるためには、3つの幸運も必要だったはずです。

ひとつめは、クロップからスロットへのバトンタッチ。2つめは、ユーロ2024のオランダ代表で出場機会を得られず、疲れを残さなかったことです。3つめは、レアル・ソシエダのマルティン・ズビメンディの移籍が土壇場で破談になったこと。このうちのどれかが欠けていれば、ベンチで自らの出番をイメージする時間が増えていたのでないでしょうか。

マン・シティ戦の運動量は天晴れで、92分のドリブル突破は4人がかりで止めにいかなければなりませんでした。スビメンディの移籍金は5100万ポンド、フラーフェンベルフは3500万ポンド。数年後、あの補強はバーゲン価格だったといわれるようになるかもしれません。斜め後ろにいるコーチングの達人に支えられ、着実に成長を遂げてきたヤングスターの今後に注目しましょう。


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