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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ブラボのセービングはプレミアリーグ最悪!? 絶不調GKをどうするのか、ペップの采配に注目!

ボクシングデーの前には、ロリス・カリウスの不安定なセービングが話題になっておりましたが、ここ1週間は、クラウディオ・ブラボの話題でもちきりです。トム・デイヴィス、ルックマンと2人の10代の選手にゴールを許したエヴァートン戦の4-0大敗がショッキングであったこと、プレミアリーグの公式データサプライヤー「Opta」がわかりやすいデータを出したことが、バルサからやってきたGKを追い込んだのでしょう。「デイリー・ミラー」は、「Horrendous stat proves Man City’s Claudio Bravo is currently the worst goalkeeper in the ENTIRE Premier League(ゾッとするスタッツが、マン・シティのクラウディオ・ブラボがプレミアリーグ全体で最悪のゴールキーパーであることを示している)」と題された記事で、枠内シュートのセーブ数に関するデータを紹介。ブラボは、最近のゲームで受けた22本の枠内シュートのうち8本しか止めておらず、ブービーのボルツ、リー・グラント、フォースターらに3差をつける明らかな最下位となっています。

最も多くのシュートをストップしているのは、バルセロナでブラボの前任だったヴィクトル・バルデス。ひと足先にプレミアリーグに慣れたミドルズブラのGKは、直近22本のうち19本をセーブしています。2位がデ・ヘアとランドルフの18本。絶好調のトム・ヒートンと首位チームのクルトワが17本、プレミアリーグ最少失点チームを支えるロリスは16本、ノースロンドンのライバルに負けじとチェフも同じ数字で並んでいます。

このデータを見て「22本という切り方は恣意的で、ブラボに都合の悪いデータを仕立てているのではないか?」と思われる方もいるかもしれませんが、GKに関する大半のデータが、ブラボの出来がよくないことを示しています。セーブ数31は、1000分以上出場しているGKでは最下位。以前に「大丈夫、いずれ勇気を取り戻す!ブンデスリーガNo.2GKだったロリス・カリウスの復活に期待!」という記事で紹介させていただいた「相手のシュート数から導き出したゴール予測値と、実際の失点数」でも、ブラボより悪いのはマンダンダとツィーラーだけです。シュートを決められたのがすべてGKの責任というわけではないのですが、ビッグセーブでチームを救っている守護神は、おのずといい数字が出るものです。

リヴァプールのロリス・カリウスがミスを連発してメディアに叩かれた後、クロップ監督は即座に対応。16節のミドルズブラ戦以降はプレミアリーグはミニョレ、カップ戦はロリス・カリウスというシフトに切り替えました。控えにまわっていたベルギー代表GKは、昨季までとは別人のような素晴らしいプレイを見せており、レッズは直近6試合を4失点。唯一2点取られたサンダーランド戦はデフォーのPK2発で、GKが責任を問われる失点は弾き切れなかったウォルターズのヘディングだけです。ペップは、先人に倣って当面カバジェロ起用としてもいいのではないでしょうか。プレミアリーグのTOP6で、GKとCBの両方に新戦力を置いているのはレッズとマン・シティだけで、クロップ監督が手を打った今は、ペップのチームのみです。バーンリー戦でパンチを空振りして失点の原因となり、エヴァートン戦では枠内シュートをすべて決められた絶不調のGKと、度重なるミスで自信喪失気味のジョン・ストーンズを同時起用し続け、「新しいスタイルに慣れろ」「冷静に戦え」とあれこれ求めるのは厳しいのではではないかと思います。

マンチェスター・シティの守備における課題について、アーセナルOBのマーティン・キーオン氏と「マッチ・オブ・ザ・デイ」のフィリップ・ネビル氏が興味深い指摘をしています。「マン・シティの守備陣はボールを失ったときの切り替えが遅く、ポジショニングが悪い」と語るのはキーオン。フィリップ・ネビルは「ジョン・ストーンズのミスばかりが槍玉に挙がるが、エヴァートン戦は3つの失点で、オタメンディとクリシーがポジションも判断も誤っていた」とコメント。DF陣がブラボを信頼し切れていないために落ち着かないという面もあるかもしれませんが、GKにも同情の余地はあるようです。ただし、このふたりはブラボについて、ほぼ同じことをいっています。

「クラウディオ・ブラボのワールドクラスのセービングを1本も思い出せない。プレミアリーグ18試合で、マン・オブ・ザ・マッチ級の活躍は1回もない」「優勝するチームには、DFが厳しいときに救ってくれるGKがいるものだ」(マーティン・キーオン)

「優勝するためには、大事なシーンでセーブしてくれるGKが必要だ。ここ10年、20年のチャンピオンチームを見てみよう。そのストップでシーズンに9~12ポイントの価値を生み出しているGKがいるはずだから」(フィリップ・ネビル)

ブラボが素晴らしいセービングでチームを救えるようになるまでには、時間が必要でしょう。ジョー・ハートが恋しくなる状況ですが、ペップはどんな判断を下すのでしょうか。新守護神がプレミアリーグを手のうちに入れるのを待つか、カバジェロに託すか、冬のマーケットで動くのか。リーグ戦での4-0敗戦は自身のワーストだった名将が、守備をどう立て直すかに注目したいと思います。

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“ブラボのセービングはプレミアリーグ最悪!? 絶不調GKをどうするのか、ペップの采配に注目!” への3件のフィードバック

  1. yuto より:

    ペップがシティの監督に就任して、即座にハートへ戦力外を言い渡したことはペップへの期待と不信感が入り混じった感情でした。
    そこへ満を持してやってきたブラボですが、年齢などを考えてどこまで待てるでしょう。
    GKのおかげで負けなかった、勝てた試合というのは今シーズンだけでもいくつかありますが、シティにはないことに今更ながら気づきました。
    上位クラブには素晴らしいGKが揃っているだけに、シティサポの方々の意見も気になりますね。

  2. だしまる より:

    更新お疲れ様です。GKの話題おもしろいですね。ブラボ・マンダンダ・ツィーラー・カリウスと他リーグでは、ベストを競ってきた俊英達が揃って、ワーストの称号を得るとは。プレミア移籍初年度で活躍できるストライカーは少ないと言われますが、今日の記事を読むと、一番、受難のポジションはGKではないかと。

    今は、プレミア有数のキーパーに育ったファビアンスキも、アーセナルで屈強な男たちに囲まれて、審判に助けの眼を向けていました。当然、無視されるわけですが。

    GKに求められる能力・資質、プレミアとそれ以外でかなり違うのでしょうか?

  3. makoto より:

    yutoさん>
    ですね。コンパニが戻れない今、ジョー・ハートの人望を軽視していたのも停滞の理由なのではないかと思ったりします。一旦、カバジェロにスイッチしたほうがいいのではないでしょうか。

    だしまるさん>
    ハイクロスやロングスローが多くて相手にしょっちゅう体をぶつけてこられること、直線的でパワフルな攻撃をしてくるチームが多く判断スピードが求められること、頻繁に詰められるのでバックパスを早く処理しないといけないことは、慣れる前は必要以上にプレッシャーを感じるのではないかと思います。ティム・ハワードは悩みまくり、デ・ヘアも戸惑いの時期を過ごすなど、マン・ユナイテッドのGKも大変でした。ファン・デル・サールはフラムでの経験が大きかったのだと思います。

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