2024.12.21 選手トピックスマンチェスター・シティの話題
心身の疲労か、終わりの始まりか…チームも絶不調で批判の矢面に立つカイル・ウォーカーの孤独。
公式戦11試合1勝2分8敗。マンチェスター・シティの絶不調の理由が語られるとき、ロドリの次に名前が挙がるのがカイル・ウォーカーです。エティハドで8年めを迎えた快足DFは、明らかにスピードが落ちており、パスやクロスの精度も低くなっています。最大の懸念は、ウインガーにちぎられたり、ゴール前で競り負けたりするシーンが増えていることでしょう。
2-1で敗れたボーンマス戦ではセメンヨとケルケズに翻弄され、2-1で逆転負けのブライトン戦は、三笘薫の突破を止められず。0-4で惨敗のスパーズ戦は、彼がジェームズ・マディソンの動きを追えていれば、いきなり2ゴールはなかったでしょう。後半も、クルゼフスキとソン・フンミンに対する軽いチャージと、ヴェルナーにあっさり抜かれた脆い対応が2失点につながっています。
ドロー決着だったクリスタル・パレス戦は、集中力を欠いたプレイが目立ちました。開始4分の失点は、ウィル・ヒューズのスルーパスがムニスに通った瞬間、右サイドで残っていたためオンサイド。後半のCKをラクロワがヘッドで決めたとき、ジャンプせずにフリーで打たせたのはカイル・ウォーカーです。
リヴァプール戦の2-0完敗も、右サイドからサラーがクロスを入れた際に、ガクポから目を離したのが痛恨でした。チャンピオンズリーグのユーヴェ戦でも、ユルディズに詰めてクロスのコースを切っていれば、ヴラホヴィッチのヘッダーはなかったはずです。キャプテンマークを巻いて先発した公式戦10試合は1勝3分6敗で、2失点以上が8試合もあります。
プレミアリーグのスタッツを昨季と比較すると、パフォーマンスの低下は一目瞭然です。タックル成功率は63.2%から58.8%。空中戦の勝率も、63.4%から60.9%にダウンしています。90分あたりのドリブルで抜かれた回数は、0.65回から0.93回に増えており、インターセプトは0.88回から0.31回に減ってしまいました。
守備の脆さだけでなく、攻撃への貢献度が下がっているのも懸念材料です。90分あたりのクロス成功は0.62本から0.41本。ロングフィードの成功率は56.5%から37.3%に下がり、毎試合4本が失敗に終わっています。ただし攻撃の課題は、ペップが解決すべきでしょう。今季の右サイドは、ウインガーやインサイドの選手がセンターに寄りがちで、SBはしばしば孤立しています。
前線のフォローがないなかで、一気にカウンターを仕掛けられたり、スピードがあるウインガーとの1対1を強いられたりしているのは確かですが、それでも昨季までは多くのピンチを封じていました。「BBC」のポッドキャストに「You’ll Never Beat Kyle Walker」というタイトルが付くほどのワールドクラスは、衰えてしまったのでしょうか。
今まで経験したことがない劣勢の連続で、先読みできず後手にまわるシーンが増え、集中力が削がれているのかもしれません。孤立といえば、現在はプライベートでも孤独に苛まれているようです。近年の不倫報道は、昨年の夏にバイエルンに移籍しようとするほど激化しており、2022年に結婚したアニー・キルナーさんがInstagramに投稿するたびに不穏な記事が配信されています。
スキャンダルに端を発した離婚問題と、モデルのローリン・グッドマンさんと2人の子どもに対する養育費問題はメディアのネタと化しており、ピッチから離れてもリラックスできる状況ではないようです。彼の行動の是非は、関係者が問うべきことで、われわれが論評するテーマではありません。ただし現状がプレイに影響しているなら、何らかの策が必要です。
ユーヴェ戦の後、SNSで殺到した差別的な誹謗中傷に抗議したベテランSBは、マンチェスター・ユナイテッド戦でホイルンドと口論になった際に、大げさなジェスチャーで倒れ込んだと非難されています。チームが不振に陥ると、ネガティブな記事が増えるのがこの世界の慣わしです。早期にできるのは、ピッチでもプライベートでも守備に追われているメンタルのケアでしょう。
リコ・ルイス、ジョン・ストーンズ、マテウス・ヌネスを活用して、休養の時間を増やすのか。あるいはキャプテンのプレッシャーから解放するのか。心身の疲労であれば、年が明けてから復活する可能性がありますが、積んでいるエンジンが劣化してしまったのなら、冬のトランスファーマーケットで後継者をアサインする必要があります。
1年前、マンチェスターの日本食レストランで指揮官に残留を懇願され、2026年まで契約を延長したキャプテンは、トップフォームを取り戻せるのか。ユーロ2024に出場した際に、「自分が耳を傾ける唯一のフィードバックは、母親の言葉」と記者に明かした孤独なDFの未来が気になります。今夜はヴィラ・パーク。ミッドウィークに2日間の休息というペップの策は効果があるのか。そして右サイドを担うのは…?(カイル・ウォーカー 写真著作者/pantkiewicz)
2-1で敗れたボーンマス戦ではセメンヨとケルケズに翻弄され、2-1で逆転負けのブライトン戦は、三笘薫の突破を止められず。0-4で惨敗のスパーズ戦は、彼がジェームズ・マディソンの動きを追えていれば、いきなり2ゴールはなかったでしょう。後半も、クルゼフスキとソン・フンミンに対する軽いチャージと、ヴェルナーにあっさり抜かれた脆い対応が2失点につながっています。
ドロー決着だったクリスタル・パレス戦は、集中力を欠いたプレイが目立ちました。開始4分の失点は、ウィル・ヒューズのスルーパスがムニスに通った瞬間、右サイドで残っていたためオンサイド。後半のCKをラクロワがヘッドで決めたとき、ジャンプせずにフリーで打たせたのはカイル・ウォーカーです。
リヴァプール戦の2-0完敗も、右サイドからサラーがクロスを入れた際に、ガクポから目を離したのが痛恨でした。チャンピオンズリーグのユーヴェ戦でも、ユルディズに詰めてクロスのコースを切っていれば、ヴラホヴィッチのヘッダーはなかったはずです。キャプテンマークを巻いて先発した公式戦10試合は1勝3分6敗で、2失点以上が8試合もあります。
プレミアリーグのスタッツを昨季と比較すると、パフォーマンスの低下は一目瞭然です。タックル成功率は63.2%から58.8%。空中戦の勝率も、63.4%から60.9%にダウンしています。90分あたりのドリブルで抜かれた回数は、0.65回から0.93回に増えており、インターセプトは0.88回から0.31回に減ってしまいました。
守備の脆さだけでなく、攻撃への貢献度が下がっているのも懸念材料です。90分あたりのクロス成功は0.62本から0.41本。ロングフィードの成功率は56.5%から37.3%に下がり、毎試合4本が失敗に終わっています。ただし攻撃の課題は、ペップが解決すべきでしょう。今季の右サイドは、ウインガーやインサイドの選手がセンターに寄りがちで、SBはしばしば孤立しています。
前線のフォローがないなかで、一気にカウンターを仕掛けられたり、スピードがあるウインガーとの1対1を強いられたりしているのは確かですが、それでも昨季までは多くのピンチを封じていました。「BBC」のポッドキャストに「You’ll Never Beat Kyle Walker」というタイトルが付くほどのワールドクラスは、衰えてしまったのでしょうか。
今まで経験したことがない劣勢の連続で、先読みできず後手にまわるシーンが増え、集中力が削がれているのかもしれません。孤立といえば、現在はプライベートでも孤独に苛まれているようです。近年の不倫報道は、昨年の夏にバイエルンに移籍しようとするほど激化しており、2022年に結婚したアニー・キルナーさんがInstagramに投稿するたびに不穏な記事が配信されています。
スキャンダルに端を発した離婚問題と、モデルのローリン・グッドマンさんと2人の子どもに対する養育費問題はメディアのネタと化しており、ピッチから離れてもリラックスできる状況ではないようです。彼の行動の是非は、関係者が問うべきことで、われわれが論評するテーマではありません。ただし現状がプレイに影響しているなら、何らかの策が必要です。
ユーヴェ戦の後、SNSで殺到した差別的な誹謗中傷に抗議したベテランSBは、マンチェスター・ユナイテッド戦でホイルンドと口論になった際に、大げさなジェスチャーで倒れ込んだと非難されています。チームが不振に陥ると、ネガティブな記事が増えるのがこの世界の慣わしです。早期にできるのは、ピッチでもプライベートでも守備に追われているメンタルのケアでしょう。
リコ・ルイス、ジョン・ストーンズ、マテウス・ヌネスを活用して、休養の時間を増やすのか。あるいはキャプテンのプレッシャーから解放するのか。心身の疲労であれば、年が明けてから復活する可能性がありますが、積んでいるエンジンが劣化してしまったのなら、冬のトランスファーマーケットで後継者をアサインする必要があります。
1年前、マンチェスターの日本食レストランで指揮官に残留を懇願され、2026年まで契約を延長したキャプテンは、トップフォームを取り戻せるのか。ユーロ2024に出場した際に、「自分が耳を傾ける唯一のフィードバックは、母親の言葉」と記者に明かした孤独なDFの未来が気になります。今夜はヴィラ・パーク。ミッドウィークに2日間の休息というペップの策は効果があるのか。そして右サイドを担うのは…?(カイル・ウォーカー 写真著作者/pantkiewicz)
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