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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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公式戦19試合連続ノーゴール…数字で見る「ラスムス・ホイルンドがゴールを決められない理由」

マズラウィの鋭いロングフィードで、ダロトが右サイドを突破したのは19分。中央を何度か確認していたWBは、ホイルンドがスベルディアを振り切っていたのが見えていたはずです。しかし彼は、ダイレクトでグラウンダーなら今というタイミングで減速してキープし、ニアで空いていたガルナチョに預けました。

すぐに囲まれたドリブラーは、逆サイドのドルグにボールを送り、右足でファーを狙ったシュートはエルストンドの足に当たりました。ヨーロッパリーグのラウンド16、レアル・ソシエダVSマンチェスター・ユナイテッド。先制のチャンスでボールをもらえなかったホイルンドは、またしてもシュートゼロで90分を終えています。

ボールタッチ19回は、フルタイム出場の選手のなかではワーストで、パス成功は8本のみ。公式戦の連続ノーゴールは、19試合となってしまいました。なぜ出さないのかと激怒されたダロトは、9番を信用していないのか。もらえるエリアに入ってきたガルナチョは、ルーベン・アモリムの就任以降はゴールを決めておらず、ホイルンドより3つ多い22試合連続の沈黙となっています。

信頼の基準がゴールの数なら、さらに後方にいたブルーノ・フェルナンデスに預けるのが正解です。今季プレミアリーグで22戦2発のホイルンドが、いかにチャンスに恵まれていないかは、シュート数を見れば明らかです。マン・ユナイテッドの1位はブルーノの68本。ガルナチョが57本、アマド・ディアロは40本で、ホイルンドの後ろにいることが多いザークツィーは24本です。

最前線で体を張る9番は、16本しか打っていません。22試合のうち12試合がシュートゼロで、3本を記録したのは25節のスパーズ戦だけです。最前線で1343分を過ごしながら、xGが2.52は悪夢のスタッツ。90分あたりのパス成功は11.1本で、敵陣ボックスのタッチ数は3.0回という低い数字です。ドリブル成功はトータル6回、クロス成功が1本ではチームに貢献しているとはいえません。

テン・ハフの下でプレミアリーグ30試合10ゴール2アシストの初年度と比較すると、90分あたりのシュート数は1.58から1.07で、ボックス内のタッチ数も4.3から3.0に減っています。考えられる要因は、2列めの顔ぶれがコロコロ変わること、ウインガー不在のシステムによるサイドからのクロスの減少、自ら打ちたがるアタッカーが多いことです。

レアル・ソシエダ戦で、ガルナチョは5本のシュートを放っています。周囲の選手を使えるブルーノとアマド・ディアロが2列めに固定されていれば、年明けからの停滞は避けられたかもしれません。リーグ戦で5アシストを記録していたアマド・ディアロのシーズンアウトと、ブルーノを1列下げるきっかけとなったメイヌーのリタイアは、9番にとって逆風となってしまったようです。

前線の3人の連携に問題があるのは明らかですが、ルーベン・アモリムは解決策を考えているのでしょうか。ヨーロッパリーグにおけるホイルンドのパフォーマンスについて問われた指揮官は、「適切なタイミングで(ゴール前に)現れなければならない。継続しなければならず、不安になってはいけない」と、選手まかせとも取れるコメントを残しています。

アモリムの打開策が「チド・オビ=マルティンの起用」なら、根本的な解決にならず、ギョケレスを連れてきても同じ悩みを抱えそうです。日曜日のアーセナル戦も、ザークツィー、ホイルンド、ガルナチョを自由にプレイさせて、劣勢になったら17歳を投入という流れになるのでしょうか。個人力頼みだったチームが、鮮やかなパスワークで決めるシーンを見たいのですが…。


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