2025.03.08 選手トピックスマンチェスター・ユナイテッドの話題
公式戦19試合連続ノーゴール…数字で見る「ラスムス・ホイルンドがゴールを決められない理由」

すぐに囲まれたドリブラーは、逆サイドのドルグにボールを送り、右足でファーを狙ったシュートはエルストンドの足に当たりました。ヨーロッパリーグのラウンド16、レアル・ソシエダVSマンチェスター・ユナイテッド。先制のチャンスでボールをもらえなかったホイルンドは、またしてもシュートゼロで90分を終えています。
ボールタッチ19回は、フルタイム出場の選手のなかではワーストで、パス成功は8本のみ。公式戦の連続ノーゴールは、19試合となってしまいました。なぜ出さないのかと激怒されたダロトは、9番を信用していないのか。もらえるエリアに入ってきたガルナチョは、ルーベン・アモリムの就任以降はゴールを決めておらず、ホイルンドより3つ多い22試合連続の沈黙となっています。
信頼の基準がゴールの数なら、さらに後方にいたブルーノ・フェルナンデスに預けるのが正解です。今季プレミアリーグで22戦2発のホイルンドが、いかにチャンスに恵まれていないかは、シュート数を見れば明らかです。マン・ユナイテッドの1位はブルーノの68本。ガルナチョが57本、アマド・ディアロは40本で、ホイルンドの後ろにいることが多いザークツィーは24本です。
最前線で体を張る9番は、16本しか打っていません。22試合のうち12試合がシュートゼロで、3本を記録したのは25節のスパーズ戦だけです。最前線で1343分を過ごしながら、xGが2.52は悪夢のスタッツ。90分あたりのパス成功は11.1本で、敵陣ボックスのタッチ数は3.0回という低い数字です。ドリブル成功はトータル6回、クロス成功が1本ではチームに貢献しているとはいえません。
テン・ハフの下でプレミアリーグ30試合10ゴール2アシストの初年度と比較すると、90分あたりのシュート数は1.58から1.07で、ボックス内のタッチ数も4.3から3.0に減っています。考えられる要因は、2列めの顔ぶれがコロコロ変わること、ウインガー不在のシステムによるサイドからのクロスの減少、自ら打ちたがるアタッカーが多いことです。
レアル・ソシエダ戦で、ガルナチョは5本のシュートを放っています。周囲の選手を使えるブルーノとアマド・ディアロが2列めに固定されていれば、年明けからの停滞は避けられたかもしれません。リーグ戦で5アシストを記録していたアマド・ディアロのシーズンアウトと、ブルーノを1列下げるきっかけとなったメイヌーのリタイアは、9番にとって逆風となってしまったようです。
前線の3人の連携に問題があるのは明らかですが、ルーベン・アモリムは解決策を考えているのでしょうか。ヨーロッパリーグにおけるホイルンドのパフォーマンスについて問われた指揮官は、「適切なタイミングで(ゴール前に)現れなければならない。継続しなければならず、不安になってはいけない」と、選手まかせとも取れるコメントを残しています。
アモリムの打開策が「チド・オビ=マルティンの起用」なら、根本的な解決にならず、ギョケレスを連れてきても同じ悩みを抱えそうです。日曜日のアーセナル戦も、ザークツィー、ホイルンド、ガルナチョを自由にプレイさせて、劣勢になったら17歳を投入という流れになるのでしょうか。個人力頼みだったチームが、鮮やかなパスワークで決めるシーンを見たいのですが…。
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