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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

モトは取れるか!? 「1億ユーロの男」ポール・ポグバの初年度データを徹底解剖!

何しろ、フットボール史上最高の9200万ポンド(現在のレートで約129億円)。ユーロに換算すれば1億を超える移籍金でポール・ポグバがマンチェスター・ユナイテッドに復帰することが決まったとき、私のなかでは期待よりも懸念が膨らんでいました。ガリー・リネカー氏に「世界で最も過大評価されている選手」とまでいわれた若いMFは、高い移籍金がタブロイド紙や目の肥えたプレミアリーグファンの格好のネタとなり、相手チームよりも強烈なプレッシャーと戦わなくてはならなくなるんじゃないか、と。モウリーニョ監督が2枚のセントラルMFで戦っていた序盤戦では、ポグバは厳しい評価を集めていました。フェライニと並ぶと、ボックスまでの距離が遠いために攻撃的なセンスを活かしづらく、強引に上がった後のスペースを使われて逆襲を受けることもしばしば。プレミアリーグ4節のマンチェスターダービーで本領を発揮できず、イブラヒモヴィッチが「ポグバにあれこれいうヤツは嫉妬しているだけだ」と消火しにいった時期が、批判のピークでした。

風向きが変わったきっかけは、6節のレスター戦でした。4-1で完勝したこのゲームは、ポグバがプレミアリーグ初ゴールを決めた記念すべき第一歩であり、モウリーニョ監督が4-3-3の左インサイドに6番を置いた最初の試合でもありました。指揮官はしばらく試行錯誤したものの、11月以降は4-2-3-1から4-3-3に完全シフト。一昨年のプレミアリーグ優勝監督が使い慣れた戦い方を封印したのは、アンカーのキャリックと左のポグバがフィットしたからでしょう。11月末のウェストハム戦で初アシストを決めると、ポグバに対する批判的な声は次第に小さくなっていきました。1月の「メトロ」で、あのルート・フリット氏が「ポグバはデパイと同じことになろうとしている」とアラームを鳴らしたのは、プレイぶりではなく奇抜な髪型についてでした。ズラタンとのホットラインで貴重なゴールの起点となる姿が目立ってきた今、ポグバの移籍金額がタブロイド紙の見出しに使われる機会は激減しました。

今やマンチェスター・ユナイテッドになくてはならない存在となったポグバについて、あらためて振り返ってみましょう。プレミアリーグ24試合4ゴール3アシスト、公式戦全体では7ゴール5アシスト。2347回のタッチと1787本のパスは、いずれもリヴァプールのジョーダン・ヘンダーソンに次ぐリーグ2位。スルーパス23本は、36本のアレクシス・サンチェスに離されていますが、こちらもデブライネと並ぶ2位です。実はシュートも多く、ジエゴ・コスタやアグエロより多い81本で、全体の4位に入っています。「Hit Woodwork」すなわちクロスバーやポスト直撃が5本もあり、デブライネと1差の2位なのは気になりますが、数々のデータがポグバが幅広くチームに貢献していることを示しています。

さらに先日、「インディペンデント」が、ポグバが敵陣でのパス成功本数で1000本台に一番乗りしたと伝えました。「EAスポーツ」の集計によると、ポグバは1029本のパスを決めており、2位ヘンダーソンの987本、3位メスト・エジルの954本を引き離してトップに立っています。「アタッキングエリアにおいて前へのパスが少ないと批判されたファン・ハールのチームを変えた」という評価には納得です。各国リーグのさまざまなデータを紹介しているサッカー専門メディア「WhoScored」は、試合ごとの10段階評価のアベレージでポグバを3位としており、上にいるのはエデン・アザールとアレクシス・サンチェスのみ。チェルシー躍進の原動力となったジエゴ・コスタより高いレートとなっています。出遅れ気味ではあったものの、初年度のここまでのデータは悪くないのではないかと思います。

彼のプレイを観ていると、素晴らしいサイドチェンジや意外性のあるスルーパスに驚嘆させられる一方で、リヴァプール戦のハンドでPKを許したような冷静さを欠くプレイや、自陣での不要なドリブルも目につきます。とはいえ、まだ23歳。経験をさらに積んで粗さやムラが削がれれば、名実ともにプレミアリーグNo.1、いや、世界一と評価される選手になるのではないでしょうか。ポール・ポグバのさらなる成長を見届けたいと思います。できればスペインではなく、マンチェスター・ユナイテッドの赤いユニフォームを着たままで

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