サカ不在の右サイドでも空転…フィル・フォーデンはイングランド代表から消えてしまうのか?

ウェンブリーのアルバニア戦を2-0の勝利で終えたトーマス・トゥヘル監督は、ラシュフォードとフォーデンが苦戦の原因のひとつだったと認めました。より厳しかったのは、右サイドのフォーデンでしょう。シュート、ドリブル成功、チャンスクリエイトがすべてゼロで、ハリー・ケインやベリンガムとの連携も見られませんでした。
彼にとって、ブカヨ・サカが不在の一戦は、チャンピオンズリーグに負けず劣らず重要だったはずです。プレミアリーグで35試合19ゴール8アシストという素晴らしい数字を残し、MVPを獲得して臨んだユーロ2024の悪しき記憶を消し去るチャンス。ドイツではサカが右サイドに入ったため、左サイドとトップ下が主戦場となり、ゴールもアシストもなく大会を終えていました。
今回は、昨シーズンのマンチェスター・シティで見せたパフォーマンスを再現すればいい右サイド。前半のポゼッションは79%対21%と、アウェイチームとの力量差は明らかで、多少の強引なプレイは許容してもらえる展開でした。パスをまわすだけに終始した74分は、「カットインしやすい右サイドでもダメなのか」と、母国のサポーターを落胆させただけでした。
「フォーデンは、どこでプレーしたいか心配する必要はない。彼はもうプレイしないからだ」。ロイ・キーンの辛辣なコメントに「新監督の最初の試合で、そこまでいわなくても…」とハラハラしつつ、リアルな見方ではあるとも思います。トゥヘル監督の手元には、多彩なタレントのリストがあり、彼の復活を待たなくても勝てるチームを作れるでしょう。
右サイドはサカとジャロッド・ボーウェン、左はアンソニー・ゴードン、ラシュフォード、エゼで、トップ下はベリンガムとコール・パルマー。本番まで1年半という時間があれば、成長著しいイーサン・ヌワネリが間に合うかもしれません。ユーロ2024でストレスを溜めたレフティは、疲労回復の時間を取れずに始まった新シーズンで、迷いを深めてしまったのでしょうか。
今季プレミアリーグは24試合7ゴール2アシスト。開幕から11試合ノーゴールで、1月に6ゴールと復活の兆しを感じさせた後、2月以降は6試合連続で沈黙しています。昨季と比べると、パフォーマンスの低下は明らかです。オンターゲットは48から16に激減し、キーパスは73本から41本。ドリブル成功は47から13で、203回だった敵陣でのボールタッチは81に減っています。
最も気になるのはゴールを決めたエリアで、ミドルシュートからの6発とボックス右からの3発はゼロになってしまいました。彼にとって、デブライネとフリアン・アルバレスの存在は絶大で、サヴィーニョとの連携不足が停滞のベースになっているのかもしれません。年明けの6ゴールのうち4ゴールは、デブライネがトップ下にいる布陣で決めています。
ベリンガムや中盤センターとの連携の質が高まれば、強みを発揮できるようになるのかもしれませんが、代表チームで戦術を熟成させる時間は限られています。サカとコール・パルマーが復帰したら、出番を失ってしまうのでしょうか。火曜日のラトビア戦でアグレッシブなプレイを見せられなければ、ユーロ2024のチームを否定した指揮官は、早々に判断を下す可能性があります。
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いつも楽しく拝見しております。
マイケルオリーセはまだイングランド代表に呼べますでしょうか?
ユースからずっとフランスなので、A代表でもそうかと思っておりましたが。
すみません!ジャロッド・ボーウェンがなぜかマイケル・オリースになってしまってました。
エゼのスタッツを見ながら、「そういえば今、どんな感じ?」とチェックしたのが原因と思われます。
ご指摘ありがとうございました。訂正させていただきました。